神武さま

 1027日と28日、宮崎神宮大祭(宮崎神宮御神幸祭)、いわゆる「神武さま」がありました。明治9年に始められた宮崎を代表する祭りです。パンフレットには「神武さまを自分のお宮として信仰してきた町民が、お宮までの道のりが遠く、親しくお参りすることが出来ないため、『せめて一年に一度神幸を願って一家をあげて心ゆくまで拝ませて下さい』という嘆願書を提出したのが始まりです。明治42年頃から今のような形式になったと言われています」と書いてありました。

 28日の日曜日は好天に恵まれ、多くの見物客で賑わいました。古事記編さん1300年にあたる今年は、神武天皇ゆかりの神々11神も、「神々のパレード」として参加し、お祭りを盛り上げました。

 「神武さま」をはじめ、私たちの宮崎県には各地に様々なお祭り、伝統芸能、文化がたくさんあります。それらの多くは、老健施設を利用されている私たちの人生の大先輩方が、そのまた先輩達から代々受け継ぎ、そして私たちに受け渡してきたもの。私たちはまたそれを次の世代に伝えていかなければなりませんし、これから先もずっとずっと続いていって欲しいと思います。

gohouren.JPG 【御鳳輦(ごほうれん):神武天皇の分身が乗られています。おごそか】

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 【稚児行列(ちごぎょうれつ)かわいく、神妙に、頑張りました】

 yabusame.JPG  【流鏑馬(やぶさめ):鎌倉時代の装束です】

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【奉納品行列。これは平安時代の衣装だそうです】

 

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 【新たに加わったアマテラス。その大きさに圧倒されました】

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 【ニニギノミコト。”日向三代”の初代】

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 【ホオリノミコト。いわゆる山幸。”日向三代”の二代目です】

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 【ウガヤフキアエズノミコト。”日向三代”の三代目で、神武天皇のお父様です】

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 【神武天皇が東征時に乗ったと言われる船「おきよ丸」】

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 【悠久の昔を彷彿させる雅楽の調べ】

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 【こちらは賑やかマーチングバンド】

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 【勇ましい和太鼓集団】

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 【軽快に舞うフラッグ】

 hata.JPG   【こちらの旗はすっごく重そうでした】

 sunshine.JPG  【宮崎サンシャインレディー。気分は「ハイカラさんが通る」!?】

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 【行列の最後を飾ったのはミスシャンシャン馬。鵜戸神宮まで行っちゃいそう】

栄養教室開きました(その3)

 各グループとも調理が終わり、いよいよ試食です。「百聞は一見にしかず」ならぬ、「百聞は一食にしかず」とばかり、受講者は出来上がったソフト食4品を一口一口、興味津々に口に運んでいました。

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 あちこちで聞こえる「美味しい!」の声。しかし受講者は日頃から高齢者の食事に携わるプロ。味覚を楽しむだけでなく、見た目の形や色使い、香り、箸でつかんだ時の取りやすさ、口に入れた時の感触や噛みごたえ、食塊の作りやすさや喉への運び込みやすさ、そして喉ごしなどを一つ一つ確かめながら、ソフト食の特徴を確認していました。また、運営スタッフである老健の栄養士や納富さん達も交え、意見や感想を出し合い、美味しく楽しいながらも、真剣で内容の充実した試食会となりました。

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 「ソフト食はすごく自然で、高齢者にも喜んで食べてもらえると思う」、「巻き寿司の具がとてもやわらかく、高齢者も食べやすい」、「食べる前の見た感じが普通食のように良かった」・・・など、ソフト食を高く評価する声が聞かれました。

 また、「本で見るより自分の目で見て作ることができて勉強になった」、「他のヘルパーの方にも参加してもらえるよう、頻繁に教室があるといい」、「自宅周辺にもソフト食に興味を持っている人が多く、もっと声掛けを大にして開いてもらえるといい」など、この高齢者栄養教室の、より充実・拡大した継続開催を望む声も寄せられ、後味の良い教室となりました。

(終わり)

栄養教室開きました(その2)

 講話に続き、受講者はいよいよ調理実習に取りかかりました。この日のメニューは巻き寿司、鶏の唐揚げ、なすのずんだ和え、そしてあおさのみそ汁の4品。6つのグループに分かれた受講者は、講師の納富さんと、県西地区老健の栄養士達の指導のもと、役割を分担して調理に当たりました。

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 日頃から高齢者の食事作りに携わっている受講者も、いつもとは違う調理法に初めは戸惑い気味。しかし、レシピを見たり、説明に耳を傾けたりしながら徐々に要領を得て、着実にそれぞれのソフト食を作り上げていきました。

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 また、実際に自分の手でソフト食を作ることで、その特徴や、他の食形態との違いなどについて理解を深める良い機会となりました。

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(↑巻きずし)

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(↑鶏の唐揚げ)

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(↑なすのずんだ和え)

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(↑あおさのみそ汁)

(続く)

栄養教室開きました(その1)

 (社)宮崎県老人保健施設協会栄養・給食研究部会は1027日、都城市コミュニティーセンター調理室で高齢者栄養教室を開きました。講話や調理実習、試食などを通じて、食事に関する高齢者の特徴や、これに伴うリスク、そして高齢者もおいしく楽しく食事ができる高齢者ソフト食について学びました。

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(会場となった都城市コミュニティセンター)

 県内各地区の持ち回りで開催しているこの高齢者教室、今回は県西地区が担当。老健やグループホーム、訪問介護など、日頃高齢者の食事に携わる26人が受講しました。当日は同地区の会員施設の栄養士12人が朝早くから準備に当たりました。

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(朝早くから準備にかかるスタッフの皆さん)

 はじめに、「高齢者ソフト食について」と題し、潤和会記念病院の管理栄養士、納富祥子さんの講話がありました。「加齢に伴い、味覚や噛む力が衰え、喉の渇に鈍くなったり唾液の分泌量が減って、飲み込む力が弱くなる」と切り出した納富さん。「それにより摂食・嚥下障害が起こると、低栄養や脱水、誤嚥、窒息などを引き起こし、食事も楽しくなくなる」と指摘しました。

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(資料を用いてわかりやすく話す納富さん)

 これに対し、高齢者ソフト食は(1)しっかりとした形があり、(2)口に取り込みやすく(適正なサイズ)、(3)咀嚼しやすく(適正な固さ)、(4)まとまりやすく(食塊形成のしやすさ)、(5)移送しやすく(適正なすべりをもつ食塊)、(6)飲み込みやすい(適正な嚥下スピード)・・・などの特徴があり、それらの問題を解決できると説明。受講者は身を乗り出して聞き入っていました。

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(安全で美味しく楽しい食事を提供しようと真剣に聞き入っていました)

(続く)

「全国大会石川」パンフ届きました

 24回全国介護老人保健施設大会石川in金沢の事務局より大会パンフレットが届きましたので、 PDFファイルにてアップします。閲覧、ダウンロードは こちらからどうぞ。

 24回全国介護老人保健施設大会石川in金沢は、平成25724日(水)から26日(金)の3日間にわたり、石川県立音楽堂、ホテル日空金沢、ANAクラウンプラザホテル金沢ほかを会場に開催されます。大会ホームペーも既に立ち上がっていますので、併せてご案内申し上げます。

見逃さないで!障害者の不利益

 「世の中に出るのは、つまり自分の思うようにならないということを経験するためである」・・・これは阪急の創始者、小林一三氏の言葉です(『生きるヒントになる名語録728』、三笠書房)。その昔、親元を離れ、都会で一人暮らしを始めたとき、はたまた就職して仕事を始めたときなどはもちろんのこと、日頃社会生活を送る中での様々な場面で、この言葉が身に染みてわかります。もちろん多くの人にとって、世の中は自分の思うようにはならないことばかり。ため息が出ることもあります。しかし、そんな世の中だからこそ、自分らしさを見失わず、「負けるもんか!」などと奮起して頑張ってみたりもするわけなのですが・・・。

 さて、これとは話が違うのですが、1023日の朝日新聞に「障害者の不利益 見逃さない ?差別禁止法案が目指す社会?」という見出しがありました。この法律は、来年国会で議論される予定の「障害者差別禁止法」に関する記事。「障害がある人が、障害のない人と同じ行動がとれるようにする『合理的配慮』が求められる」というこの法律は、国連「障害者権利条約」批准に向けた国内法整備の一環として検討が進められるのだそうです。

 例えば、体に障害があるという理由だけで入店を拒否されたり、車椅子で店に入るためのスロープがないと「差別」と見なされるかどうか、そういった考え方が法案のポイントになりそうだと書いてありました。内閣府の作業部会がまとめた意見書では、「障害のない人と同じ行動をしたり、サービスを受けたりするための合理的配慮をしないことは差別にあたる」と定義したそうです。

 これに対して企業は「不均等待遇」や、「合理的配慮」をしてはならず、「過度な負担」がかからない範囲で対策を講じなければならない、というのが「障害者差別禁止法」になるのではないか、と思うのですが、この「過期な負担」がどの程度になるのか、「線引きは難しい」と記事にはありました。したがって、この法律が具体化していくのはまだまだこれからということになるようです。

 先述の格言と意は異なりますが、障害のある人が、その障害のために、「世の中に出て、自分の思うようにならないということを経験する」ことが無いような、そんな「障害者差別禁止法」になって欲しいと思います。今後の議論の行方が気になります。

研修会開きました(在宅支援部会:その4)

【地域包括ケアの具体像】

(5)提供者

○医療・福祉専門職業務のスライド:地域包括ケアにおけるサービス提供の移行に合わせて政府が提起。

・医師・療法士から→看護師へ(日常生活機能訓練、急変時対応、看取り等々)

・看護師から→介護職へ(服薬管理、経管栄養、機能訓練や認知症ケアのスーパーバイズ等々)

・介護職から→保険外の主体へ(生活援助・・・生活支援等とセットで)

○「改正社会福祉士及び介護福祉士法」によって介護職によるたんの吸引や経管栄養といった医療行為が初めて公式に業務化。今後は法改正なしの省令によって対象行為が拡大していく可能性もある→介護事故の発生や離職率増加などが現場から懸念されている。

○医師や看護師の増員を図る政策でなく、地域包括ケア自身に必然性があるわけではない業務スライドには財政的視点に規定された「効率的なサービス提供体制の構築」という思惑が背景にある。

※なしくずしに業務スライドを進めるのではなく、現段階で医師・看護師の増員、介護食の労働条件・環境整備、それを可能にする報酬引き上げを行った上で、改めて医業と介護業の役割と連携体制、医療行為の危険・侵襲性を踏まえた専門教育・研修のあり方などについて議論する必要がある。

 

【地域包括ケアと「成長戦略」】

○社会保障改革において、「新成長戦略」に基づいて、新たな産業として医療や介護分野を位置づける動きが強まっている。

○地域包括ケアは、医療・介護費の抑制で生み出された保険外のサービスを産業として位置づける視点がある

・厚生年金受給者対象のサービス付き高齢者住宅:新しいマーケット創出の要。

・生活援助の保険外しも、新たな産業を育成する「成長戦略」の一環。

・業務のスライド:「健康関連サービス産業の成長促進と雇用の創出」に資するもの。

 

【終わりに:今後の課題】

※地域包括ケアを真に実現することが求められる。

○そのためには、各項であげたような提供制度改革が必要。

○財源は応能負担を原則に置きながら、利用者負担や保険料、公費負担の在り方を見直し、介護報酬の引き上げを図ることで真の地域包括ケアを保障する改革が求められる。

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(終わり)

研修会開きました(在宅支援部会:その3)

【地域包括ケアの具体像】

(3)居宅:24時間サービス(定期巡回・随時対応型訪問介護看護)

○施設と同等のサービスを提供する「切り札」として制度化。

※出来高払いである他の居宅サービスの利用と比較して、介護費を抑制するねらいがある包括払い方式の下で、施設並みのサービスが提供され、利用者の介護ニーズを十分満足できるとは考えにくい。

○重度者の食事介助、中度者の突発的排泄ニーズ、周辺症状が強い認知症の場合などは対応困難。

○時間的問題から生活援助の提供が困難になる恐れもある。

24時間サービスは、保険外で身体介護、生活援助、見守り・配食などの生活支援を確保しなければ成り立たず、地域包括ケアにおいて居宅生活が可能なのは、その負担ができる者に限られる。

※〔望ましい改革の方向性〕・・・自己負担率や支給限度を見直した上で、24時間サービスについて、出来高払い方式への転換、他居宅サービスとの併用を可能にすることなどが求められる。その上で既存の訪問介護、夜間対応型訪問介護等の報酬を引き上げ、サービスを充実させる必要あり。報酬引き上げを通じ、生活援助を介護保険制度の中に積極的に位置づけることも不可欠。

 

(4)予防サービス・・・「介護予防・日常生活支援総合事業(以下、総合事業)」

※地域包括ケアの目的が、介護保険給付の「効率化」にあることを端的に表すのがこの総合事業。軽度者に不十分な在宅生活を余儀なくするものと言わざるを得ない。

○要支援者の予防給付を保険給付から、NPOや自治会など地域による保険給付外の地域支援事業に移すというが、高齢者の社会的孤立が進行している現状で受け皿になるとは想像がつかない。

○「本人の意向を最大限尊重」というが、判断は市町村、実施主体は地域包括支援センター。契約に基づいてサービスを選択・利用するという介護保険の「約束事」を反故にしかねない。ケアプラン作成が十分行われる保証もない。

※各保険者が総合事業の実施を再考するとともに、予防給付の充実、地域包括支援センターにおける公的責任の強化や、地域支援事業・高齢者施策の公費負担による整備などが求められる。

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【参加者は熱心に耳を傾けていました】

(続く)

研修会開きました(在宅支援部会:その2)

【地域包括ケアの具体像】

(1)施設・住まいについて

※地域包括ケアは、既存の病院や特養などの介護保険施設を抑制した上で、サービス付き高齢者住宅を整備し、高齢者が居宅において外付きの訪問介護・看護で生活することを目指している。

○入院は抑制:介護療養病床は新規開設が否定され、報酬改定でも単価引き下げ。

○介護保険施設:整備進まずホテルコスト等の徴集を通じて利用者負担引き上げ→必要なサービス利用できない恐れ。

○一方、「サービス付き高齢者住宅」の積極的整備進められようとしている→厚生年金受給者がターゲット。低所得単身者を中心に「介護難民」化が進む恐れ。

※療養病床削減撤回、特養増設、補足給付の充実などによって、在宅のバックアップとして既存の病床・施設を拡充すべき。その上で居宅介護を充実図るとすれば、公的な高齢者住宅の整備等の推進を基本としつつ、施設と同等の質・量を提供できる居宅サービス体系を構築する必要がある。

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【資料を使ってわかりやすく話される鶴田禎人先生】

(2)地域包括ケアと老健

※「”第二特養化”しているような老健施設が非常に多い。まず老健施設というのは基本的にリハビリを一生懸命にやり、残存機能を高めるなりして、在宅で生活ができるようにして帰す。それをもっと徹底的に行っていただきたい」(厚生労働省幹部の指摘、『老健』20119月より)。

○今次の介護報酬改定で、基本報酬引き下げ&「ベッド回転率」、「在宅復帰率」の指標の導入と、条件を満たした施設を「在宅復帰強化型老健」として報酬増額。

○入所前後訪問指導加算も新設するなど、全体として早期退所を促す改定となった。

○今後:在宅復帰を第一義に掲げる施設と、そうでない施設にこれまで以上に分化されると考えられる。

※しかし、現状は在宅における受け皿不足→入所期間の短縮が拙速に起きてしまうことが懸念される。老健・入所者双方に負担をかける改定と言わざるを得ない。

※政府:老健など介護保険施設に対する明確なイメージを持っているとは言えない。施設側から地域包括ケア時代における自らのあるべき姿を積極的にアピールすべき!

※老健:地域の入所施設として高齢者・家族を支えている現状、医療、看護、リハビリ、認知症ケア、ターミナルなどに関する多様な地域支援機能を発揮できるという特徴・強みを活かせる制度設計・報酬改定を後押しする必要がある。(続く)

研修会開きました(在宅支援部会:その1)

 (社)宮崎県老人保健施設協会在宅支援研究部会は1020日(土)、宮崎市中央公民館中研修室で研修会を開きました。会員施設等から40人が参加し、地域包括ケアについて学びました。

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 今回の研修会は、講師に宮崎大学教育文化学部講師で経済学博士の鶴田禎人先生を招き、「地域包括ケアと介護のゆくえ:老人保健施設を中心として」と題し講演をしていただきました。「長寿化や少子高齢化が急速に進む中、単身や夫婦だけで暮らす高齢者世帯が増加している。そのような高齢者の生活を支える新たなしくみとして『地域包括ケア』が提起されています。その定義やねらいについて考え、政府の考え地域包括ケアの提供体制や、現在の具体化の進行状況、そして今後発生が危惧される問題などについて説明していきます」と切り出した鶴田先生。そのあらましについて連載していきます。

 

【地域包括ケアの定義とねらい】

〇在宅生活が困難な要介護高齢者に対し、「ニーズに応じた住宅が提供されることを基本とした上で、生活上の安全・安心・健康を確保するために、医療や介護のみならず、福祉サービスを含めた様々な生活支援サービスが日常生活の場(日常生活圏域)で適切に提供できるような地域での体制」が地域包括ケア。

〇つまり医療、居宅介護、住まい、予防、生活支援といった諸領域が連動しながら、住み慣れた地域にある居宅で、高齢者が最期まで生活できる体制づくりを目指すのが地域包括ケア。

〇しかし、伸び続ける高齢者医療・介護給付費の抑制を「医療から介護へ」、「病院・施設から在宅へ」の掛け声の下で行うのが政府のねらい。つまり地域包括ケアは財政の視点。

※高齢者の在宅生活の安心を保障するという国民の希望に押されながらも、それを利用し、医療・介護費の抑制を可能にする提供システムを作り上げようというのが地域包括ケア。(続く)

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