協会活動報告

研修会開きました(栄養給食部会、その2)

【食の認知について】 

 職の認知(分類)は次の通りです。

1)認知期(先行期):食物が口腔に入る前の時期で、何をどのくらい、どのように食べるか決定し、行動する段階。

2)咀嚼期(準備期):食物を捕食し、続いて咀嚼してから嚥下運動が行われるまでの段階

3)咽頭期:反射運動により、食塊を咽頭から食道へ移送する段階

 

 この中で、「認知期」では、目で見て食べ物の固さや味や温度、臭いを情報としていれて「ああ、これは○○○○と言う食べものだ。どのようにして食べればいいか、一回量は?早さは?思い切り噛まないといけないか?口を大きく開けないといけないかなどと考えるわけです。そして無意識に唾液が出てきますが、これは口に入れる前に出るのです。これは大事なことなので覚えておいてください。

 認知の前提として、見えるのか、においがかげるのか、記憶にある食べ物と対比してこれは固いぞ、甘いぞ、ということがわかっているのか?を考えないといけません。認知ができないと、食べ方が全く異なってくるのです。例えばフランクフルトソーセージなどは、中に箸が入ってるから、一気に噛んではいけません。やさしく食べて引き抜いて、という食べ方はこの段階でやるのですが、それができないと大変です。認知できないと、柔らかい食事を強く噛んで歯を折ったり、舌を噛んだりする可能性はないか?と思います。

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【味の認知】

 味の認知は一言で言うと味覚ですが、味覚は生理学的には「甘味」「酸味」「塩味」「苦味」が基本四味とされ、「旨味」を加えて5種類が基本味となっているという本もあります。最近6番目の味がアメリカで発見されて認定されるかもしれないとのことです、今日は4味だけで話をすすめます。

 

【舌などの味覚感受性】

 ベロには色んな感覚を感じる場所があり、それを神経が頭に伝えます。また軟口蓋・喉頭蓋・食道上部内面にも味覚受容体は存在します。これがどういう味を感知するかはまだわかっていません。ビールののどごしはここにあると思います。それぞれの味は別々の神経で脳の中の方に伝達されます。食べ物全体が口の中に入ると、役割分担して情報が頭にいきます。甘酸っぱいものは2つの場所、2つの神経から頭にいって合成されて「これは甘酸っぱい」という一つの味として伝えられます。

【唾液の役割】

 食べる前に唾液が出ると言いましたが、固形物が味として感じるには溶けないと味細胞に感知されません。溶けるということは唾液が出ているということです。角砂糖を甘く感じるのは溶けた部分が味細胞に伝わって甘味として伝わっているということです。唾液が少ないということは飲み込みにくいということもありますが、味も感じにくいということでもあるわけです。

 

【第1次味覚野、第2次味覚野】

 味覚情報は延髄を介して頭に上っていきます。そして視床を通って前頭葉の第1味覚野にいきます。ここで味の質や強さを判断しまする。これは側頭葉のすぐ上の前頭葉の下の方です。

  2次味覚野は咀嚼や味覚などの情報が統合され、食物の認知や好き嫌いなどが判断されます。そのすぐ横に扁桃体がありますが、それと海馬が記憶情報になっているので、頭の中にある食べ物の情報、例えば「あれは肉まんだった」という情報と目で見た情報、そして肉まんの臭いがして「あ、これは熱いぞ、やわらかいぞ、だからこうやって食べよう」という命令が生まれるのです。

 この海馬がアルツハイマー病では最初に萎縮します。その前に扁桃体(記憶の脳みそ)があります。花王健康科学研究会によれば「食行動を決定するのは、その食事の味や環境、雰囲気などを記憶している扁桃体が重要な部分を担っており、(海馬や)大脳辺縁系や大脳連合野とも連携して、過去の記憶や情報と照合して摂取して良いかを判断する。このような統合過程を『認知』といい、視床下部は扁桃体や大脳からの情報を受けて、食欲、飲水、性行動、体温、情報、内分泌といった働きを調節する。このような脳での情報伝達の連携プレーにより、食行動の認知が行われ、食物に対する『おいしさ』が自覚される」とのことです。「あれが食べ物だ。食べよう。甘いぞ、・・・」というのは難しく複雑な過程を経てすぐ答えている。

 これが全部認識されていないといけないのですが、認知症の人は認知できているのでしょうか?食の認知、味の認知が合致して「美味しい」となるのは、認知できることが前提です。認知症の人が私たちと同じように判断できているのかはまだはっきりわかっていません。

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(つづく)

研修会開きました(栄養給食部会、その1)

 (公社)宮崎県老人保健施設協会栄養・給食研究部会は718日、宮崎市の介護老人保健施設ひむか苑会議室で研修会を開きました。認知症と食事摂取について学びました。

 この日は県内の会員施設から24人が参加しました。研修会ではまず、同部会の船ケ山 塁副委員長が、挨拶に続き平成24年度の決算報告と平成25年度の事業計画および予算について説明を行いました。

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(説明に立つ船ケ山副委員長)

 

 続いてひむか苑の医師、田代 学先生による「認知症高齢者の食と味の認知を考える」と題した、非常にためになり、興味深い講演がありました。その内容を連載します。

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【はじめに】 

 私は介護認定審査会委員もやっているのですが、審査をする中で、鍋をガスにかけたままにしてしまう「鍋焦がし」の事例が少なからずあります。かなり鍋にダメージが及ぶまで気がついていない。なぜでしょうか?それは短期記憶障害、つまり「料理を始めた」ということを忘れるから・・・かつてはそう思っていたのですが、最近は違うのではないか?それだけではないのではないか?と思うようになりました。つまり嗅覚障害があるのではないかと思うのです。普通、鍋が焦げるあの臭いが漂えば、否が応でも気がつきますよね。その臭いがわからないから鍋を焦がしてしまうのだと。

 今日は最近疑問に思っている事で、ちょっとまとめたものを話します。

 

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(田代先生)

 

【増える認知症高齢者】

 昨年厚生労働省は、介護保険の要介護認定をもとに認知症高齢者を約300万人と推計していました。これは10年前に予測した数値より70万人くらい多くなっており、それだけ人手とお金が足りないことが見えています。さらに今年61日の朝日新聞は、同省研究班が国際基準に従って専門医が診断し、462万人という2012年時点の推計値を発表したことを1面トップで伝えていました。年齢がいけばいくほど認知症になる率は高くなります。特に80歳越えると急激に増えます。

 

【以前作ったスライドに疑問抱く】

 ご飯をうまく食べない人、飲み込めない人に対して、食事の形態や食事介助などで補おうとするのは当然です。そこに自助具や食器の工夫。それにポジショニングなども考えていかないといけませんが、もっと考えないといけないのは、環境、雰囲気。いろんなことを考えないとご飯を食べたくない、楽しくないと思います。そこでふと思ったのが、「利用者が認知できてこそうまくいく」ということです。認知できなかったらうまくいかない可能性が高いと思います。

 以前作ったスライドでは認知症者への摂食・嚥下障害へのアプローチとして、「実際には、進行期を除けば、認知症の認知症による摂食・嚥下障害はあまりない」「初期には、短期記憶障害と満腹中枢障害による食事の催促、過食が問題となることがある」「その後、問題になるのは、周辺症状(BPSD)等に対する薬物による傾眠・口腔内乾燥等による摂食・嚥下障害である」と簡単にまとめていた。しかし、本当にこれだけでいいのかな?と悩んでいました。

(つづく)

演題受付期間延長しました(重要)

 722日の「お知らせ」でもご案内しましたが、「第14回九州ブロック介護老人保健施設大会inみやざき」1114日、15日、宮崎観光ホテル)の演題受付締め切りを当初の85日から823日(金)に延長しました。発表を予定されている皆様は、「参加のご案内」の7ページから9ページの、「演題募集要項」をよくご覧の上、指定の書式および申込み方法に従い、奮ってお申し込みください。

 九州各県の老健施設から、たくさんのエントリーをお待ちしております。

研修会開きました(看護・介護部会 その5)

 このようにして、盛会裏に終わった看護・介護研究部会の研修会だったのですが、この後予想外(?)の出来事が・・・

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(閉会と同時に緒方克己先生の元へ駆け寄る参加者)

 

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(質問する参加者に緒方先生が丁寧に応じていると・・・)

 

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(あれよ(.😉・・・)

 

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(そしてまたあれよ(o)という間にこの状態!)

 

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(これはまさしく”行列のできる相談所”状態(^o^)

 

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(参加者からの熱心な質問は延々と続いたのでした。緒方先生、本当にありがとうございました

 

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(研修会が無事に終わって一息つく看護・介護研究部会の皆さん。お疲れ様でした)

 (おわり)

研修会開きました(看護・介護部会 その4)

 研修会は褥瘡から皮膚全般に関する話題となり、緒方先生は「皮膚とはどんなものですか?」と問いかけました。そして「皮膚は『いのちを入れた袋』ではないかと思います」と続けました。これは医者になって40年近くの間、患者を診てこられた中で緒方先生がたどりついた結論とのこと。また「皮膚はだだの袋ではないということ、そして皮膚の事を知っていれば色々なことがわかり、色々な事に対応できます」と付け加えました。そして、「皮膚の表面がなくなると、ものすごい勢いで脱水を起こします。点滴しても今度は臓器がもたない。皮膚がないと私たちの命はあり得ないのです」との説明に、「なるほど、皮膚は『いのちを入れた袋』なんだ」と参加者一同は納得の表情。

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 その後も、皮膚の構造やそれぞれの役割、中でも角層(角質層)はラップの厚さ(0.02-0.03ミリメートル)しかないけど、それがないと体の水分を保てないことや、「いのち」を入れた袋である皮膚は、その中に私たちを入れて自己の確立と維持の役目を果たし、免疫反応・ホルモン反応・神経系反応など、生体防御反応の最前線で活躍していることなどを、実例を紹介しながらわかりやすく説明する緒方先生の講義に、参加者は聞き入っていました。

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 研修の終わりにあたり、緒方先生は「病気の予防、治療にはスキン・ケアが大切です。 患者さんは高齢者になればなるほど自分で身の回りのことができず、気が付かず、判断できず、行動できません。したがって注意深い観察と積極的な働きかけと優しく忍耐強い対応が必要です。原則は理解しつつ、基準にとらわれ過ぎず現場で的確な判断と、速やかな対応ができるよう心掛けてください。軌道修正能力を持って欲しいと思います。褥瘡の予防・治療にあたっては、『あなたが患者さんなら、どのようにしてもらいたいですか?』を念頭に置き、『なんでだろう?なぜかな?どうしたらよいか?』という”考える介護・看護・医療の実践につとめましょう」と呼びかけると、会場からは惜しみない拍手が贈られました。

(あと1回続きます)

研修会開きました(看護・介護部会 その3)

 日本褥瘡(じょくそう)学会は設立して12年目を迎えているそうです。「『きず』を表す『そう』の文字には『瘡』と『創』の2つがあり、”褥瘡”、あるいは”褥創”と書いたりしますが、学会では『瘡』を使っています」と緒方先生。それは、「瘡」が内部要因による壊死や痂疲(かひ:かさぶた)、おでき、痤瘡、狼瘡、天疱瘡などを示すのに対し、「創」は切り傷や刀創など、外傷によるきずを示すからだそうです。そういう意味合いから緒方先生は、「褥瘡は切り創のような単純なものではありません。奥が深く、トータルケアが必要な潰瘍です」と強調しました。

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 この事を踏まえ、切り創と比較した褥瘡の特徴として、(1)原因が圧力やせん断応力、病的骨突出、低栄養など複雑である、(2)壊死組織が必発である、(3)治癒経過が長く難治性である、(4)予防にはトータルケアが必要・・・などを挙げました。その上で「原因となっている圧迫に色々な形がありますが、患者さんをよく観察すればどうしたらこのような圧迫が起こるかがわかります。だから、病院に行かなくても毎日見ている皆さんが最初に気付くことができます。そして大事なのは反復する圧迫が加わると状況が悪くなり、短時間で褥瘡が起こり、治るのにも時間がかかるということです」と毎日利用者を観察し、状態を把握することが褥瘡予防に極めて重要であることを示しました。

 また、感染性褥瘡については汚染と感染の違いを踏まえた上で、「ちょっとぐらい菌がつく(汚染)はやむを得ないが、菌が増殖してそれが周りの死んでいない組織にまで広がっていくのが一番困るわけで、その時に圧迫が加わっていると、どんどん広がっていってしまいます」と、除圧と局所の乾燥および清潔の重要性を訴えました。

 そしてもう一度「褥瘡は長時間の圧迫を原因として、骨と体表の間の皮膚・軟部組織に生じる虚血性壊死によって生じる『きず』とのこと。そして、健康者は無意識のうちに自然に体位変換して予防しているものの、体位変換が自然にできない状態になると褥瘡が生じる」とおさらいした上で、「褥瘡は悪化させず、治癒させることも可能です」と参加者を見渡しながら断言しました。

(つづく)

研修会開きました(看護・介護部会 その2)

 「褥瘡(じょくそう)は寝たきりになると仙骨部にできやすいことは良くわかっています。しかし、それだけではありません。また高齢者だけでなく、若い人でもできます」と緒方先生。寝たきりにならなくても脊髄損傷やリウマチ、意識消失などでも褥瘡はできると補足しました。脳卒中後遺症などで握りっぱなしの手のひらや、足が重なったところも褥瘡ができることを、スライドを用いながら説明しました。

 

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 褥瘡は「長時間の圧迫を原因として、骨と体表の間の皮膚・軟部組織に生じる虚血性壊死によって生じる『きず』」とのこと。そして、健康者は無意識のうちに自然に体位変換して予防しているものの、体位変換が自然にできない状態になると褥瘡は生じるのだそうです。そして、1平方センチメートルあたり200mgHgの圧迫が2時間加わると壊死が生じると言われていますが、これは一つの目安。「強い圧迫があれば短い時間ででき、弱い圧迫でも長い時間続けば褥瘡はできます。そして圧迫が繰り返されればさらにできやすくなます。いったんできると治りにくく、さらにポケットを作るといくら除圧をしても、局所を綺麗にしてもなかなか治りません」と注意を促しました。また、組織には血流が必要で、血流が途絶えて組織が死に、死んだ組織が生きた体に残っている状態が「壊死」であり、「壊死が広範囲、全体に及べば体の死亡につながります」と褥瘡の怖さを強調すると、受講者達はメモをとりながら聞き入っていました。

 

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(つづく)

研修会開きました(看護・介護部会 その1)

 (公社)宮崎県老人保健施設協会看護・介護研究部会は76日、宮崎市の古賀総合病院で研修会を開き、褥瘡(じょくそう)について学びました。

 今回のテーマは「高齢者施設での褥瘡予防」。開会にあたり、挨拶に立った同部会の仮屋美喜子委員長は、「今日は老健や特養など57施設からたくさんの方が来られ、褥瘡ケアへの関心が高いことが伺えます。本日の研修は『できてしまった褥瘡をどう治すか?』ではなく『褥瘡ができないためにはどうすればいいか?』がテーマです。しっかり学んでいって欲しいと思います」と呼びかけました。

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(開会の挨拶をする仮屋委員長)

 

 同部会では518日、同じ会場で感染予防対策に関する研修会を開き、115人の参加がありましたが、今回はそれを大幅に上回る144人が受講。会場は超満員となりました。

 

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(会員施設以外からも多数の参加があり満員となりました)

 

 講師は古賀総合病院副院長で介護老人保健施設春草苑の緒方克己施設長。皮膚科の専門医です。緒方先生は「褥瘡は治療というより、作らないですめば作らない方がいいし、できていいことはありません。今日は褥瘡がなぜできるのか、どうしたらできないように管理できるか、そしてできたとしてもどうやったら施設で治せるか、そのヒントになるような話をしたいと思います」と切り出しました。

 

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(優しく語りかける講師の緒方先生)

 

 「褥瘡ほど身近な病気というか障害はありません」と、褥瘡は特別な病気ではないことを指摘した緒方先生、「褥瘡がなぜできるかがわかれば、自分たちで『どうすれば褥瘡ができないですむか』を考えることができます。”褥瘡は大変だ”、”褥瘡は治りにくい褥瘡ができたら介護・看護の恥だなどと思いがちですが、嫌なイメージは捨てて、褥瘡を日常的なものとして、賢く対応しましょう」と言い添えました。

(つづく)

研修会開きました(ケアプラン部会:その2)

 続いて、施設サービス計画書について、「先に計画書(1)”を書くのは難しい。まず計画書(2)”を書く方がスムーズに総合的な援助方針が立てられやすくなります」と原委員。その施設サービス計画書(2)”については「『〇〇したい、〇〇できるようになりたい』と本人目線で前向きにとらえられるような表現をすると、意欲が湧くポジティブプランになります」と強調しました。

 ただし、本人の訴えがなかったり、認知症や廃用が進行して寝たきりの場合などには、「現在〇〇だが、〇〇にならないようにしたい」という表現すると良いとのことでした。

 長期・短期の目標を設定するには、「利用者、そして家族と一緒に考えることが基本」とした上で、「『居室からトイレまでの5メートルを歩いて行けるようになる』など、数値化された具体的な内容にすると、利用者および家族と達成の度合いや現状を判断しやすくなります」と、目標が抽象的な表現にならないように注意を促しました。

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(「”ポジティブプラン”で利用者の意欲を引き出そう」と呼びかけた原委員(左端))

 

 午後からは受講者は5つのグループに分かれ、「脳梗塞で左片麻痺を呈し、入院中の転倒により第1腰椎を圧迫骨折して歩行困難になった入所利用者の男性」という事例に基づき実際にケアプランの策定を行いました。「元気になって家で暮らしたい。杖で歩けるようになりたい」という本人の意向や、「トイレや身の回りのことができるようになったら連れて帰りたい」という家族の要望を踏まえ、対象者の心身の状態、日常生活活動の現状をチェックしながら、各グループで意見を出し合いました。高齢者ケアプラン研究部会の委員もそれぞれのグループ加わり、必要に応じて助言を行いました。

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(グループワークで熱心な討議を展開)

 ほとんどが初対面で、職種や年齢、経験年数も異なる受講者同士でしたが、「どうしたら利用者の意欲を引き出せる”ポジティブプラン”になるか?」「援助方針は利用者や家族を含むケアチーム全員が共通して目指すものとなっているか?」「モニタリングしやすい目標を設定するにはどうすればいいか?」などと積極的な意見のやりとりが行われました。

 研修会の最後を締めくくるのは、各グループが作成したサービス計画書の発表会。どの計画書も各グループのメンバーの利用者への思いが込められた素晴らしい内容で、発表が終わると他のグループからは温かい拍手が贈られていました。

 

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(研修の締めくくりにふさわしい発表内容でした)

 長丁場の研修会でしたが、ケアプラン策定の実践的な知識や技術が学べただけでなく、受講者同士が交流も深まり、充実した一日となりました。

(終わり)

研修会開きました(ケアプラン部会:その1)

 (公社)宮崎県老人保健施設協会高齢者ケアプラン研究部会は76日、宮崎市のJAAZMホールで包括的自立支援プログラム策定研修会を開きました。

 今回の研修会は、ケアプランを策定したことがない人や、今ひとつ自信がない人、疑問や質問を抱える人などが対象に開催したもので、会員老健施設や特別養護老人ホームなど38人が受講しました。

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 午前中はまず、部会委員の紹介に続き、帳票類の説明とサービス計画書の記入に関して、同部会の原貴子委員(相愛苑)が説明を行いました。「ケアプランを作るということを難しく考えることはありません」と切り出した原委員。「皆さんもそれぞれ生活をされていて、それぞれの生活スタイルがある。住むところも違うし、趣味も様々です。同様にケアプランを作る対象者の暮らしも様々です。ただ、高齢であること、そして障害があるということが違うわけで、そのような人達のそれぞれの生活における色々な生活場面における計画を作っていけばいいのです。朝起きてから何をするか、という生活場面を順に考えていって、何がどのようにできないか?そしてそれをどのように介助すればいいか、あるいはどのような道具を使えばできるようになるか?などを導き出していけばいいのです」と付け加え、包括的自立支援プログラムの特徴について順を追って解説していきました。

 

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(わかりやすく丁寧に説明する原委員)

 (1)「介護サービス調査票」がプログラムの一部になるなど、要介護認定と連動している、(2)提供している全てのケアを網羅し、実際に提供しているケアがスタッフや家族にわかりやすいだけでなく、本人や家族の要望も反映できるなど、ケアチェック表が活用できる、(3)社会的要因が抽出可能で、サービス提供機関や家族の役割も明確にできるなど、在宅使用を想定している・・・・などの同プログラムの特徴を踏まえ、その記入のしかたについて資料を用いて具体的に説明すると、受講者はメモをとるなどして聞き入っていました。

 この中で「ケアチェック表」の記入については、その具体的方法を示した上で、解決すべき課題の優先順位について、「第1は緊急度。命に関わるようなことはもちろん、本人の苦痛や痛みがあると、ケアプランの実行どころではありませんので、これをとってやることが最優先です。その次が必要度。本人や家族が希望しているかどうか、また介護量の軽減やADL維持のために必要性が高いかどうかを考えます。3番目が実現可能性で、在宅生活の継続やQOL向上のために本当に達成できるかどうかを検討してください」と留意点を説明しました。

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(熱心に聞き入る受講者の皆さん)

(続く)

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