12日付ブログで、(社)宮崎県老人保健施設協会支援相談部会が研修会を開き、社会福祉法人愛泉会日南病院疾病制御研究所の峰松俊夫所長に講演されたという報告は既にさせていただいたところです。しかし、その中で峰松所長が「若さが減ると老いる」という、あっと驚く、そして非常に興味深いお話をされたので、ここにその実証実験を踏まえながら紹介したいと思います。
↑まず、「若」と書いた紙を準備します。これを減らしていきますよ。
↑図のように、右側から紙で隠して「若」を減らしていきます。必ず右側からですよ。左や上下からではだめです。すると・・・!?
↑いかがでしょうか?「老」という字になりました。この説明に、会場全体が愕然!
本来の「老」の字は、「腰の曲がった老人が、杖をついて立っている姿」からきた象形文字と言われていますが、こっちの説明の方が説得力ある、と考えさせられました。なぜならば、峰松所長はその後のお話で、高齢者は色々な身体機能・能力が「減っていく」ということを、わかりやすく説明してくださったからです。
「若さが減って老いる」。そのために高齢者は、生活上いろいろと困ることが生じたり、様々なリスクに脅かされたりする・・・。そのことを私たち老健職員は、しっかりと認識して、日々の業務に当たっていかなければならない、と峰松所長のお話を聞いて痛感しました。
間違っても「○○さん、こんげなこつもできんとね」などといった事は絶対に言ってはいけないのです。「若」と違って「老」は、色々な機能や能力が「減って」いるのです。その中で高齢者は一生懸命努力して、やろうとしてるのです。だけど、できないこともある。それを嘲ったり、罵ったり、蔑んだりするとは老健職員として言語道断!です。「なぜできないか?」を様々な視点から考えて、どうすればできるか、考究し、工夫する。そしてもし介助が必要ならば、その方にとって最も適した介助方法を考え、提供し、家族等の介助者にも指導する。よってもってADL、QOLの向上を目指す。それが老健の使命なのではないでしょうか。
「目からうろこが落ちる」とはこういうときに使うのだろう、と思いました。本当にためになるお話でした。