協会活動報告

研修会開きました(ケアプラン部会:その2)

 午後からは、7つのグループに分かれて事例検討を行いました。老健施設の入所者という前提で、まず、入所に至る経緯や現在の病状、ADL状況、精神状態、本人や家族の意向などの情報について、グループごとに読み込みを行いました。続いて、司会役となった受講者を中心に援助の方針や解決すべき課題、援助目標、そして援助内容などを話し合い、施設サービス計画書を作り上げていきました。

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 それぞれのグループには、高齢者ケアプラン部会の各委員がつき、必要に応じて助言を行いました。「利用者の命と暮らしを支えたい!」という熱い思いの受講者も多く、委員も交えて濃密な意見のやりとりが会場のあちこちで見られました。

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(↑納得いくまで話し合い、プランを作り上げていきました)

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【新委員の竹内詠規さんは、しあわせの里に勤める大ベテラン。的確なアドバイスに受講者も納得】

 研修会の最後は、各グループが作成したサービス計画書の発表会。いずれの計画書も、各グループの思いが込められた素晴らしい内容で、グループの代表者が発表を行うと、受講者達は、自分たちのプランとの相違などについて、熱心に聞き入っていました。

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(いずれのグループもすばらしいプランが出来上がり、会場からは拍手!)

 長丁場の研修会でしたが、実践的で内容の濃いものとなっただけでなく、受講者同士での意見や情報のやりとりも盛んに行われ、交流の輪が広がる充実した一日となりました。

研修会開きました(ケアプラン部会:その1)

 (社)宮崎県老人保健施設協会高齢者ケアプラン部会は714日、宮崎市のJAAZMホールで包括的自立支援プログラム策定研修会を開きました。

 今回の研修会は、ケアプランを策定したことがない人や、今ひとつ自信がない人、疑問や質問を抱える人などが対象。参集範囲を会員施設外にも拡大し、会員施設や特別養護老人ホームなどから42人が受講しました。

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 午前中はまず、部会委員の紹介に続き、帳票類の説明とサービス計画書の記入に関して同部会の原貴子委員(相愛苑)が説明を行いました。「ケアプランは契約書。絶対的になくてはならないものです。必ず実行するという確約であり、実行しなければ契約違反です。みなさんはそれが作れるプロでなくてはなりません」と前置きした上で、 (a)要介護認定と連動している、(b)具体的ケアを検討する「ケアチェック表」を活用し、ケアがスタッフや家族にわかりやすい、(c)在宅での使用を想定しており、社会的要因が抽出可能・・・など、包括的自立支援プログラムの特徴を示しました。また、ケアチェックを行い、解決すべき課題の優先順位を検討する上で、(1)緊急度(生命に関わること、痛み、身体的苦痛)、(2)必要度(本人および家族希望、介助量の軽減、ADL維持)、(3)実現可能性(在宅生活維持、将来的に解決すべき課題、QOLの向上)・・・に留意して決定するようポイントを説明しました。

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 続いて施設サービス計画書の記入方法については、それぞれの書類の整合性がとれていることが大事であるとしながら、ニーズの記載方法について「『○○したい』、『○○できるようになりたい』などと、その人の思いをくみ取り、その人が前向きになるような表現をすることが”ポジティブプラン”につながる」と説明すると、受講者はメモを取るなどして聞き入っていました。

(つづく)

サルコペニア学びました(栄・給部会研修:その2)

 講演の後、(社)宮崎県老人保健施設協会栄養・給食部会の船ヶ山 塁副委員長が、同部会の平成23年度事業報告および決算報告、そして平成24年度事業計画および予算について説明。引き続き、研究発表が行われました。

 この研究発表は、去る316日に宮崎市で行われた 第9回(社)宮崎県老人保健施設協会研究大会の中で発表されたものを、会員施設の栄養スタッフが多数集まった今回の研修会の中で、改めて発表したものです。

 はじめに、サンフローラ宮崎の荒川直美さん(下の写真)が「利用者様に喜ばれる新メニュー導入への取り組み」と題し発表。利用者に今まで以上に喜ばれる食事を提供しようと調理勉強会を行い、食べやすく目新しい利用者に提供したところ、好評を博し、残食量も減っただけでなく、調理手順などが職員間で共有できるなどの成果が上がった事例を紹介しました。

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  続いて、長寿の里の村尾理絵さん(下の写真)が「安心して食べられる食事を?なめらか食?を導入して」と題し発表。昨年6月から約1年の期間をかけてなめらか食の完全導入をめざし、作業行程の改善や栄養面の充足などについて、スタッフで勉強会を開催。イベントで試食をしてもらうなどの取り組みを繰り返しながら成果を上げてきた経過を報告しました。

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 最後にグループワークを行いました。各施設における栄養・給食部門における意見や情報を交換し合い、明日からの業務に役立てようと、各グループとも、熱心な発言が相次ぎましました。あいにくの悪天候でしたが、内容の充実した有意義な研修会となりました。

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(↑和気あいあいの中にも真剣な意見が交わされたグループワーク)


(終わり)

サルコペニア学びました(栄・給部会研修、その1)

 (社)宮崎県老人保健施設協会栄養・給食研究部会は712日、宮崎市のひむか苑で研修会を開きました。県内の会員施設などから30人が参加し、リハビリテーション栄養の大切さを学びました

 今回の研修会に取り上げたのは「サルコペニア」。高齢者の自立を妨げる大きな要因とされ、栄養障害が原因の一つとされるこのサルコペニアについて、正しい知識を身につけようと、ネスレ日本株式会社九州支店の木元太一郎さん(下の写真)を鹿児島から招き、講演をしていただきました。

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 サルコペニアとは、狭義には「加齢に伴う筋肉量の低下」、広義には「すべての原因による筋肉量と筋力の低下」を言うとのこと。しかし、日本ではあまりその名は知られて折らず、ネットで検索したヒット件数で比べると、「高齢化」が約1,440万件、「認知症」が約268万件、「骨粗鬆症」が約617千件なのに対し、「サルコペニア」は約19千件しかヒットしないそうです。

 ところが、「四肢や体幹のサルコペニアは寝たきりを引き起こし、嚥下筋や呼吸筋もそれぞれの障害を引き起こすリスクがある」との説明に、参加者は驚きの表情を見せていました。それだけでなく、65歳以上の高齢者の3人に1人、つまり約850万人がサルコペニアと推定されているのだそうです。このサルコペニアへの対応として、筋トレや早期離床、疾患管理に加え、木元さんは「適切な栄養管理が大事」と強調されました。

これを踏まえ木元さんは、「高齢者はたんぱく質摂取量が減少している」、「ロイシン摂取により筋たんぱく質の合成が促進される」、「脂質・糖質からのエネルギー(Non Protein Calorie)が十分な場合は、たんぱく質が体たんぱく質が合成に使われるが、十分でないと、たんぱく質がエネルギー源に使われる上、代謝産物が腎糸球体のろ過機能に負担をかける」「ビタミンDの摂取により、転倒、骨折が減少する」など、具体的な栄養管理の方向性を示されました。

講演のおさらいとして木元さんは、

(1)サルコペニアとは、加齢に伴う筋力・筋肉量減少である

(2)サルコペニアの予防・改善には体動と栄養が必要である

(3)高齢者の体組成の特徴は、筋肉が減って脂肪が増える傾向がある

という3点を強調されました。

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 参加者はメモをとるなどして、熱心に聞き入っていました。高齢者の自立を栄養面から支援する、リハビリテーション栄養の大切さを学ぶ貴重な機会となりました。(つづく)

九州大会日程変更しました(重要)

  「第14回九州ブロック介護老人保健施設大会inみやざき」につきましては、先だって平成25530日および31日の開催を予定している旨告知しておりましたが、事情により、平成251114日(木)および同15日(金)に変更し、開催することとなりました。開催場所は宮崎観光ホテルのまま変更ありません。

 会員施設へは4月19日付文書(全老健宮支部24-1)にてご案内しております。詳しくはこちらをご参照いただきますようお願いいたします。

 

こちらも必読「老健4月号」

 昨日は当協会発行の「老健みやざき 25号」発行のお知らせをいたしましたが、本日は公益社団法人全国老人保健施設協会発行の「老健 平成244月号(Vol.23 No.1)」を紹介します。

 同号では「進めよう口腔ケア」題して、口腔ケアの特集が組まれています。平成24年度の介護報酬改定で「口腔機能維持管理加算」が新設されたことを受け、口腔ケアを巡る背景や現状、そして今後の展望を踏まえ、全国24県の老健施設による口腔ケアの実践例などが紹介されています。その中で、口腔ケアは特定のスタッフによる関わりだけではなく、多職種による連携の重要性が説かれていますので、老健に勤務されている方は、職種を問わず是非なるご一読をお勧めいたします。

また、特集記事とは別に、日本歯科衛生士会の金澤紀子会長のインタビューも掲載されています。それを読むと、歯科衛生士の現状と課題、さらに口腔ケアにおける歯科衛生士の役割などが理解できる内容となっています。

 「老健みやざき 25号」の巻頭は、当協会が316日に開いた第9回研究大会の特集記事ですが、ひとえ歯科クリニックの宇都仁惠先生にお話しいただいた、口腔ケアに関する特別講演の概要が主な内容となっています。その講演会場でも、参加された方々の口腔ケアへの高い関心が寄せられていました。両者を併せてお読みくいただくことで、口腔ケアへの理解がより一層深まるのではないかと思います。

「老健みやざき」発行しました

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 当協会が年2回発行している広報誌、「老健みやざき 第25号」がこのほど出来上がりました。近日中に会員施設を始め、関係機関の皆様のもとにお届けする予定です。ご笑覧いただければ幸いです。

 今回の「老健みやざき」のトップ記事は、316日に当協会が開いた、第9回研究大会の特集。これに続き、協会各研究部会等による研修会報告、そして会員施設の各職種の皆様による「リレーコーナー」さらに、シルバーケア新富の栄養士、織田政子さんによる「人気のおすすめメニュー」と続きます。

 なお、「老健みやざき第25号」は、当ホームページからも閲覧・ダウンロードできるようにする予定です。どうぞお楽しみに。

研究大会開催しました(レク研究発表)

  6時間にわたる研究大会の最後を飾ったのは、「レクリエーション研究発表」。これは、それぞれの老健施設で行われる各種イベントの際、利用者やご家族、さらには地域住民に喜んでもらおうと、役職員が日常業務にまさるとも劣らない情熱を注いで取り組んでいるアトラクションを披露し、そのノウハウを伝授しようというものです。分科会に散っていた参加者も再び一堂に会し、会場の熱気は最高潮に達しました。

 この日発表を行ったのは、青島シルバー苑、ことぶき苑、春草苑、シルバーケア野崎、そして慶穣塾の5施設。踊りあり、太鼓あり、パフォーマンスあり。どの発表も視覚、聴覚、そして「感動覚」をすこぶる刺激するもので、参加者は写真やビデオを撮るなど、熱心に見学していました。

 「利用者の心を元気にしたいんです!」と、ある施設の代表者がマイクを握りしめて言われていました。この言葉からもわかる通り、どの施設も利用者のQOLを向上させようと、レクリエーションへの取り組みは真剣そのもの。日々多忙な業務の合間を縫っての練習は、さぞかし大変であったろうと察する一方で、同時に各施設におけるスタッフの連携の良さもひしひしと伝わってきました。

 

IMG_1998.JPG春草苑の「万歳三唱クラブ」による発表。さまざまなフォーメーションで繰り広げる「バンザーイ」は、喜びを何百倍にも増幅させる迫力でした!

 

 

 かくして40施設から310人が参加して開かれた第9回社団法人宮崎県老人保健施設協会研究大会は盛会の裡に幕を閉じました。各運営スタッフとも、それぞれの所属施設で業務をこなしながらの準備でしたので、いたらぬ点も多々あったかとお詫び申し上げます。

 先日もお知らせしましたが、来年(平成25年)は、「第14回九州地区介護老人保健施設大会inみやざき」が、530日(木)と31日(金)の2日間、が宮崎観光ホテル(宮崎市)で開催されます。県内だけでなく、九州各県から約1,000人の老健役職員を招いての大会を成功に導こうと、すでに準備を始めているところです。今回の研究大会での反省点を踏まえ、よりより大会にしていきたいと考えておりますので、今後とも協会へのご理解、ご協力方お願いたします。

研究大会開催しました(研究発表)

  特別講演に続いて行われたのは、各会員施設の職員による研究発表です。各々の職場で生じた様々な問題や疑問に、各専門職種が連携して解決への糸口を探求し、試行錯誤を繰り返しながら問題を打開していった一連の過程をまとめ上げて発表された演題数はなんと39!これは今までの大会の中で最多となるもので、いずれの老健施設でも、利用者お一人おひとりを思いやり、より良いケアを提供しようと、日々邁進していることの表れだと言えるのではないでしょうか。

 研究発表は8つの分科会が4つの会場に分かれて行われました。第2分科会の「看護・介護」の部では、トトロみのる園の看護職、波越明美さんが、「入所者の急変時対応を見直して」と題し、急変時の対応の流れと施設間の連絡システムを見直した結果、状態把握と早期対応の向上や、業務の効率化などにつながった事例を報告しました。

 第3分科会の「リハビリテーション」の部では、ひむか苑の作業療法士、廣瀬裕佳さんが、「塗り絵を通して見えてくる認知症高齢者の心理」と題し、治療的作業活動としての「塗り絵」を導入し、色彩心理の観点から観察、評価を行った結果、利用者が無意識に選択する色を通して、完成までの心理的傾向が推測できたことに加え、その色によるセラピー効果も導き出せたことを報告しました。

 第4分科会の「介護」、「栄養」の部では、サンフローラみやざきの介護福祉士、井上和幸さんが、「もう一度母さんの声が聞きたい」と題し、経管注入食の利用者が、経口摂取へ移行したことをきっかけに、本人の表情に変化が現れただけでなく、家族もケアに積極的に関わることで、あらたな生きがいを見出すようになった事例を発表しました。

 第8分科会の「支援相談」「事務」「介護支援専門員」の部では、しあわせの里の支援相談員、笠原章寛さんにより、「施設のイメージと評価」と題し、通所リハビリテーション利用者獲得の一環として、居宅介護支援事業所のケアマネージャーから聞き取り調査を実施し、その結果をもとに自分たちの仕事を見直し、各職種における対策の立案、実行を行ったところ、居宅ケアマネとの関係が深まり、新規利用者を紹介してもらえるようになるなどの成果が現れた取り組みが報告されました。

 いずれの分科会でも会場からは熱心な質問や意見が相次ぎました。それぞれの老健施設や職種が抱える悩みや問題を共有するとともに、優れた取り組み事例からその解決策を学ぶ貴重な機会となりました。

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