今年もあと2ヶ月

 早いもので、金曜日で10月も終わり。平成26年も残り2ヶ月となってしまいました。今年を振り返るにはまだ早いか、それとも早くないか・・・?

 色々なニュースがありましたが、青色発光ダイオードを発明、実用化させた赤崎勇さん、天野浩さん、そして中村修二さんのノーベル物理学賞受賞は2014年を明るく照らす朗報となりました。

 1031日は「ガス記念日」。1872年(明治5年)のこの日、日本に初めてガス灯がともったことにちなんで定められたそうです。

 神奈川県警加賀町警察署のホームページに「日本初ガス灯」というページがあり、当時のものを復元したガス灯の写真が紹介されています。そこには次のような紹介文が載っていました。

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「文明開化の象徴として全国に先がけて横浜にガス灯がともされました。柱部は英国グラスコー市から輸入し、灯具は日本職人により製造されたといわれています。最初の点灯場所は大江橋通り・馬車道通り・本町通りであり、一年後には市内主要道路のほとんどに設置せれました。

 当時、文明開化の世とはいえ人々の驚きは大変なもので、『横浜ガス史』によれば『キリシタンの魔法である』との流言まで飛び、恐れをなすものや心配して騒ぐものが少なくなかったと言われています。」

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 今から142年前のこと。それまでは日が沈むとほぼ真っ暗になっていた横浜の街が、ガス灯の明かりで照らされだしたものですから、それはそれは大騒ぎになったことでしょう。

 そして時は現代。青色発光ダイオードのおかげで、私たちの暮らしは劇的な変化を遂げたといっても過言ではありません。ガス灯発祥の地、横浜の人たちもこの吉報を喜び、ひょっとすると「街の灯りがとてもきれいねヨコハマ、ブルー・ライト・ヨコハマ」と、いしだあゆみさんの名曲を歌って祝福しているかも・・・。

 横浜と言えば、先日も紹介しました通り、平成2792日から4日にかけて「第26回全国介護老人保健施設大会神奈川in横浜」が「高齢者が輝く未来へ  お洒落に!スマートな連携!」の大会テーマで開催されます。大会ポスターもアップしていますので活用して下さい。そして大会へ参加された暁(あかつき)には、日本最初のガス灯を見に行ってみるのもよいかと思います。「歩いても 歩いても 小舟のようにー」と歌いながら。

来る前よりも幸福に

 「あなたのところに来るひとをだれ一人、来る前より幸福にせずに立ち去らせてはいけません。」・・・このように言ったのはマザー・テレサ(「人生の指針が見つかる『座右の銘』1300、別冊宝島編集部 編、宝島社」)。彼女の慈愛の深さはもちろん、そのために貫いた信念の強さには敬服するばかりです。

 来る前より幸福にすること、それは老健施設の使命とも言えるでしょう。公益社団法人全国老人保健施設協会が毎月発行している協会機関紙「老健」には、「介護老人保健施設の理念と役割」が載っていますが、そこには「介護老人保健施設は、利用者の尊厳を守り、安全に配慮しながら、生活機能の維持・向上をめざし総合的に援助します。また、家族や地域の人びと・機関と協力し、安心して自立した在宅生活が続けられるよう支援します」と記されています。

 利用者の意思と希望を尊重し、望ましい生活が送れるよう、スタッフが連携してチームケアを提供することはもちろん、家族や地域の人びと、そして諸機関と協力していくことが肝要だと思います。来る前よりも幸福になれるように。

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最古のふんに興ふん

 1017日の朝日新聞に「脊椎動物
国内最古のふん」という記事がありました。「日本最古となる脊椎動物のふんの化石が、宮城県南三陸町の約24700万年前の地層からみつかった」のだそうです。

 記事によると24700万年前というのは生物の大量絶滅の500万年後にあたり、すでに生態系が回復していたことを示す国内最古の発見で、その地層について「生態系回復の歴史を解明する重要な拠点になる」という関係者のコメントも紹介されていました。

 たかが”ふん”、されど”ふん”、だと思いました。「排泄物」と言い捨ててしまえばそれまでのことですが、現在地球上でこのように生きている私達が、24700万年前という気が遠くなるようなはるかな昔に排便したこの脊椎動物と、何らかの形でつながっているかもしれないと思うと、感慨深いものがあります。地球上の生物はこれまで何度か大量絶滅とそこからの回復を繰り返してきたそうですが、その謎がわかっていくことで、生命の神秘、そして命の尊さに対する思いがより一層深まることではないでしょうか。

 そして私達、老健施設で働く者にとっても「ふん」・・・ではなく「排泄」ケアがすこぶる重要なのは言うまでもありません。「見て見ぬ振り」なんてもってのほか。他職種が連携し合い、しっかり観察、記録、対応することが重要です。もちろんそのために幅広く、そして深い知識と技術も必要です。適切な排泄ケアが行われているか否かが、命を左右すると言っても過言ではありません。

 排泄ケアに関しては医療、看護、介護、福祉機器、リハビリテーション、栄養・給食など各方面で研究・開発が進められています。各老健施設においても様々な取り組みの成果が発表されており、今後ますます排泄ケアの質は向上していくものと期待されます。そしてそれは後々私達自身が受けるであろう排泄ケアにつながるもの。24700万年先とは言いませんが、10年後、20年後、30年後、・・・の排泄ケアが、今よりもっと良いものになっているよう、それぞれにおける現在の取り組みの手綱を緩めてはいけない・・・と思った記事でした。

岩手の次は横浜大会!

 1015日から17日にかけての3日間、「第25 全国介護老人保健施設大会 岩手」が盛岡市民文化ホール(マリオス)ほかで盛大に開催されたことは、先日紹介した通りですが、来年、つまり平成2792日から4日にかけては、「第26回全国介護老人保健施設大会 神奈川 in 横浜」が「高齢者が輝く未来へ  お洒落に!スマートな連携!」の大会テーマで開催されます。

 既に現在、大会関係者がその準備に取りかかっており、Future when elderly people shineと銘打った大会ポスターも完成しており、当協会にも送られてきました。こちらからダウンロードしてご活用下さい。

 先日も述べた通り、日々の業務の中で感じる疑問や問題点には、研究発表の題材がたくさんありますし、それらを研究する中で、疑問が解決し、問題が解消されることは即ちケアの質の向上そのものであることはもちろん、より良い研究発表にもつながります。さらに大会テーマにもある通り、「高齢者が輝く未来」に向けて、その扉を開く鍵となるかもしれません。

是非来年はその成果を披露し合いましょう。横浜でお目にかかるその日を心待ちにしています。

感染症予防研修会開きました(看・介部会:速報)

(公社)宮崎県老人保健施設協会看護介護研究部会は1025日(土)、宮崎市のJAアズム別館202研修室で高齢者の感染症予防対策研修会を開きました。講師に宮崎県健康増進課感染対策室の西田敏秀先生をお招きし、感染症に関する現状や具体的な予防法などについて学びました。

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この研修会の詳しい模様は後日連載する予定ですのでお楽しみに。

セミナー申込締め切り25日まで

 (公社)宮崎県老人保健施設協会事務長会および在宅支援研究部会が1115日(土)宮崎市のシーガイアコンベンションセンター4階「蘭玉」開催する、「介護保険改定への対応セミナー」の申込締め切りは1025日(土)までとなっています。

 このセミナーは、講師に社会福祉法人登別千寿会理事で、特別養護老人ホーム緑風園の菊地雅洋総合施設長をお招きし、「介護保険改正にどう対応する? 老健は? 特養は? グループホームは? 居宅支援事業所は?」と題し、講演をしていただくもので、来年の改正に向けて老健のみならず、特養やグループホーム、居宅支援事業所はそれぞれどういう舵を切っていくべきかについて、具体的かつ実践的な話が聞ける大変有意義な内容です。

 受講料として老健関係者は1500円が必要ですが、それ以外の方は無料で受講できます。詳しくはこちらをご覧の上、「参加申込書」により介護老人保健施設サンヒルきよたけ(FAX:0985-84-0700、担当:濱砂)までお申し込み下さい。

明るい話題

 107日の夕方、まさに「明るい話題」が日本中を明るく照らしました。赤崎勇さん、天野浩さん、そして中村修二さんのノーベル物理学賞受賞のニュースです。3人が発明、実用化させた青色発光ダイオードについて、スウェーデン王立科学アカデミーは「人類に最大の恩恵をもたらした発明」と絶賛しています。2002年に同賞を受賞した小柴昌俊さんも108日付けの朝日新聞で「私がいちばんうらやましいのが、実生活に役立つ発明で受賞されること」と述べていますが、事実、私たちの生活は大きく、そして便利に変わりました。暗いニュースが目立つ昨今にあって、まさしく「明るい話題」です。

 109日付け日本経済新聞に「白熱灯などからの歴史的な切り替えが起こった」とも書いてある照明分野はもちろん、テレビやスマートフォン、そしてブルーレイ・ディスクなど、青色発光ダイオードの発明は世界を一変させ、既に「21世紀で最大の発明」と言われているのもうなずけます。日向神話に登場する太陽神、天照大神(アマテラスオオミカミ)も、「天孫降臨以来最大の発明!」と賛辞を贈っているかもしれませんね。

 授賞式はノーベルの命日である1210日に行われるとのこと。みんなでその栄誉を祝福したいと思います。 

「呼んでくれて感動」に感動

 これは介護の仕事に携わる私の知人(Pさん:仮称、20歳代女性)が、夜勤中に体験した話です。

 

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 その利用者(Lさん:仮称)はいつも夜中口癖で「〇〇ちゃーん」と、前の主任の名前を呼んでいたとのことですが、その夜初めて「Pちゃーん」と呼んでくれたそうです。

 認知症のあるLさんは、5分前の事も忘れてしまうのだそうですが、Pさんは毎日顔を合わせるたびに「私は誰でしょう?」と尋ね続けてきたそうです。

 そうして1年経ったその夜、初めてLさんが「Pちゃーん」と呼んでくれた時のことを、Pさんは「この仕事について1番感動した瞬間でした」と語っていました。

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 心が温まる、とてもいい話だと感銘を覚えました。また、認知症ケアを実践する介護のプロフェッショナルだと、Pさんのことを尊敬してしまいました。短期記憶障害のあるLさんに深い愛情を注ぎ続け、自分の名前を覚えてもらおうとあきらめずに試行錯誤を繰り返しながら寄り添い続けたその熱い想いがLさんに伝わり、1年間経ったその日ついに「Pちゃーん」と呼んでもらえるという、目に見える、そして耳に聞こえる形となって結実したのだと思います。

 厚生労働省によると2012年時点における認知症高齢者は、全高齢者の15パーセントにあたる462万人。そして「軽度認知障害(MCI)」と呼ばれる認知症予備軍は400万人とされ、医療や介護の体制整備が急がれているところです。

 「ノーマライゼーション」という言葉があります。これは、「障害を持つ人が、ほかの人々と同様に生活の糧を得て、住んでいる家庭や地域を動き回り、特別の集団でなく、障害を持つ普通の市民として生活をすること。誰でもが介護を必要となっても長年住み慣れ、親しんだ地域で、皆と一緒に生活したいと望むことは当然である」という考え方です。そして、「社会的な援助を必要とする人たちがいて、それが可能となる社会こそが正常である」というのがノーマライゼーションの思想であり、地域リハビリテーションのゴールです。

 Pさんの心のこもった、そして適切なケアのもとで、Lさんはきっと活き活きとした日々を送っていらっしゃることでしょう。認知症の人が、「認知症を持つ普通の住民」として生活の糧を得ながら充実した生活を続けるために、地域が一体となって支援をすることが重要であり、その中で老健施設が果たすべき役割は大きいと思います。そのことを再認識させいただいたLさんとPさんに感謝するとともに、Pさんを見習って頑張らなくては!と思った次第です。

お疲れ様でした!岩手大会

 1015日から17日にかけての3日間、「第25 全国介護老人保健施設大会 岩手」が盛岡市民文化ホール(マリオス)ほかで開催されました。

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「雨ニモマケズ 風ニモマケズ 震災を乗り越えて めざそう 夢のある老健を」の大会テーマのもと、全国から沢山の参加者が集い、講演や研究発表、そして懇親会などを通じ、忌憚のない意見のやりとりや情報の交換をする中で、明日の老健はどうあるべきか?そしてそのために11人がどう考え、どう行動するべきかを考える上で大変有意義な大会となったのではないでしょうか。大会に参加した当協会関係者が撮影した写真からも、その盛況ぶりがうかがえます。

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 宮崎県からは32人が参加し、8人が演題発表を行ったとのこと。また4名が座長の大役を務められました。

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 さらに懇親会にて51チーム制で実施された「地域別わんこそば大会」ではサンヒルきよたけの介護福祉士黒木浩史さんが九州地区代表として出場し、見事優勝されました。

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それぞれに収穫の多い、実利ある大会であり、それぞれの職場に戻られてからの伝達講習や、実際のケアへの導入などに大いに期待が持たれます。皆様本当にお疲れ様でした。

 なお来年(平成27年)92日から4日にかけては、「第26回全国介護老人保健施設大会 神奈川 in 横浜」が「高齢者が輝く未来へ  お洒落に!スマートな連携!」の大会テーマで開催が予定されています。日々の業務の中で感じる疑問や問題点には、研究発表の題材がたくさんありますし、それらを研究する中で、疑問が解決し、問題が解消されることは即ちケアの質の向上そのものであることはもちろん、より良い研究発表にもつながります。是非来年は横浜でお目にかかるべく、今からさっそく取りかかろうではありませんかヽ(゚∀゚)(゚∀゚)

介護保険改定対応セミナー開きます(事務長会・在宅支援部会)

 (公社)宮崎県老人保健施設協会事務長会および在宅支援研究部会は1115日(土)14時から宮崎市のシーガイアコンベンションセンター4階「蘭玉」で、「介護保険改定への対応セミナー」を開催します(16時まで)。

 講師に社会福祉法人登別千寿会理事で、特別養護老人ホーム緑風園(http://www.ryokufuu.com/)の菊地雅洋総合施設長をお招きし、「介護保険改正にどう対応する? 老健は? 特養は? グループホームは? 居宅支援事業所は?」と題し、講演をしていただきます。

 受講料として老健関係者は1500円が必要ですが、それ以外の方は無料で受講できます。詳しくはこちらをご覧の上、「参加申込書」により介護老人保健施設サンヒルきよたけ(FAX:0985-84-0700、担当:濱砂)まで、1025日(土)までにお申し込み下さい。

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