協会活動報告

栄養教室開きました(その1)

 (社)宮崎県老人保健施設協会栄養・給食研究部会は1027日、都城市コミュニティーセンター調理室で高齢者栄養教室を開きました。講話や調理実習、試食などを通じて、食事に関する高齢者の特徴や、これに伴うリスク、そして高齢者もおいしく楽しく食事ができる高齢者ソフト食について学びました。

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(会場となった都城市コミュニティセンター)

 県内各地区の持ち回りで開催しているこの高齢者教室、今回は県西地区が担当。老健やグループホーム、訪問介護など、日頃高齢者の食事に携わる26人が受講しました。当日は同地区の会員施設の栄養士12人が朝早くから準備に当たりました。

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(朝早くから準備にかかるスタッフの皆さん)

 はじめに、「高齢者ソフト食について」と題し、潤和会記念病院の管理栄養士、納富祥子さんの講話がありました。「加齢に伴い、味覚や噛む力が衰え、喉の渇に鈍くなったり唾液の分泌量が減って、飲み込む力が弱くなる」と切り出した納富さん。「それにより摂食・嚥下障害が起こると、低栄養や脱水、誤嚥、窒息などを引き起こし、食事も楽しくなくなる」と指摘しました。

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(資料を用いてわかりやすく話す納富さん)

 これに対し、高齢者ソフト食は(1)しっかりとした形があり、(2)口に取り込みやすく(適正なサイズ)、(3)咀嚼しやすく(適正な固さ)、(4)まとまりやすく(食塊形成のしやすさ)、(5)移送しやすく(適正なすべりをもつ食塊)、(6)飲み込みやすい(適正な嚥下スピード)・・・などの特徴があり、それらの問題を解決できると説明。受講者は身を乗り出して聞き入っていました。

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(安全で美味しく楽しい食事を提供しようと真剣に聞き入っていました)

(続く)

「全国大会石川」パンフ届きました

 24回全国介護老人保健施設大会石川in金沢の事務局より大会パンフレットが届きましたので、 PDFファイルにてアップします。閲覧、ダウンロードは こちらからどうぞ。

 24回全国介護老人保健施設大会石川in金沢は、平成25724日(水)から26日(金)の3日間にわたり、石川県立音楽堂、ホテル日空金沢、ANAクラウンプラザホテル金沢ほかを会場に開催されます。大会ホームペーも既に立ち上がっていますので、併せてご案内申し上げます。

研修会開きました(在宅支援部会:その4)

【地域包括ケアの具体像】

(5)提供者

○医療・福祉専門職業務のスライド:地域包括ケアにおけるサービス提供の移行に合わせて政府が提起。

・医師・療法士から→看護師へ(日常生活機能訓練、急変時対応、看取り等々)

・看護師から→介護職へ(服薬管理、経管栄養、機能訓練や認知症ケアのスーパーバイズ等々)

・介護職から→保険外の主体へ(生活援助・・・生活支援等とセットで)

○「改正社会福祉士及び介護福祉士法」によって介護職によるたんの吸引や経管栄養といった医療行為が初めて公式に業務化。今後は法改正なしの省令によって対象行為が拡大していく可能性もある→介護事故の発生や離職率増加などが現場から懸念されている。

○医師や看護師の増員を図る政策でなく、地域包括ケア自身に必然性があるわけではない業務スライドには財政的視点に規定された「効率的なサービス提供体制の構築」という思惑が背景にある。

※なしくずしに業務スライドを進めるのではなく、現段階で医師・看護師の増員、介護食の労働条件・環境整備、それを可能にする報酬引き上げを行った上で、改めて医業と介護業の役割と連携体制、医療行為の危険・侵襲性を踏まえた専門教育・研修のあり方などについて議論する必要がある。

 

【地域包括ケアと「成長戦略」】

○社会保障改革において、「新成長戦略」に基づいて、新たな産業として医療や介護分野を位置づける動きが強まっている。

○地域包括ケアは、医療・介護費の抑制で生み出された保険外のサービスを産業として位置づける視点がある

・厚生年金受給者対象のサービス付き高齢者住宅:新しいマーケット創出の要。

・生活援助の保険外しも、新たな産業を育成する「成長戦略」の一環。

・業務のスライド:「健康関連サービス産業の成長促進と雇用の創出」に資するもの。

 

【終わりに:今後の課題】

※地域包括ケアを真に実現することが求められる。

○そのためには、各項であげたような提供制度改革が必要。

○財源は応能負担を原則に置きながら、利用者負担や保険料、公費負担の在り方を見直し、介護報酬の引き上げを図ることで真の地域包括ケアを保障する改革が求められる。

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(終わり)

研修会開きました(在宅支援部会:その3)

【地域包括ケアの具体像】

(3)居宅:24時間サービス(定期巡回・随時対応型訪問介護看護)

○施設と同等のサービスを提供する「切り札」として制度化。

※出来高払いである他の居宅サービスの利用と比較して、介護費を抑制するねらいがある包括払い方式の下で、施設並みのサービスが提供され、利用者の介護ニーズを十分満足できるとは考えにくい。

○重度者の食事介助、中度者の突発的排泄ニーズ、周辺症状が強い認知症の場合などは対応困難。

○時間的問題から生活援助の提供が困難になる恐れもある。

24時間サービスは、保険外で身体介護、生活援助、見守り・配食などの生活支援を確保しなければ成り立たず、地域包括ケアにおいて居宅生活が可能なのは、その負担ができる者に限られる。

※〔望ましい改革の方向性〕・・・自己負担率や支給限度を見直した上で、24時間サービスについて、出来高払い方式への転換、他居宅サービスとの併用を可能にすることなどが求められる。その上で既存の訪問介護、夜間対応型訪問介護等の報酬を引き上げ、サービスを充実させる必要あり。報酬引き上げを通じ、生活援助を介護保険制度の中に積極的に位置づけることも不可欠。

 

(4)予防サービス・・・「介護予防・日常生活支援総合事業(以下、総合事業)」

※地域包括ケアの目的が、介護保険給付の「効率化」にあることを端的に表すのがこの総合事業。軽度者に不十分な在宅生活を余儀なくするものと言わざるを得ない。

○要支援者の予防給付を保険給付から、NPOや自治会など地域による保険給付外の地域支援事業に移すというが、高齢者の社会的孤立が進行している現状で受け皿になるとは想像がつかない。

○「本人の意向を最大限尊重」というが、判断は市町村、実施主体は地域包括支援センター。契約に基づいてサービスを選択・利用するという介護保険の「約束事」を反故にしかねない。ケアプラン作成が十分行われる保証もない。

※各保険者が総合事業の実施を再考するとともに、予防給付の充実、地域包括支援センターにおける公的責任の強化や、地域支援事業・高齢者施策の公費負担による整備などが求められる。

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【参加者は熱心に耳を傾けていました】

(続く)

研修会開きました(在宅支援部会:その2)

【地域包括ケアの具体像】

(1)施設・住まいについて

※地域包括ケアは、既存の病院や特養などの介護保険施設を抑制した上で、サービス付き高齢者住宅を整備し、高齢者が居宅において外付きの訪問介護・看護で生活することを目指している。

○入院は抑制:介護療養病床は新規開設が否定され、報酬改定でも単価引き下げ。

○介護保険施設:整備進まずホテルコスト等の徴集を通じて利用者負担引き上げ→必要なサービス利用できない恐れ。

○一方、「サービス付き高齢者住宅」の積極的整備進められようとしている→厚生年金受給者がターゲット。低所得単身者を中心に「介護難民」化が進む恐れ。

※療養病床削減撤回、特養増設、補足給付の充実などによって、在宅のバックアップとして既存の病床・施設を拡充すべき。その上で居宅介護を充実図るとすれば、公的な高齢者住宅の整備等の推進を基本としつつ、施設と同等の質・量を提供できる居宅サービス体系を構築する必要がある。

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【資料を使ってわかりやすく話される鶴田禎人先生】

(2)地域包括ケアと老健

※「”第二特養化”しているような老健施設が非常に多い。まず老健施設というのは基本的にリハビリを一生懸命にやり、残存機能を高めるなりして、在宅で生活ができるようにして帰す。それをもっと徹底的に行っていただきたい」(厚生労働省幹部の指摘、『老健』20119月より)。

○今次の介護報酬改定で、基本報酬引き下げ&「ベッド回転率」、「在宅復帰率」の指標の導入と、条件を満たした施設を「在宅復帰強化型老健」として報酬増額。

○入所前後訪問指導加算も新設するなど、全体として早期退所を促す改定となった。

○今後:在宅復帰を第一義に掲げる施設と、そうでない施設にこれまで以上に分化されると考えられる。

※しかし、現状は在宅における受け皿不足→入所期間の短縮が拙速に起きてしまうことが懸念される。老健・入所者双方に負担をかける改定と言わざるを得ない。

※政府:老健など介護保険施設に対する明確なイメージを持っているとは言えない。施設側から地域包括ケア時代における自らのあるべき姿を積極的にアピールすべき!

※老健:地域の入所施設として高齢者・家族を支えている現状、医療、看護、リハビリ、認知症ケア、ターミナルなどに関する多様な地域支援機能を発揮できるという特徴・強みを活かせる制度設計・報酬改定を後押しする必要がある。(続く)

研修会開きました(在宅支援部会:その1)

 (社)宮崎県老人保健施設協会在宅支援研究部会は1020日(土)、宮崎市中央公民館中研修室で研修会を開きました。会員施設等から40人が参加し、地域包括ケアについて学びました。

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 今回の研修会は、講師に宮崎大学教育文化学部講師で経済学博士の鶴田禎人先生を招き、「地域包括ケアと介護のゆくえ:老人保健施設を中心として」と題し講演をしていただきました。「長寿化や少子高齢化が急速に進む中、単身や夫婦だけで暮らす高齢者世帯が増加している。そのような高齢者の生活を支える新たなしくみとして『地域包括ケア』が提起されています。その定義やねらいについて考え、政府の考え地域包括ケアの提供体制や、現在の具体化の進行状況、そして今後発生が危惧される問題などについて説明していきます」と切り出した鶴田先生。そのあらましについて連載していきます。

 

【地域包括ケアの定義とねらい】

〇在宅生活が困難な要介護高齢者に対し、「ニーズに応じた住宅が提供されることを基本とした上で、生活上の安全・安心・健康を確保するために、医療や介護のみならず、福祉サービスを含めた様々な生活支援サービスが日常生活の場(日常生活圏域)で適切に提供できるような地域での体制」が地域包括ケア。

〇つまり医療、居宅介護、住まい、予防、生活支援といった諸領域が連動しながら、住み慣れた地域にある居宅で、高齢者が最期まで生活できる体制づくりを目指すのが地域包括ケア。

〇しかし、伸び続ける高齢者医療・介護給付費の抑制を「医療から介護へ」、「病院・施設から在宅へ」の掛け声の下で行うのが政府のねらい。つまり地域包括ケアは財政の視点。

※高齢者の在宅生活の安心を保障するという国民の希望に押されながらも、それを利用し、医療・介護費の抑制を可能にする提供システムを作り上げようというのが地域包括ケア。(続く)

「老健みやざき」アップしました!

 かねてよりお知らせしていましたが、当協会の広報誌
「老健みやざき 第26号」 PDFファイルをアップしました。そのまま見るなり、ダウンロードして楽しむなり、自由にご利用して下さい。
「老健みやざき 第26号」
へのページはこちらからどうぞ。

 なお、今回号の巻頭に掲載しました、隔号企画(予定)の「老健ルポルター寿」。来年度も県内いずこかの会員施設を、広報部会委員のメンバーで訪問、取材したいと考えておりますが、現在のところ訪問先がまだ決まっておりません。「是非うちに来て!!」という施設がありましたら、ご連絡方お願いいたします。

研修会開きました(支援相談部会:その4)

櫛橋弘樹先生講演「医療依存度の高い高齢者への対応」骨子}

 

 

【医療依存度の高い要介護高齢者の受け入れ課題】

(1)日中・夜間の職員配置

(2)施設間連携の状況

(3)現場の業務負担

(4)介護職が実施することを検討すべきケア内容

(5)看護師・介護職の連携

 

(1)日中・夜間の職員配置について】

〇日中・夜間の看護職員一人あたりの入所者数を、新規入所者を基本的に受け入れている施設とそうでない施設とで比較すると、IVHによる栄養管理、気管切開(カニューレ有り・無し)経管栄養(経鼻)において受け入れている施設のほうが看護職員一人当たりの入所者数は少ない。

〇夜間においては特にIVHによる栄養管理、経管栄養(経鼻)、酸素療法で看護職員一人当たりの入所者数は少ない。

※医療依存度の高い要介護高齢者へ対応するためには、看護師の日中・夜間の職員数の増員、特に夜間配置の強化が求められる。

(2)施設缶連携の状況】

 夜間に病院や診療所と連携している施設ほど、医療的ケアの必要な新規の入所者を受け入れている。

 今後医療依存度の高い要介護高齢者の受け入れを拡大する課題として、医師の指導・管理、連絡体制の強化が求められる。

(3)現場の業務負担感】

 時間帯によって課題が生じやすいケア内容としては気管切開(カニューレ有り)、喀痰吸引、その他人工呼吸があげられる。

 今後受け入れ拡大にあたっての課題:業務量増加に伴う看護師の不足、医師の指導・管理、連絡体制の強化。

 

(4)介護職が実施することを検討すべきケア内容】

〇介護職の業務を拡大すべきケア内容:「経管栄養」、「人工肛門」、「喀痰吸引」準備や片付けといったケアの一部。

《介護職の業務拡大の検討》

※看護師不足は医療的ケアの受け入れ制限につながっている。

※看護師の大幅な増員は困難であり、今後介護職の業務範囲の拡大は必須。

〇医療的ケアのうち、準備や片付けを介護職が実施することで、看護師の業務負担の軽減になり、他の医療的ケアに専念できる。

※日常的にケア提供や観察が必要である点からも、入所者に近い存在の介護職が医療的ケアに関わることが臨まれる。

 

(5)看護師・介護職の連携:看護師と介護職の連携促進に向けた取り組み】

 食事介助や口腔ケア、疾病管理といったケアの領域において、看護師と介護職とでケア提供上の問題に対する認識の違いが大きい。看護師と介護職とでそれぞれのケア目標を共有するほか、業務手順など、ケア提供方法を共有することが重要。

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(終わり)

研修会開きました(支援相談部会:その3)

櫛橋弘樹先生講演「医療依存度の高い高齢者への対応」骨子}

 

 

【介護老人保健施設において新規入所者の受け入れを制限している理由】

○気管切開、その他人工呼吸、IVHによる栄養管理・・・看護師や医師の不足・不在なため、緊急時対応の体制が不十分なため。

○酸素療法、末梢輸血・・・人員の問題のほか経営上の問題から。

○経管栄養(経鼻)、喀痰吸引・・・ケアのための時間確保が不十分なため。

気管切開、IVHによる栄養管理経管栄養(経鼻)において、受け入れている施設は看護職員一人あたりの入所者数は少ない。

※酸素療法、IVHによる栄養管理、経管栄養(経鼻)において、夜間の看護職員一人あたりの入所者数は少ない。

 

【時間帯によって生じる課題の内容】

〇気管切開(カニューレ有り):夜間看護師が夜勤をしていない日があり、併設医療機関から看護師を呼ばなければならず、すぐに吸引ができない。夜間看護師が少ない。客痰吸引が必要な利用者が重なると、現在の人員配置では対応できない。

〇喀痰吸引:看護師がいない時間帯がある。対象者が多くなると、夜間1人ナースでは対応できず、ナースは介護職同様の仕事分担もある。食後痰がからみ、誤嚥によりむせ込む。

〇その他人工呼吸:看護、介護職の配置数が少なくなるため、1人の上に対応していると、他への対応や、他の方への影響等あり対応困難を生じる可能性が高くなる。夜間は看護・介護の人員が少なくなる。

 

【受け入れ拡大上の問題】

○看護師が担当している業務量が増えるため、現行の人員体制では対応できなくなる。

○医師の指導・管理、連絡体制を強化する必要がある。

○施設設備を変更する必要が生じる。

 

【介護職の業務が拡大した場合の今後の受け入れ方針】

※介護職の業務拡大により受け入れ数の増加が見込まれるケアのうち、

〇現在受け入れている施設がさらに受け入れ増加:経管栄養(胃ろう、腸ろう、経鼻)、人工肛門、リハビリテーション

〇現在受け入れを制限しているが、業務拡大によって受け入れる:バルーンカテーテル、人工肛門、インスリン投与

酸素療法、経管栄養、喀痰吸引等の医療的ケアにおいて、50%以上の看護・介護職員が緊急時・異常時の早期発見、早期対応について負担を感じている。

 

【新規に受け入れ困難なケア内容】

〇その他人工呼吸、IVHによる栄養管理、気管切開(カニューレ有り・無し)、経管栄養(経鼻)、酸素療法、抹消輸血、疼痛管理、喀痰吸引

50%以上の施設が看護師や医師の不足・不在、緊急時対応の体制が不十分なため受け入れを制限。(続く)

研修会開きました(支援相談部会:その2)

{櫛橋弘樹先生講演「医療依存度の高い高齢者への対応」骨子}

 

 

《2.平成24年度介護報酬改定の概要》

 

24年度の介護報酬改定】

 24年度の介護報酬改定は「介護サービスの基盤強化のための介護保険法等の一部を改正する法律」の施行に伴う新たな介護サービス等への対応、診療報酬との同時改定に伴う医療と介護の機能分化・連携などへの対応が求められ、以下の基本的な視点に基づき、各サービスの報酬・基準についての見直しが求められた。

(1)地域包括ケアシステムの基盤強化

(2)医療と介護の役割分担・連携強化

(3)認知症にふさわしいサービスの提供

 

【地域包括ケアシステムの基盤強化】

 介護サービスの充実・強化を図るとともに、介護保険制度の持続可能性の観点から、給付の重点化や介護予防・重度化予防について取り組み、地域包括ケアシステムの基盤強化を図ることが必要である。

 高齢者が住み慣れた地域で生活し続けることを可能にするため、

(1)高齢者の自立支援に重点を置いた在宅・居住系サービス

(2)要介護度が高い高齢者や医療ニーズの高い高齢者に対応した在宅・居住系サービスを提供する。

 

【認知症にふさわしいサービスの提供】

 認知症の人が可能な限り住み慣れて地域で生活を続けていくため、小規模多機能型居宅介護、認知症対応型通所介護、認知症対応型共同生活介護、介護老人福祉施設、介護老人保健施設、介護療養型医療施設において必要な見直しを行う。

 

【施設系は役割・機能が明確化】

○施設サービスについては、それぞれの役割・機能がより明確化となる。

○例えば特養は、重度者の終の棲み家として、ユニット化や看取りの機能を強化するための中間施設として、リハビリ機能が拡充。

○介護療養病床は2017年末の廃止に向けて、介護療養型老健施設などへの転換が促進される。一方、有料老人ホームに関しては規制強化が進む。

 

【介護老人保健施設の退所者の現状:介護老人保健施設、介護療養型医療施設と比較して】

○介護老人福祉施設の退所者の主な退所先:医療機関28.9%、死亡63.7%(うち施設内での死亡29.7%、入院先での死亡34.0%

○介護療養型医療施設の主な退所先:医療機関34.7%、死亡33.0%(うち施設内での死亡25.7%、入院先での死亡7.3%

○介護老人保健施設の主な退所先:医療機関48.9%、家庭23.8%、介護老人福祉施設9.3%、死亡6.0%(うち施設内での死亡5.1%、入院先での死亡0.9%

※出典:厚生労働省「介護サービス施設・事業所調査」(平成22年度)

 

【介護保険施設からの退所後の行き先の推移(平成199月と平成229月との比較)】

介護老人福祉施設:医療機関が31.5&から28.9%に減少。

○介護老人保健施設:医療機関が45.3%から48.9%に、死亡が3.8%から6.0%にそれぞれ増加、一方家庭復帰が31.0%から23.8%に減少。

※出典:厚生労働省「介護サービス施設・事業所調査」(平成19年度、平成22年度)

 

【介護老人保健施設の主な改訂内容】

1.介護老人保健施設の在宅復帰支援機能の強化

2.短期集中リハビリテーション実施加算の見直し

3.地域連携パスの評価

4.認知症行動・心理症状への対応強化

5.肺炎等への対応の強化

6.ターミナルケアの評価の見直し

※介護老人保健施設は在宅復帰、在宅療養支援のための地域拠点となる施設。リハビリテーションを提供する機能維持・改善の役割を担う施設。

【介護老人保健施設の在所日数】

平成22年度老人保健健康増進等事業「医療施設と介護施設の利用者に関する横断調査」によると、介護老人保健施設1,036施設に入所していた29,276人の入所者の在所日数の中央値は全体で358日。また、在所日数の中央値が2年以上である施設は1割程度。

【退所の状況】

「介護サービス情報公開制度」(平成21年度)より老人保健課調べによると、

○介護老人保健施設から退所した者の施設定員に占める割合は、一月あたり10%未満である施設が約7割。

○介護老人保健施設から自宅へ退所した者の施設定員に占める割合は、一月あたり3%未満である施設が約8割。

退所者に占める自宅への退所者の割合が30%以上50%未満の施設は全体の16%、また50%以上の施設は8%。一方、自宅への退所者が0人であった施設は、全体の19%。

 

【介護療養病床の扱いについて】

 平成23年度までに老人保健施設等へ転換することとしていたが、転換が進んでいない現状を踏まえ、先の通常国会において成立した介護保険法等の一部改正法により、以下の措置が講じられた。

1.これまでの政策方針を維持しつつ、現在存在する介護療養病床については、6年間転換期限を延長する。

2.平成24年度以降、介護療養病床の新設は認めないこととする。

3.なお、引き続き、介護療養病床から老人保健施設等への転換を円滑に進めるための必要な追加低支援策を講じる(平成24年度介護報酬改定における対応を検討)。(続く)

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