協会活動報告

みなさんの参加お待ちしています(第9回研究大会)

  当協会ホームページの「お知らせ」のコーナーに、9回社団法人宮崎県老人保健施設研究大会の参加申込み開始のお知らせを掲載しております。316日(金)の14時から20時まで、宮崎市の宮崎観光ホテルで開催予定です。多数の参加をお待ちしています。また、ひとえ歯科クリニック院長の宇都仁惠先生による特別講演は、一般公開となっておりますので、老健関係者に限らず、どなたでもふるってご参加ください。

ことぶき苑のHPアドレスが変わりました

 宮崎市の介護老人保健施設ことぶき苑の、ホームページアドレスが変わりました。新しいアドレスは、

 

http://keijukai-k.com/main.html

 

です。当協会ホームページの「会員施設一覧」のページからもアクセスすることができます。

自立した日常生活をできるようにすると共に、居宅における生活への復帰を目指し、支援することを目指すことぶき苑の、青と白を基調とした見どころたくさんのホームページ。是非アクセスしてみて下さい。

 

平成24年になりました

  新年あけましておめでとうございます。旧年中は(社)宮崎県老人保健施設協会の活動に対し、ご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。

色々なことがありすぎた平成23年。思えば新年が明けたばかりの119日、新燃岳が大爆発。驚きも冷めやらぬ同22日に鳥インフルエンザが発生。口蹄疫からの復興元年としてスタートしたばかりなのに、宮崎は一体どういうことになるのやら、と思ったところに311日の東日本大震災。その後も自然災害の恐ろしさを思い知らされながら、一方では人と人との絆の大切さに触れながら、1年がこれまでにない速度で過ぎてしまったように思います。

 そうして新しい年が明けました。平成24年はいったいどのような1年になるでしょうか。どうか昨年のような天変地異が無いことを祈っています。

 一方、少子高齢化が進み、それに伴い様々な課題が加速度的に山積していく中で、老健施設が地域の中で果たす役割も、今後ますます重要になってくると思われます。

このような情勢の中、当協会も新たな変革の時を迎えようとしています。会員施設の資質向上や、対内・対外広報活動の展開による情報の受発信などを通じて、広く県民皆様の福祉増進に寄与していきたいと存じますので、本年も変わらぬご理解・ご協力方いただきますようお願いいたします。

介護職痰吸引研修事前調査結果をアップしています。

 当協会がさきごろ実施した「介護職員等による痰の吸引等の実施のための研修事業における事前調査」の結果を「お知らせ」のページにアップしていますので、当該研修への介護職員等の派遣の検討材料の一助としていただきますようお願いいたします。

 今回の調査に対し、37の会員施設からご回答をいただきました。その中で、20の施設が「痰の吸引が必要な入所利用者が5名以上いる」との回答がありました。そのうち、「20名以上いる」と回答は2施設ありました。

 このような現状を踏まえ、「介護職員等による痰の吸引等の実施のための研修事業」に、「施設側として参加させたいと思う」と答えたのは28施設で、受講させたい職員数も220名となりました。さらに、今回調査した全介護職員1,138名のうち、受講を希望する職員は全体の40.9%にあたる465名にものぼるなど、介護職員等による痰の吸引の必要性および、本研修事業への関心が高いことが示唆されました。

 詳しい調査結果はPDFファイルにてアップしておりますので、是非ご参照くださいますよう、重ねてお願い申し上げます。

ケアプラン研修会案内をアップしています。

  「お知らせ」のページに、当協会高齢者ケアプラン部会主催による、包括的自立支援プログラムケアプラン策定研修会の開催案内をアップしています。内容をご覧の上、奮って参加下さいますようお願いいたします(こちらをご参照ください)。

 ちょうど今(1210日から)、宮崎日日新聞では「生ある限り」と題し、宮崎の高齢者介護を巡る諸問題についての特集記事が連載されています。老老介護や介護うつなど、介護に関する課題はあまりにも多いことを痛感させられる内容です。高齢者が生きがいをもって生活できるよう、なおかつその介護に当たる家族等が心身共に負担や疲労なく過ごせるよう、介護保険制度の果たす役割が重要であることは言うまでもありません。そしてその中においてケアプランは、介護を受ける本人や介護者の生活や人生、生命を支える中核をなすもの。紋切り型の書類ではその使命は果たせません。一人一人に応じた、その人だけのケアプランを策定し、実践することが不可欠です。

 このような現状を踏まえ、今回の研修会はグループワーク形式で行われ、事例を用いてケアプランの立案を学んでいきます。同研究部会では、特に今まで参加されたことのない方への参加を呼びかけています。スタッフがわかりやすく、ていねいに指導します。多数の参加をお待ちしています。

災害対策調査結果をアップしています。

 「お知らせ」のコーナーに、当協会で先頃実施した「災害対策に関する実態調査」の結果をアップしましたのでご覧下さい。

 調査実施に当たっては、33の会員施設から回答を頂きました。「危惧している災害にはどのようなものがありますか(複数回答可)」の設問に対し、「地震」と答えた施設が25件と最も多く、次いで「台風(22件)」、「火災(17件)」、「津波(12件)」の順となりました。さらに、地震に関する危機管理マニュアルについて「ある」もしくは「整備中」と回答した施設が22あり、地震への関心が高まり、備えを進めようとしている施設が多い事がうかがえました。

 また、「いつ噴火してもおかしくない状況」と言われている新燃岳のある本県。「火山噴火」を危惧していると回答した施設も7件ありました。

 各会員施設とも、それぞれに立地条件などが異なり、心配される災害の対象も違っているとは思いますが、利用者様の大切な命を預かっているという、その責任の重さに違いはありません。また、施設が地域住民の避難の場となっていたり、大規模災害時に高齢者や障害者、病気療養中の人などの災害弱者を受け入れる「福祉避難所」の指定を受けている会員施設もあり、「起こって欲しくはない『まさか』の時」に老健の果たすべき役割は極めて重要だと言えます。

 今回の調査結果を参考に、各会員施設におかれましても更なる災害対策への取り組み強化をお願いいたします。

震災マニュアルをアップしました。

 去る1025日に開かれた、公益社団法人全国老人保健施設協会第1回臨時社員総会において配布された”介護老人保健施設「震災マニュアル」(暫定版)”を、PDFファイルにて「お知らせのページにアップしましたのでご活用下さい(サイズ:2.15MB)。

なお、これは、11月7日付文書にて当協会より会員施設宛に送付したものと同じ内容ですので申し添えます。

 

 

栄養教室開きました(栄養給食部会)

 (社)宮崎県老人保健施設協会栄養・給食研究部会は118日西都市の西都市民会館で高齢者栄養教室を開きました。講義や実習を通じて、食事摂取に関する高齢者の能力の変化や、それを補う高齢者ソフト食について理解を深めました。

 今回の教室は西都・児湯地区の4老健施設(菜花園、シルバーケア新富、なでしこ園、並木の里)のほか、同地区の関連施設が対象。管理栄養士をはじめ、調理に関わる職員、看護師、介護支援専門員、さらには利用者のご家族など、36人が参加しました。

 

IMG_1537.JPG 教室ではまず、高齢者ソフト食について、潤和会記念病院の管理栄養士、納富祥子さんが、スライドを用いて講義を行いました。高齢者は嚥下(飲み込み)が悪くなり、食道に行くべき食べ物が、気管を経て肺に達し、肺炎(誤嚥性肺炎)を引き起こす危険性があること。また、加齢に伴い、味覚やかむ力が衰え、唾液の分泌量も減少。食事が楽しくなくなるだけでなく、低栄養、脱水、窒息などの危険性が高まることなどの問題点が説明されると、参加者は真剣な表情で聞き入っていました。

 これに対して、高齢者ソフト食は、(1)しっかりとした形がある、(2)適正なサイズで口にとりこみやすい、(3)適正な硬さでかみやすい、(4)まとまりやすい、食塊(食べ物のかたまり)形成がしやすい、(5)適正なすべりをもち、移送しやすい、(6)適正なスピードで飲み込みやすい・・・などのメリットがあり、それらの問題が解決できるとし、導入までの流れや、主食やおかずなど、それぞれにおけるソフト食の種類、特徴などが紹介されました。

 

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「気さくな話し方でわかりやすい」と好評だった納富さんの講義。

 

 

 続いて、調理実習。この日取り組んだソフト食は、巻き寿司、あおさのみそ汁、鶏の唐揚げ、そしてなすのずんだ和えの4品目。まず、作り方を習った後、さっそく調理実習室に移動。4グループに分かれて、調理を行いました。巻き寿司は、米を炊く直前にゼラチンパウダーを入れてかき混ぜること、唐揚げの衣は、まず小麦粉、次に溶き卵の順番で別々につけること、なすは皮をむいて、繊維に直角に切ることなど、参加者は資料を確認し合いながら作業を進めていきました。

 

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  「簡単!家でもできそう!」と評判でした。

 

 

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↑↓巻きずし。ゼラチンごはんは冷やすとまとまり、調理しやすくなります。

 

 

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IMG_1588.JPG ↑なすのずんだ和え。なすは繊維に直角に切るのがポイント!

 

  

 

IMG_1592.JPG   ↑すごくやわらか!鶏の唐揚げ。

   

 そしていよいよ試食会。見た目の色や形は普通の食事と変わらないのに、実際に口にしてみると、講義で学んだ通り、適度な硬さやまとまりやすさ、そして口からのどに運ぶ際のなめらかさに、参加者は驚いたり、納得したり。それぞれ感想を出し合いながら、有意義なひとときを過ごしました。

 参加者からは、「本を見たり、話を聞くだけではわからなかった部分が、実際作ってみることで理解できた」、「初めてソフト食を作ってみたが、手軽にできたのでびっくりした」、「とてもおいしく、感動した」などの意見が寄せられたほか、それぞれの施設や家庭でも作ってみようという声も多く聞かれ、今後につながる楽しく、おいしい教室となりました。

 

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和気あいあいの中にも、メモをとるなど熱心に行われた試食会。

研修会を開きました(ケアプラン研究部会)

 ()宮崎県老人保健施設協会高齢者ケアプラン研究部会は115日(土)、宮崎市花山手の宮崎市民文化ホール会議室で、リーダー研修会を開きました。今回は熊本から「()地域ケアプラン研究所・海(かい)」の大石逸子代表を講師に招き、施設ケアプランの効果的活用について学びました。会員施設等から57人が受講しました。

 大石先生は医療法人萬生会西合志病院副院長兼総婦長を経て独立。同研究所を開設されました。現在、熊本県および宮崎県の介護支援専門員現任教育教師や日本総合研究所講師、熊本看護専門学校講師なども務め、さらに九州各県で市町村介護給付適正化事業に関わったり、NPO法人理事、第三者評価委員もこなされるなど、八面六臂の活躍中です。この日はそんな激務の合間を割いて駆けつけて下さいました。

 

 

 

IMG_1501.JPG  エネルギッシュに語る大石先生。 時間がいくらあっても足りないくらいのためになるお話でした。

 

 「老健が老健の役割を果たさなくなくなっている。介護保険前は自宅にちゃんと帰していたが、介護保険が始まったと同時に、老健全体が特養化しだした。『老健って何なの?』と問われる時代がもうそろそろ来る。私は介護保険が始まるずーっと前から老人と関わってきた。寝かせっきりの時代もあった。それじゃあいけない、と平成元年あたりから言い出して、平成2年から家に帰そう、と取り組み始めた。そうすると、帰れない人はいない。これは現場で何十年やってきて確信したことだ。『うちの施設は帰れない人が多いんです。家族が受け入れられないんです。行くところがないんです』と言ってる施設が、要らない施設になる。これは間違いないことだ」──。開口一番、老健がその本質的使命である、在宅復帰機能を果たしていない現状を切り出した大石先生の話に、受講者の背筋がピンと伸びました。

 

IMG_1506.JPG 一言も聞き漏らすまい、と熱心に聞き入る受講者の皆さん。

 

 利用者の意欲を高める支援方法や、多種チームとの連携の重要性、「生活支援」の視点と施設ケアプランのあり方、さらにそれらのために必要となる能力などについて、スライドを用いて講義が行われた他、グループワークも交えながら研修が進められました。

 講義の中で、大石先生は「ケアプランで人を教育し、組織を育成できる」と強調されていました。ケアスタッフを教育していくには、(1)理念、方針、考え方、現状を直接示す、(2)ケアに関連した学習ができる環境をつくる、(3)患者が療養しやすい環境をつくる努力をする、(4)スタッフが教える、尋ねられる環境をつくる・・・の4つを、また、組織を育成するためには、(1)指示命令系統をはっきりさせる、(2)確実に指示、決定事項が伝わるようにする、(3)管理者を育てる・・・の3つを示されました。

 一方、利用者や家族との関係において、「ケアプランは契約!3ヶ月の目標を立てておきながら、3ヶ月後それを果たせていなかったら契約違反。『訴える』という人が出てきてもおかしくない」と指摘。ケアプランの重要性を改めて思い知らされました。

 グループワークでは、参加者自身やそれぞれの職場について、その強みや弱み、機会、諸環境などについて各自が分析した後、意見を交換し合いました。

 

 

 

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グループワークでは、各自がそれぞれの現状を踏まえ、意見を交わしました。

 

 研修の終わりに、「強みをいかに機会に変えきるか、それがこれからの皆さんや、皆さんの職場が生き生きする方法論だ。そうするとケアプランも生き生きする。自分たちで自分たちの職場を悪循環から良い循環に変えていくしかない。今回の研修を、自分や職場の強みと弱みを考え、どういうケアマネージャになりたいか、どういうケアプランを作りたいか、を考える機会にして欲しい」と締めくくられた大石先生。限られた時間の中で、本当に内容の濃い研修会となりました。

研修会を開きました(在宅支援部会)

  (社)宮崎県老人保健施設協会在宅支援研究部会は1029日、宮崎市清武町の生活遊裕館で研修会を開きました。テーマは『デンマークの福祉制度と介護サービスの実際』。

 講師にはデンマークからベンツ・ラワーセンさん、いつみ・ラワーセンさんご夫妻にお越しいただきました。ベンツ・ラワーセンさんは、障害児の福祉に関するデンマークの国家資格「ペタゴー」を持ち、オトゴップガーデンの施設長の他、障害者の在宅自立支援訪問チーム長も兼任されています。いつみ・ラワーセンさんは、かつて介護老人保健施設サンヒルきよたけ(宮崎市清武町)で介護福祉士として勤務されており、その縁あって、今回の研修会が実現しました。会員施設等から63人が参加し、会場は熱気に包まれました。 

 2006年の調査で「世界で一番幸福な国」となったデンマーク(これに対して日本は何と90位!)。その介護と福祉の実際について、実例を交えながら、わかりやすくお話ししていただきました。

 「世界一幸福な国」であるために、デンマークの社会サービスは「平等」ではなく「公平」の考え方を取り入れている、ということでした。これは、全員に差別無く同じサービスを提供する「形式的平等」ではなく、一定のレベルの生活の質に対し、不足しているところを必要な分だけを提供してやることで、皆の生活の質が一定のレベルから落ちないように支え合おうとする、「実質的平等」を目指そうというものだそうです。そして、そこが日本の考え方とは異なるのだと強調されていました。IMG_1450.JPG

 いつみ・ラワーセンさん。「平等ではなく公平」の説明に、一同納得。

 

 そのために、所得税は45%?67%、消費税は25%と、デンマークの税率は日本のそれよりかなり高くなっていますが、それが国民の義務であり、国民はそれを果たすことで、国民の権利である生活の保障が約束されている、という国と国民との信頼関係ができているとのことでした。

 また、デンマークの高齢者福祉生活と住まいの変遷について触れられました。従来の「プライエム」という介護提供型の施設では「高齢者は介護を受ける人」と考えられていたのが、1987年に高齢者・障害者住宅法が成立してからは、プライエムの建築は禁止。「プライエボーリ」などの高齢者住宅がこれに取って代わり、高齢者は「自立して生きる人」として、自立支援型の介護観のもと、残っている能力を活かし、自己決定を尊重した、生き生きとした人生継続できるようになったとの説明に、参加者達はうなずいたり、メモを取ったりして聞き入っていました。

 

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ベンツ・ラワーセンさん。デンマークと日本の考え方の違いを解説して下さいました。

 

 なお、日本で言うところの母子手帳には「あなたの子供は、あなたの子供ではない」と書いてあるのだそうです。これは、子供は両親だけの所有物ではなく、国の将来を担う「国家の財産」と位置づけられています。そのため、幼稚園から大学まで学費は無料とのこと。そのほか、「世界一幸福な国」を裏付ける様々な充実した福祉制度などの話題がてんこ盛りで、驚きと感動の連続。あっという間の2時間でした。

 

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熱心な質問が相次ぎ、時間をオーバーしても会場の熱気は冷めませんでした。

 

 いつみ・ラワーセンさんの里帰りの機会に合わせて開かれた研修会とはいえ、遠く離れたデンマークの福祉と介護の現状について、生の情報を拝聴することができた貴重な研修会となりました。

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