敬老の日です

 本日、917日は祝日です。敬老の日です。本日ではないとしても、各老健施設でも敬老会が催されているものと思われます。

 介護老人保健施設で働く者にとって、何をさておいても、「敬老の精神」こそは、最も大切にしなければならない心構えと言えるでしょう。

 この機会に、「介護老人保健施設の理念と役割」をおさらいしたいと思います。公益社団法人全国老人保健施設協会が毎月発行している協会機関紙、「老健」からそれを抜粋し、以下に記します。さあ、今日もがんばりましょう!!

 

「介護老人保健施設の理念と役割」

 介護老人保健施設は、利用者の尊厳を守り、安全に配慮しながら、生活機能の維持・向上をめざし総合的に援助します。また、家族や地域の人びと・機関と協力し、安心して自立した在宅生活が続けられるよう支援します。

 

1.包括的ケアサービス施設

 利用者の意思を尊重し、望ましい在宅または施設生活が過ごせるようチームで支援します。そのため、利用者に応じた目標と支援計画を立て、必要な医療、看護や介護、リハビリテーションを提供します。

2.リハビリテーション施設

 体力や基本動作能力の獲得、活動や参加の促進、家庭環境の調整など生活機能向上を目的に、集中的な維持期リハビリテーションを行います。

3.在宅復帰施設

 脳卒中、廃用症候群、認知症等による個々の状態像に応じて、多職種からなるチームケアを行い、早期の在宅復帰に努めます。

4.在宅生活支援施設

 自立した在宅生活が継続できるよう、介護予防に努め、入所や通所・訪問リハビリテーションなどのサービスを提供するとともに、他サービス機関と連携して総合的に支援し、家族の介護負担の軽減に努めます。

5.地域に根ざした施設

 家族や地域住民と交流し情報提供を行い、さまざまなケアの相談に対応します。市町村自治体や各種事業者、保健・医療・福祉機関などと連携し、地域と一体になったケアを積極的に担います。また、評価・情報公開を積極的に行い、サービスの向上に努めます。

ポスターできました(第14回九州ブロック大会)

 第14回九州ブロック介護老人保健施設大会inみやざきの大会ポスターがこのほど完成しました。宮崎の祭りを代表する夜神楽を大きくどーんと配置し、上方には県木のフェニックスと県花のハマユウの写真で南国らしさを醸し出しつつも、一方では「スキー場だってあるんです!」と、県外の方々にはちょっと意外にも思える宮崎の魅力をPRして、来県と大会への参加を呼びかける内容になっています。

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 もちろん大会テーマ「共に創ろう、老健の未来のカタチ」、そしてサブテーマ「?みんなが安心して老いる社会を目指して?」 も中央にしっかり陣取っています。また、宮崎県のマスコットキャラクター、「みやざき犬」の3匹にも登場願い宮崎県を大いに宣伝してもらっています。

 第14回九州ブロック介護老人保健施設大会inみやざきは来年、つまり平成251114日(木)と15日(金)の2日間にかけて、宮崎市の宮崎観光ホテルで開催します。みなんで大会を盛り上げていきたいと考えております。会員施設の皆様におかれましては、当協会へのますますのご理解、ご協力方賜りますようお願い申し上げます。

「みる」ということ

 828日の日本経済新聞には「みる」ということに関連する記事が上下に並んでいました。一つは「人工網膜で視力回復」という記事。これは、病気で失明した患者に人工の網膜を埋め込んで視力を一部回復させるという大阪大学の実験。失明患者の目の裏側に電極を付け、電気で網膜などを刺激するのだそうです。網膜色素変性症の患者3人を対象に臨床試験を行い、長期間の安全性などを確かめるとのことでした。

 もう一つの「みる」ということに関する記事には、「1センチの顔でも瞬時に人物照合」という見出しがありました。これは、NECが人の顔を見比べる精度を大幅に高めた認証システムを開発したという内容。見出しにある通り、1センチ角の画像でも認証でき、その人が年をとっていても対応が可能で、髪型やまゆの形が変わったり、太って顔の輪郭が大きくなっても見間違うことは少なく、見間違う確率は0.3%というから驚きです。

 いずれも「みる」ことに関する革新的な、そして今後大いに期待と関心がもたれる記事だと思って読みました。その一方で、私たちがよく用いる「みる」という言葉を思い返してみました。

 

 ○見る:視覚によって対象をとらえる。また判断する※(1)

 ○観る(観ずる):よく観察し思い巡らせて正しく知る※(2)

 ○診る:医者が患者の具合を調べる※(1)

 ○看る(看):(よく見る。見まもる。みとる)※(2)

 ○視る:みる。注意してよく見る。みなす、・・・として扱う※(2)

 ○覧る:一通り目を通す。広く見渡す※(1)

 

 一口に「みる」と言っても、このように色々な意味合いがあります。私たち老健施設で働く者にとっても、さまざまな「みる」を、その時々に使い分けていかなければならないのだということを、記事を読みながら改めて感じました。

 コンピュータの進歩により、様々な分野で技術革新が進んでいる昨今です。近い将来、老健の利用者様をカメラでとらえて、「この方は微熱があるようです」「こちらの方は食欲が無いようです」「あちらの方はお悩みを抱えているようです」「その方は昨日と比べて歩き方が不安定で、転倒の恐れがあります」などと瞬時に判断できるようになるかもしれません。もしそうなるとケアを行う上で大変有効な手段になると思います。しかし現実にそうなったとしても、その情報を活かすも活かさないも私たち次第。常日頃から「みる」ということの大切さを忘れずに業務に励もうと思います。

 

(1)ATOKでかんたんビューforニコニコ大百科

(2):広辞苑

よりそれぞれ引用。

大会テーマ決定しました!!

 来年1114日(木)、15日(金)の両日、宮崎市の宮崎観光ホテルで開催予定の「第14回九州ブロック介護老人保健施設大会inみやざき」の大会テーマおよびサブテーマが決まりました!決定したテーマは次の通りです。

【テーマ】:「共に創ろう、老健の未来のカタチ」

【サブテーマ】:「?みんなが安心して老いる社会を目指して?」

 テーマはグリーンケア学園木花、サブテーマは慶穣塾からそれぞれお寄せいただきました。他施設からも多数のアイデアをいただき、ありがとうございました。

 大会まで1年ちょっと。現在協会事務局および総務委員会にて取り組みを始めているところです。会員施設の皆様には、今後様々な形でご協力をお願いすることになるかと思いますが、大会成功に向けて何とぞご高配賜りますようお願いいたします。

研修会開きました(リハ部会)その3

 引き続き、「老健施設におけるリハビリ」と題し、菜花園(西都市)の理学療法士、濵砂好治さんが講演しました。かつて同一法人の病院に勤務していた濵砂さん。異動で老健に勤務するようになって間もない頃、介護スタッフから「リハビリで筋力や関節可動域が改善しても、生活場面での介助状況は何も変わっていない」と言われ、少なからぬショックを受けた体験談から切り出しました。

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しかし、それが老健のリハ専門職として、「生活が改善するリハビリとは?何をすればいいのか?」と自問し、利用者様の機能面から生活面へ見方を変えていくきっかけになったのだそうです。見方を変えていくポイントは、入所者様や他職種の相談に耳を傾け、なるべく迅速に(その日のうちに)答えていく事。自分の専門外の事だと考えず、生活の一部として受け取り、その中で専門性を活かして考察・分析し、生活改善の結果を出していくことだと力説しました。また、その際には問題となっている現場に行って、実際に確認することが大事で、それが利用者様の「生活を視る力」をつけることになり、「訓練室では利用者様の生活が見えにくいが、現場で生活を視る力がつけば、生活場面として使える実際的な訓練も提供していけることになる」と付け加えると、参加者達はうなずきながら聞き入っていました。

これを踏まえて乗り移り動作や食事、車椅子に座る姿勢へのアプローチ方法、またこれらを改善するための福祉用具の活用方法など、実例を示しながら説明がありました。生活状況の改善を考える場合、その人の機能面ばかりにとらわれるのではなく、総合的に機能を活かせる生活環境も考えることが重要とのことでした。そこで必要になってくるのが介護者への理解。「残存機能を活かしていない、過度な介助にならないためには、過度な介助を行わないような状況をリハスタッフが考え、他職種が理解し、統一して行ってもらえるような取り組みをしていかなければならない」と、生活リハビリを全職種が意識して展開するために、リハスタッフの役割が大切であることを強調しました。

また、会場のPT、OT、STに対し、「技術者(専門職)ほど危ないものはない。”なんでもわかっている”という体質や過信は変化を拒み、硬直化を招くし、様々な問題が生じても、原因を自分以外に求めがちになる」と注意を喚起しました。そして、「『協働』とは相手を知り、共有すること。他職種のことをよく知って、相手に協力してもらえるような提案をしていきましょう。老健の使命は在宅復帰。そのためにも自分たちから変わっていきましょう」と参加者に呼びかけました。

研修会には若手からベテランまで、幅広い年代のリハスタッフが参加し、熱心に聞き入っていました。それぞれの老健施設でのリハビリテーションのあり方を見直す、またとない機会となりました。(終わり)

研修会開きました(リハ部会)その2

 続いて講演は家庭復帰へのポイントについて移りました。これに関して中村さんは、

1.ご家族様の評価と意識づけ

2.退所前後訪問による具体的な課題の共有と連携

3.排泄手段の確立

3つを挙げ、それぞれについて以下の通り説明を加えました。

1.ご家族の評価と意識づけについて】

 入所前に介護者の就労の有無、健康状態、介護可能な時間帯や内容、介護に対する意欲などを多角的に評価したり、入所判定会議でおおよその入所期間を決定することなどを通じて利用者様やご家族に家庭復帰を意識付けし、意味の無い入所の長期化を防ぐことができる。

2.退所前後訪問による具体的な課題の共有と連携】 

 生活環境を評価することで利用者様の生活イメージを把握したり、生活上の課題を共有でき、また居宅ケアマネージャーや在宅サービス提供者と連携しやすい。さらに家庭復帰後も往復型利用へとつなげることができる。

3.排泄手段の確立】

 家庭復帰の条件として「排泄動作の自立もしくは軽介助でできること」を挙げるご家族が多いが、特に脳卒中片麻痺で、麻痺側上肢がほとんど機能していない方の場合、トイレ動作が困難であるなど、排泄問題が解決しないために入所が長期化するケースが多い。そのため、日中・昼夜に分けて排泄手段が確立することが重要。

 

 このうち、「3.排泄手段の確立」に関して、中村さんは「下衣の上げ下げの動作におけるバランス保持が困難になりやすい」と述べ、その一因が既存のトイレ用手すりにあると指摘しました。これは、材質が硬い上に壁離れ寸法も6~8?しかなく、寄りかかりにくく、手放しで立位を保持し、下衣の上げ下げができないとのこと。この問題を解消するため、中村さん自らが考案し、商品化した支持型手すり「手すりの立人(たつじん)」が、排泄動作の自立や介助量軽減に功を奏していることを紹介しました。この「手すり立人」は、既存の手すりと異なり、壁離れを20?に広げるとともに、手すりに軟らかい素材を巻くことで握りやすく、寄りかかりやすい構造となっているもので、既に実用新案登録および商標登録済みとのことです。

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 最後に近年のリハビリテーションの考え方について言及し、日々進歩するリハビリテーションの理論や技術を、文献を収集するなどして学んでいく必要があると訴えました。(つづく) 

研修会開きました(リハ部会)その1

 (社)宮崎県老人保健施設協会リハビリテーション研究部会は91日、宮崎市のKITENビル大会議室で全体研修会を開きました。県内会員施設のリハビリテーションスタッフ等61人が参加しました。

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 最初の講演は「在宅復帰率30%を目指すリハビリ」。講師は同委員会委員長であるこんにちわセンター(都城市)の理学療法士、中村豪志さん。今年度の介護報酬改正の概要を踏まえ、在宅復帰・在宅療養支援機能加算を算定する要件となる”在宅復帰率30%“を達成するためのリハビリスタッフの役割について説明がありました。

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 「在宅復帰率」とは、「全退所者数」のうち、「『在宅復帰』された人数」の占める割合(つまり、「在宅復帰」された人数/全退所者数)で、今回の改正で死亡退所者が除かれるとともに、当該入所者が要介護4または5の場合、在宅生活期間が14日でも在宅復帰とみなされるようになりました。この在宅復帰率を高めるために中村さんは、

(1)関節可動域、筋力、バランス能力、日常生活活動能力、歩行能力などの身体能力を向上する

(2)記憶力、高次脳機能、コミュニケーション能力など、認知機能を向上する

(3)住環境の整備など、物理的環境を整備する

(4)家族の介護力強化など、人的環境を整備する

(5)フォーマルサービス、インフォーマルサービスなどを適切に利用し、社会環境を整備する

5つのポイントを示しました。

 一方、「在宅」とはみなされない(医療機関などへの)退所を減らす対策として、

(a)誤嚥性肺炎などの予防に努め、急変による(「在宅」以外の)退所を防ぐ

(b)転倒事故や感染症などを防ぐため、適切なリスクマネジメントを行う

2つをあげ、これらはリハビリスタッフだけでなく、老健に勤める全ての職種が一緒になって取り組まなければならないことを強調しました。(つづく)

全体会開催します(支援相談部会)

 (社)宮崎県老人保健施設協会支援相談研究部会は928日(金)14時から、宮崎市の宮崎観光ホテルで部会の第1回全体会を開催します。講師に財団法人潤和リハビリテーション振興財団潤和会記念病院の医師、櫛橋弘喜先生を招き、『医療依存度の高い高齢者への対応』と題し、講演をしていただきます。

 この全体会はどなたでも参加できます。参加費として老健職員は1500円が必要ですが、その他の方は無料となっております。

 くわしくはこちらをご覧の上、920日(木)までにお申し込み下さい。多数のご来場をお待ちしております。

 この全体会へのお申込みおよびお問い合わせは、介護老人保健施設しあわせの里の支援相談員、笠原 章寛(TEL0987-55-4800FAX0987-55-4507)までお願いいたします。

人材育成セミナー開きました(事務長会)その3

 続いて、管理者のマネジメントの重要課題として片腕の育成について学びました。宮野社長は新たな時代における複視経営に必要なものとして、優秀な管理者(リーダー)を育成し、中間職員(片腕)の定着をあげ、特に中堅職員が定着しなければ、サービスの質は良くならないと強調しました。

 片腕育成のマネジメントの仕方として、(1)課題を発見し、(2)片腕と考え、(3)目標を設定、(4)期限を決定し、(5)解決していく、という一連のプロセスを説明があり、その際に使用する「課題解決シート」や、具体的な行動計画「ステップ表」などに触れながら、具体的な手法が紹介されると、参加者はメモを取るなどして、聞き入っていました。

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 これらを踏まえて宮野社長は、「孤軍奮闘ではだめ。人間一人でできることはたかが知れています。いろんな価値観を持った人が意見を出し合って計画を立てるから、良い計画ができるのです。皆で課題を共有し、役割を持って解決していくからこそ、良いチームケアができるんです。皆さん次第です。ただし、重荷に感じることはありません。片腕の人と話し合って、一緒にいろいろやっていけば、二人が三人、三人が四人と増えていきます。頑張ってやってみて下さい。やれば確実に違いが出てくると思っていただいていいです」と呼びかけました。

 限られた時間の中ではありましたが、人を育て、組織を育てていく上で、具体的で実践的な内容の濃い講演となりました。(終わり)

人材育成セミナー開きました(事務長会)その2

 講師には日本化薬メディカルケア株式会社の宮野
茂代表取締役社長を東京からお招きし「人材育成のマネジメント ?職員をどうやって育てるか??」と題し、講演をしていただきました。

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 宮野社長は他にも社会福祉法人うらら副理事長や、東京都福祉サービス評価推進機構認定評価者、一般社団法人ホスピタリティ機構特別顧問、帝京大学薬学部非常勤講師なども務められる一方で、全国をまたにかけての講演も数多くこなされています。

 講演ではまず、マネジメントの基礎知識に始まり、福祉事業の基礎づくり(マネジメント)、管理者のスキルチェック、マネジメントスキル、組織マネジメント(目標管理)、目標達成のプロセスなどについて説明がありました。

 この中で、マネジメントスキルには次の通り3つの力と10の要素があるとのことでした。

【課題解決力】

(1)課題発見力:現状を分析し、本質的な問題を明らかにする力。

(2)論理的思考力:課題を的確にとらえ、論理的に考える力。

(3)実行力:課題解決・目標達成に向けて確実に行動する力。

【リーダーシップ力】

(4)状況把握力:ものごとの状況や関係性を理解し、適切に対応する力。

(5)指導力:他者に働きかけ、やる気にさせ目標に向かわせる力。

(6)自己コントロール力:自分の感情や行動をコントロールできる力。

【コミュニケーション力】

(7)話す力:自分の意見をわかりやすく伝える力。

(8)書く力:正確な記録や読みやすい報告文などが書ける力。

(9)聴く力:他者の意見を丁寧かつ正確に聴くことができる力。

(10)話し合う力:他者の意見をふまえ建設的な議論ができる力。

 

 また、組織マネジメント(目標管理)については、介護現場の管理者に「到達すべき目標設定」「計画作成」「管理(モニタリング)」を委ねることで、事業サービスの成果の最大化を目指す組織マネジメントが必要であるとのことでした。その中で管理者の役割として、次のようなことを学びました。

○ビジョンを提示し、「課題」「目標」に向かってチームメンバーをまとめ、勇気づけ、実現に向かって「やま」を登る。

○「課題」「目標」を解決するプロセスの中で必要となるコミュニケーションスキル(部下を「ほめる」「叱る」方法)を学ぶ。

○片腕と課題を共有して、一緒になって解決する。そのために片腕の育成と成長が不可欠。

○自分がしなければならないことを知る(整理する)とともに、片腕に仕事を割り当て、片腕と仕事の手順、計画、成果を合意形成するなどしてチーム作りをしていく。

 これらを踏まえて、宮野社長は「管理者が常に目標・課題を意識して行動しているかが非常に大事!」と強調されました。(続く)

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