協会活動報告

感染症対策学びました(看護介護部会:その2)

 研修はまず、最近の院内感染の事例紹介から始まり、結核や感染性胃腸炎、多剤耐性緑膿菌、セラチア、多剤耐性アシネトバクターなど、県内外における患者と職員が集団感染し、死亡者も出た事例などを示した西田先生。その中で療養型病院において患者と職員が集団発生した感染性胃腸炎のスライドを示しながら、「感染性胃腸炎は毎年流行しますので、発生することはあります。発生させない努力も必要ですが、発生してしまった時の対応の方が実は大事です。発生はしても封じ込めができるということがポイントです」、「(療養型病院では)自力で動ける患者は少ないはずです。ということは、職員が媒介ということになります」、「初動が一番大事です。この事例では最初の患者(初発患者)が出て34日後に急に増え、終息までに1か月程度かかりました」と話し出すと、会場には緊張した空気が漂い始めました。

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 医療法施行規則(第1条の11)には(イ)院内感染対策のための指針の策定、(ロ)院内感染対策のための委員会の開催、(ハ)従業者に対する院内感染対策のための研修の実施、(ニ)当該病院等における感染症の発生状況の報告その他の院内感染対策の推進を目的とした改善のための方策の実施・・・などを記した院内感染対策が定められていることを紹介し。その中で院内感染対策研修については、「チームで行うことが大事です。1人のミスがみんなのミスにつながります。研修はいろいろな知識を見直す良いチャンスです。皆さん忙しいでしょうが、定期的に行うことが感染対策への意識を向上する上で大事です。新人が入ってくる4月、そして感染症のシーズンに入る前に行うと理想的ではないでしょうか。そして『どういう研修をやったか』ということをファイリングしておくと、振り返りの資料になります」とその必要性を強調しました。

 また感染症の発生状況報告に関して、「発生自体はどうしても不可抗力というところがあります。発生してしまったとしても、その後の対応が大事です。『報告しておこられる』という問題ではありません。保健所としても重大な事象は報告してもらって、アドバイスができればいいと思います。保健所も一緒に対策を考えていきたいと考えていますので、気軽に相談してください」と呼びかけました。

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(つづく)

感染症対策学びました(看護介護部会:その1)

(公社)宮崎県老人保健施設協会看護介護研究部会は1025日、宮崎市のJAアズムホールで研修会を開き、施設における感染症対策について学びました。

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同部会はでは67日、褥瘡(じょくそう)の予防および治療法に関する研修会を開いており、今回が今年度第2回の研修会となりました。この日は会員施設や特養関係者など96名が参加しました。開会にあたり、同部会の上村久美子委員長は「高齢者の施設で働いていると、特にこれからの時期は感染ということに対して神経質に向き合っていかなくてはなりません。それぞれの施設で感染対策をしているとは思いますが、職員への意識付けを行い、職員が正しい知識を身につけてやっていくことが大事になります。今日はしっかり勉強して、各施設での感染対策に役立てて下さい」とあいさつしました。

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(↑上村委員長)

講師には宮崎県福祉保健部健康増進課兼小林保健所の主査で医師の西田敏秀先生をお招きしました。西田先生は鹿児島県私立ラ・サール学園高等学校から熊本大学医学部に進学。医師免許取得後は同学部付属病院や球磨郡公立多良木病院、公立玉名中央病院、そして宮崎県延岡保健所などで勤務された後、現職でご活躍中です。日本医師会認定産業医の資格を持ち、日本公衆衛生学会および日本結核病学会に所属されている西田先生は、宮崎大学の非常勤講師も務められており、この日はご多忙の中を縫ってお越し下さりました。

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(↑西田敏秀先生)

 「今日は長時間の研修ですが、感染症対策の基本から話していきますので聞いていただきたいと思います。また資料もたくさん用意しています。持ち帰って今日の研修の振り返りに使っていただくとともに、施設で職員の皆さんにフィードバックをしていただいて、それぞれの施設における感染対策がレベルアップすることを望んでいますので、よろしくお願いします」と、西田先生はにこやかに話し始め、研修会が始まりました。

(つづく)

岩手の次は横浜大会!

 1015日から17日にかけての3日間、「第25 全国介護老人保健施設大会 岩手」が盛岡市民文化ホール(マリオス)ほかで盛大に開催されたことは、先日紹介した通りですが、来年、つまり平成2792日から4日にかけては、「第26回全国介護老人保健施設大会 神奈川 in 横浜」が「高齢者が輝く未来へ  お洒落に!スマートな連携!」の大会テーマで開催されます。

 既に現在、大会関係者がその準備に取りかかっており、Future when elderly people shineと銘打った大会ポスターも完成しており、当協会にも送られてきました。こちらからダウンロードしてご活用下さい。

 先日も述べた通り、日々の業務の中で感じる疑問や問題点には、研究発表の題材がたくさんありますし、それらを研究する中で、疑問が解決し、問題が解消されることは即ちケアの質の向上そのものであることはもちろん、より良い研究発表にもつながります。さらに大会テーマにもある通り、「高齢者が輝く未来」に向けて、その扉を開く鍵となるかもしれません。

是非来年はその成果を披露し合いましょう。横浜でお目にかかるその日を心待ちにしています。

感染症予防研修会開きました(看・介部会:速報)

(公社)宮崎県老人保健施設協会看護介護研究部会は1025日(土)、宮崎市のJAアズム別館202研修室で高齢者の感染症予防対策研修会を開きました。講師に宮崎県健康増進課感染対策室の西田敏秀先生をお招きし、感染症に関する現状や具体的な予防法などについて学びました。

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この研修会の詳しい模様は後日連載する予定ですのでお楽しみに。

セミナー申込締め切り25日まで

 (公社)宮崎県老人保健施設協会事務長会および在宅支援研究部会が1115日(土)宮崎市のシーガイアコンベンションセンター4階「蘭玉」開催する、「介護保険改定への対応セミナー」の申込締め切りは1025日(土)までとなっています。

 このセミナーは、講師に社会福祉法人登別千寿会理事で、特別養護老人ホーム緑風園の菊地雅洋総合施設長をお招きし、「介護保険改正にどう対応する? 老健は? 特養は? グループホームは? 居宅支援事業所は?」と題し、講演をしていただくもので、来年の改正に向けて老健のみならず、特養やグループホーム、居宅支援事業所はそれぞれどういう舵を切っていくべきかについて、具体的かつ実践的な話が聞ける大変有意義な内容です。

 受講料として老健関係者は1500円が必要ですが、それ以外の方は無料で受講できます。詳しくはこちらをご覧の上、「参加申込書」により介護老人保健施設サンヒルきよたけ(FAX:0985-84-0700、担当:濱砂)までお申し込み下さい。

お疲れ様でした!岩手大会

 1015日から17日にかけての3日間、「第25 全国介護老人保健施設大会 岩手」が盛岡市民文化ホール(マリオス)ほかで開催されました。

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「雨ニモマケズ 風ニモマケズ 震災を乗り越えて めざそう 夢のある老健を」の大会テーマのもと、全国から沢山の参加者が集い、講演や研究発表、そして懇親会などを通じ、忌憚のない意見のやりとりや情報の交換をする中で、明日の老健はどうあるべきか?そしてそのために11人がどう考え、どう行動するべきかを考える上で大変有意義な大会となったのではないでしょうか。大会に参加した当協会関係者が撮影した写真からも、その盛況ぶりがうかがえます。

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 宮崎県からは32人が参加し、8人が演題発表を行ったとのこと。また4名が座長の大役を務められました。

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 さらに懇親会にて51チーム制で実施された「地域別わんこそば大会」ではサンヒルきよたけの介護福祉士黒木浩史さんが九州地区代表として出場し、見事優勝されました。

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それぞれに収穫の多い、実利ある大会であり、それぞれの職場に戻られてからの伝達講習や、実際のケアへの導入などに大いに期待が持たれます。皆様本当にお疲れ様でした。

 なお来年(平成27年)92日から4日にかけては、「第26回全国介護老人保健施設大会 神奈川 in 横浜」が「高齢者が輝く未来へ  お洒落に!スマートな連携!」の大会テーマで開催が予定されています。日々の業務の中で感じる疑問や問題点には、研究発表の題材がたくさんありますし、それらを研究する中で、疑問が解決し、問題が解消されることは即ちケアの質の向上そのものであることはもちろん、より良い研究発表にもつながります。是非来年は横浜でお目にかかるべく、今からさっそく取りかかろうではありませんかヽ(゚∀゚)(゚∀゚)

介護保険改定対応セミナー開きます(事務長会・在宅支援部会)

 (公社)宮崎県老人保健施設協会事務長会および在宅支援研究部会は1115日(土)14時から宮崎市のシーガイアコンベンションセンター4階「蘭玉」で、「介護保険改定への対応セミナー」を開催します(16時まで)。

 講師に社会福祉法人登別千寿会理事で、特別養護老人ホーム緑風園(http://www.ryokufuu.com/)の菊地雅洋総合施設長をお招きし、「介護保険改正にどう対応する? 老健は? 特養は? グループホームは? 居宅支援事業所は?」と題し、講演をしていただきます。

 受講料として老健関係者は1500円が必要ですが、それ以外の方は無料で受講できます。詳しくはこちらをご覧の上、「参加申込書」により介護老人保健施設サンヒルきよたけ(FAX:0985-84-0700、担当:濱砂)まで、1025日(土)までにお申し込み下さい。

高齢者の心理学びました(支援相談員部会:号外)

【市民向け認知症講演会のご案内】

 

 支援相談員研究部会研修会で「高齢者の心理」と題し、とてもわかりやすく、そしてためになる講演をして下さった潤和リハビリテーション財団介護老人保健施設ひむか苑の勤務医、田代学先生のお話が聞ける講演会のお知らせです。

野崎病院認知症疾患医療センターは118日(土)の1430分から、宮崎市の宮崎市民プラザオルブライトホールで市民向け認知症講演会を開きます(1630分まで)。

 この講演会では宮崎市福祉部長寿支援課介護予防係からの同市における介護予防の取り組みに関する行政報告に続き、「認知症の初期症状と本人の気持ち・家族の気持ち」と題した講演があります。講師の田代
学先生は、認知症ケア上級専門士および認知症サポート医であり、そして日本認知症ケア学会九州沖縄2地域部会長も務められています。

 この講演会はどなたでも無料で受講できます。こちらの市民民向け認知症講演会PDFファイルをご覧の上、「講演会参加申込書」により、一般財団法人弘潤会野崎病院認知症疾患医療センターまでファックス(FAX0985-51-3114)でお申し込み下さい。なお、電話での申し込みも受け付けております(TEL0985-51-3111)。

 申込締め切りは1031日(金)となっております。定員は500名ですので、お早めにお申し込み下さい。

研鑽積んで!全国大会

 1015日から17日にかけての3日間、「第25 全国介護老人保健施設大会 岩手」が盛岡市民文化ホール(マリオス)ほかで開催されます。

 大会テーマは「雨ニモマケズ 風ニモマケズ 震災を乗り越えて めざそう 夢のある老健を」。この岩手大会は当初、2011年に開催する予定で、関係者の皆様が準備を進めていたものですが、同年311日の東日本大震災により見送られていました。

 そして震災から3年余りを経た今、各地からの支援も得ながらついに開催の運びとなりました。「雨ニモマケズ 風ニモマケズ」と岩手県が生んだ詩人、宮沢賢治の作品を大会テーマに用いている通り、大会会長である長澤茂様をはじめ、大会関係者の皆様のご苦労、ご努力は、並々ならぬものがあったものと、敬意の念に堪えません。

 宮崎県からは32名が同大会に参加予定で、8人が演題を発表されることとなっています。老健施設で働く県内外の方々と忌憚のない意見のやりとりを行い、交流を深め、研鑽を積みあって、よりよい老健、よりよいケアの提供の一助としていただきたいと願っています。

 「第25 全国介護老人保健施設大会 岩手」の大会ホームページこちら、それから大会フェイスブックこちらです。大会への参加者・発表者を岩手県に送り出し、その留守を預かるスタッフの皆さんも、業務の合間に大会の模様をチェックされてみてはいかがでしょうか。

 「第25 全国老人保健施設大会 岩手」の開催を、心よりお慶び申し上げますとともに、大会の成功を、宮崎の空の下からお祈り申し上げます。

高齢者の心理学びました(支援相談員部会:その5)

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 最後に高齢者の総合的評価について学びました。「高齢者の総合的機能評価(CGAComprehensive
Geriatric Assessment
)」は、(1)医学的評価、(2)身体的評価、(3)精神・心理的評価、(4)社会的評価・・・の4項目から高齢者の総合的機能評価を行い、それをもとに適正な医療やケア、そして患者と家族のQOL(生活の質)改善をはかろうというもの。

そのスライドを示した上で田代学先生は「加齢に伴う機能の変化や多くの併存病による心身機能の障害、そしてそれらの影響による日常活動の低下に伴う心身機能の障害が健康の状態を規定し、高齢者の医学的・身体的評価は、青壮年のそれとは本質的に異なる問題を含んでいます」と指摘。さらに社会的評価については「その一つの場として生活の場があります」としながら、高齢者の単独世帯や夫婦のみの世帯が増加傾向にあること、「老老介護」が進み、認知症患者の介護をする70歳以上の家族の割合がこの30年で3倍以上に増えている現状などを紹介。「高齢者の総合的機能評価は((1)から(4)の)4つが複雑に連動しており、そのこと自体も心理的影響を与えています」と言い添えながら、「重要なのは”活動と参加”を続けること」と強調しました。そしてその理由を()自分を理解してくれる人が、自分にはいるのだという実感、()自分のあり方や行為が自分一人の中で終わらずに「他者につながっている」という実感、()自分が成長している実感・・・を本人が持ち、また周りからももたれるような環境づくりをすることで「幸福感、すなわち良い心理が生まれる」と説明しました。

 また、精神医学上や心理社会的、身体的、そして社会的に高齢者が個人レベルで補償や適応することができない諸問題があることに触れ、「医療や福祉、行政関係者などの介入が必要」と受講者に呼びかけました。

 そしてサクセスフル・エイジング(成功加齢)とは、「良好な機能的能力と社会的関わりによって評価される高齢者像であり、その心理です。そのためには高い自己効力や社会参加、身体活動の継続、そして生産的活動の継続が重要です」と帰結しました。

 2時間が短く感じられるほど内容の詰まった研修会も終わりを迎え、「加齢現象とは単なる衰えではなく、それを補償する方向性も内在していることや、高齢者の心理的過程を悲観的にではなく、死の間際まで心理的成熟や社会との交流の可能性があるものとして捉えていくべきです。そして自らもそうあることを今から準備するべきです」と講演を締めくくると、会場からは感謝の拍手が鳴り響きました。

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 老健施設のみならず、特養やグループホーム関係者など、高齢者に日々接し、寄り添うことを仕事としている受講者にとって、高齢者の心理を様々な角度から考えることのできた、大変有意義な研修会となりました。田代先生、本当にありがとうございました。

(終わり)

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