協会活動報告

転倒予防学びました(リハ部会:その1)

718日(土)に宮崎リハビリテーション学院にて、リハビリテーション研究部会研修会が開催され55名の参加者がありました。

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(↑開会にあたり挨拶に立った同部会の中村豪志委員長)

今回のプログラムとして、講演1「施設での転倒原因と対策について」、鶴田病院の理学療法士、濱砂好治さんと、講演2「転倒・骨折に関して」、はまゆうの理学療法士、迫田勇一郎さんの講演がありました。その講演の概要を連載していきます。

 

【講演1.「施設での転倒原因と対策について」:鶴田病院理学療法士、濱砂好治さん】

まず転倒のリスク要因として、内的因子・外的因子・その他の因子の3つが挙げられます。内的因子については、加齢や使わないことによる移動能力とバランス能力の低下、特定の病気(脳卒中後遺症、パーキンソン病、認知症、視力障害など)、薬剤による薬理作用(睡眠薬、抗不安薬、多剤の服用など)らが考えられ、本人の身体の状況に合わせての因子。

外的因子は、段差、滑りやすい床、履物、つまずきやすい敷物、電気器具のコード類、照明(の不良)など、の因子。

今回は、その他の因子について講話をいただきました。

 

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その他の因子として・・・・・・(1)習慣が生み出す転倒リスクとは?事例(1)として、「日常生活の中で利用者様がブレーキやフットサポートの上げ下ろしを以前は自分で実施していました。」しかし、それが、「日常業務の中で時間がないためブレーキやフットサポートの上げ下ろしを介護職員が実施するようになりました。」

そういう状況の中で、ある日利用者は職員がいない状況で移乗しようとします・・・

さて、どうなるでしょうか?当然事故のリスクが高まり事故が起こりました。

事故報告書での事故内容をみると、ブレーキを本人が忘れていました。とか、フットサポートを本人が忘れていましたなど、事故報告書が書かれています。なぜ忘れていたのかでしょうか?というのが事故理由であり、そこを考える必要性があります。

 

では、なぜ忘れていたのでしょうか?

事故理由として考えてしまうと、うっかり忘れていたからとか、高齢であったから、認知症であったからなど、そういう理由があるのかもしれませんが、もっと深く掘り下げてみると、本人様自身のみの原因だけでしょうか?という事が考えられると思います。

 

つまり、日常習慣の中で利用者様がブレーキやフットサポートの上げ下ろしを以前は自分で行っていました。しかし、日常業務の中で時間がないためブレーキやフットサポートの上げ下ろしを介護職員自身が行うようになりました。 こうなると利用者様はどうなるか?というと利用者様は自分でしない習慣が徐々に身についてくるのではないか?身についていない状況で動作をするとどうなるか?ということになります。

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(つづく)

長寿の里を取材しました

 (公社)宮崎県老人保健施設協会広報部会は710日、串間市にある医療法人秀英会介護老人保健施設長寿の里を訪問しました。

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 これは当協会が年2回発行している広報誌「老健みやざき」の企画記事”老健ルポルター寿(じゅ)”の取材活動として、宮崎県最南端の串間市唯一の老健である長寿の里を訪ねたもの。モットーである「ふれあい」「やさしさ」「おもいやり」が施設中にあふれる中、役職員が明るく元気に働く様子や、笑顔いっぱいで生き生きと過ごされる利用者の様子を取材しました。役職員や利用者の皆様には多大なる取材協力をいただき、誠に有り難うございました。

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006DSC00769.JPG007DSC00681.JPG008DSC00755.JPG 「老健みやざき 32号」は今秋発行し、”老健ルポルター寿 in 長寿の里”はその巻頭を飾る予定です。お楽しみに。

総務委員会開きました

 当協会の今年度第2回の総務委員会が710日、宮崎市でありました。13人が出席し、各研究部会の活動状況や第12回研究大会などについて話し合いました。

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この中で事務局からの報告として、618日に開催した総会を経て協会の前会長、大野和男氏が名誉会長に、前副会長の櫛橋弘喜氏が会長に、そして前理事の野崎藤子氏が副会長に就任し、法務局登記が完了したことなどが報告されました。

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また117日(土)に宮崎観光ホテルで開催予定の「第12回公社)宮崎県老人保健施設協会研究大会」について、今月下旬に受付を開始し、9月頃演題採択決定、さらに大会テーマおよびサブテーマを公募することなど、今後の方針を確認し、委員が中心となって準備にあたっていくこととなりました。

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なお、同研究大会に関しては、今後文書や協会ホームページ、フェイスブック等でお知らせしていく予定ですので申し添えます。

研修会開きました(ケアプラン部会:その8)

 各グループとも参加者が真剣に意見を出し合い、サービス計画書が出来上がりました。研修会の最後にその発表会がありました。どの計画書も各グループのメンバーの利用者や家族の思いをくんだポジティブプランで、発表が終わると他のグループからは温かい拍手が贈られていました。

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 長丁場の研修会でしたが、包括的自立支援プログラムの仕組みやケアプラン策定のポイント、さらに実践的な知識や技術が学べただけでなく、受講者同士が交流も深まり、充実した一日となりました。

(終わり)

研修会開きました(ケアプラン部会:その5)

【グループワーク:スナップ(1)

 午前中の講義内容に従って、実際にケアプランの作成に取り組んだグループワーク。9つに分かれたグループワークではそれぞれに違う施設、職種の参加者が意見を出し合い、利用者や家族の意向を踏まえた”ポジティブプラン”を作り上げていきました。

 そのグループワークの様子(スナップ)を3回にわたってアップします。なお取材・撮影に当たっては、参加者の了解を得ておりますので申し添えます。

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(つづく)

研修会開きました(ケアプラン部会:その4)

 74日、JA・アズム別館で行われた包括的自立支援プログラム策定研修会。午後からはグループワークがありました。50人の受講者は9つのグループに分かれ、「脳梗塞で左片麻痺を呈し、入院中の転倒により第1腰椎を圧迫骨折して歩行困難になった入所利用者の男性」という事例に基づき実際にケアプランの策定を行いました。

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 それぞれのグループには研修会を主催し、企画・運営の全てに当たった(公社)宮崎県老人保健施設協会高齢者ケアプラン研究部会の原貴子副委員長と、同部会委員4名がファシリテーターとしてつき、必要に応じて助言を行いました(カッコ内は所属施設名)。

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〔↑原 貴子 副委員長(相愛苑:右から2番目)〕

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〔↑小野 美穂子 委員(菜花園)〕

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〔↑宮田 委員(並木の里)〕

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〔↑竹内詠規委員(しあわせの里)〕

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〔↑郡 裕子 委員(ひむか苑)〕 

(つづく)

研修会開きました(ケアプラン部会:その3)

 このように作られたケアプランがその通りに実施されているかどうかを定期的に確かめ、必要に応じてその内容を見直していくために行うモニタリング。原貴子副委員長はその必要な要素として次の6点を列挙しました。

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(1)生活課題の充足度

(2)目標の達成度

(3)サービスの適切性(生活課題に対応したケアが提供できているか)

(4)利用者および家族の満足度

(5)ケアマネージャーやサービス担当者会議の活動評価

(6)新たな生活課題が生じていないかのアセスメント

 

 そしてモニタリングがやりやすくなるとともに、より実効的なケアプランとするためにも、「『安心して歩行できる』というような”漠然とした状態像”や、”《安心・安全・維持向上》という表現の目標設定ではなく、『施設から、杖を使って〇〇メートル離れたたばこ屋へ一人で行くことができる』というように、”具体的な状態像”や、”《距離・時間・回数・場所》など数値化した目標設定をしてください」と強調。参加者に各施設におけるケアプランの確認と見直しを呼びかけました。

 講義の終わりに、指定様式である「第1表:施設サービス計画書(1)」、「第2表:施設サービス計画書(2)」、「第3表:週間サービス計画書」、「第4表:日課計画書」、「第5表:サービス担当者会議の要点」、「第6表:サービス担当者会議に対する照会(依頼)内容」、「第7表:施設介護支援経過」について、これらの全てが揃っていなければなないこと、そしてどれか一つが欠けても実地指導で確実に指導を受ける重要なものであることを確認。そしていよいよグループによるケアプランの策定作業に移りました。

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(つづく)

研修会開きました(ケアプラン部会:その2)

 「食事・水分摂取」、「排泄」、「入浴・清拭」など7分野にわたる「ケアチェック表」について、ケア内容現状ケア提供場所/使用用具等要介護者の健康上や生活上の問題点及び解決すべき課題等・・・などの項目の記入の仕方を説明した原貴子副委員長。7分野全ての記述をした後、立案する項目を検討、チェックし、解決すべき課題を順位付けする上での際のポイントとして、(1)まずは緊急度(生命に関わること、痛み、身体的苦痛)、(2)次に必要度(本人および家族希望、介護量の軽減、ADL維持)、(3)そして実現可能性(在宅生活継続、将来的に解決すべき課題、QOLの向上)を示しました。

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 帳票類の説明に続き、施設サービス計画書{(1)(2)}の記入方法の説明に移りました。「『ケアチェック表』を煮詰めていくことで施設サービス計画書が出来上がる」という包括的自立支援プログラムの特徴を踏まえ、「『施設サービス計画書(1)』は利用者および家族が、施設の中でどのような生活をしたいと考えているかについて、アセスメント(課題分析)の結果を記載する」、「『施設サービス計画書(2)』における『生活全般の解決すべき課題(ニーズ)は”〇〇したい”、”〇〇できるようになりたい”などと表記することで、『ご用聞きプラン』ではなく『ポジティブプラン』にしていくことができる。また計画書(2)を先に作った上で計画書(1)を作った方が長期目標との整合性がとれ、連動させやすい」など、スライドを用いて説明しました。

 さらに、「長期目標」と「短期目標」を設定する際のポイントとして、次の7項目を挙げました。

(1)利用者および家族と共に目標を考える

(2)課題(ニーズ)に対するサービスを提供した場合、〇ヶ月後にはどのような状態となっているかをイメージする

(3)利用者および家族と共に達成できたか、現状はどのような状況かを判断するための具体的な内容とする。できれば数値化が理想である。

(4)課題(ニーズ)に対するサービスを提供し、短期目標を達成し続けた結果、〇ヶ月後にはどのような状態となっているかをイメージする(長期目標)。

 基本的には個々の課題(ニーズ)に対して設定する。また利用者も支援を受けながら達成する到達点とする。

(5)援助目標は、「援助する上での目標」すなわち援助側の目標である。したがって、援助する者として、専門的な判断により設定するものとする。

(6)援助する上での目標は「援助した結果どうなるか」を示すものである。「援助によって利用者が〇〇のような生活を送ることができるようになる」、「○○することができる」というように利用者本人を主語としてとらえる必要がある。

(7)援助目標は、サービスする側の目標であるからといって、「〇〇というケアをする」とならないようにする。「利用者の状態像」を記述するところである。

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(つづく)

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