協会活動報告

アンケート結果報告アップしました(在宅支援部会)

 当協会の在宅支援研究部会が作成した「平成28年度在宅復帰等に関するアンケート集計結果報告」を下記の通りアップしました。

 このアンケートは県内会員老人保健施設を対象に実施したもので、各施設における平成28年1月から平成28年12月にかけての(1)退所先の状況、(2)延べ人数、(3)入退所者数、(4)要介護度別の人数などについて調査、集計、回答を依頼したものを、同部会でとりまとめたものです。

 こちらから閲覧・ダウンロードしていただき、ご活用下さりますようお願いいたします。

(1)アップロードした内容:「平成28年度在宅復帰等に関するアンケート集計結果報告」

(2)ファイル名、サイズ:「平成28年度在宅復帰等に関するアンケート集計結果報告.pdf」、827KB

(3)閲覧・ダウンロード:当協会ホームページ「協会の情報公開(http://miyazaki-roken.jp/joho)」からお進みいただくか、直接こちらから閲覧・ダウンロードして下さい。

(4)このアンケート集計結果報告に関するお問い合わせ等は介護老人保健施設長寿の里、事務長、齋藤恵太(電話0987-74-1010)までお願いいたします。

介護報酬改定対セミナー開きました(事務長会:その5)

 セミナーの最後に介護保険外サービスおよび混合介護について説明がありました。現在の介護保険外サービスの提供状況や、利用しているもしくは利用してみたい介護保険外の介護サービス、来年度実施予定の混合介護のモデル事業、混合介護が実現した場合に想定される同時一体的提供サービスの組み合わせパターンについて紹介した後、そのメリットについて次のように解説がありました。

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【保険給付と保険外サービスの柔軟な組み合わせに関するメリット】

《利用者》

○今まで介護保険内サービス中に以来できなかったことを依頼できる。

○介護保険内サービスと同時に依頼することで、時間を有効に使うことができる。

《ご家族》

○家族等のためのサービスを享受することができる。

○仕事に専念する時間が増加する。

《サービス事業者》

○新たな収入を得ることができる。

○利用者・家族等の満足度を向上することができる。

《ヘルパー》

○新たな仕事ができることで、仕事が増える。

○収入が増える(処遇の改善)

○業務の効率化に寄与する。

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 これらを踏まえて小濱介護経営事務所の代表、小濱道博先生は底辺から頂点に向けて「ふれあいサロンの展開、経営者の地域活動への積極的な参加」→「総合事業サービスA」→「介護保険サービス」→「介護保険外サービス」と積み上がる三角形からなる「介護保険サービス、介護保険外サービス、総合事業サービスAのワンストップサービスの構築」というスライドを示し、「ワンストップサービスをどう構築するか?この三角形をどうやってつくるか?どうやって地域に認知してもらうか?そのためには地域に根付くことが大事です。ふれあいサロンを展開したり、経営者が地域活動へ積極的に参加したりすることで有償ボランティアの獲得ができるようになります。すると総合事業が展開できます。要支援の方々を囲い込むと時間が経てば要介護になり介護保険サービスにつながりますし、一定以上の人は保険外サービスも使えます」と説明。さらに在宅強化型老健施設やリハビリテーション加算(Ⅱ)への取り組みを改めて訴え「みなさんがやっているすばらしいサービス、すばらしいリハビリを外の人に教えて欲しいと思います。必要としている人達がみなさんのことを知りません」と繰り返しました。

 最後のスライドに小濱先生が示したのは「ダーウィンの進化論」という一枚。「最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるものでもない。唯一生き残るのは、変化できる者である」という言葉を紹介しながら、「みなさんの伸びる要素はあります。制度が変わればみなさんも変わらないといけません。今度の改訂を新しいチャンスととらえ、これからどうするかを考えていって下さい」と呼びかけると、会場からは感謝の拍手がおくられました。

(※)小濱先生の最新の著書「まったく新しい介護保険外サービスのススメ」が2月17日、翔泳社から出版・発売中です。

(おわり)

介護報酬改定対セミナー開きました(事務長会:その4)

 小濱介護経営事務所の代表、小濱道博先生は「2016年の倒産は過去最悪のペースです」と言いながら「介護の倒産」に関するスライドに示し、 (1)倒産件数は108件でそのうち、最も多かったのが訪問介護で48件、次いで通所介護で38件、有料老人ホームは11件でいずれも前年より増加、(2)小規模かつ新規事業者が倒産を押し上げている(全体の7割)。小規模で参入間もなく資金調達力や体制が未整備の新規事業者が淘汰される、(3)原因別では「販売不振」が69件(前年35件)とほぼ2倍増で同業他社との競争が激しさをましている・・・などの特徴を説明しました。そしてその原因として「同業他社との競争激化から経営力が劣る業者の淘汰が進んだ」、「介護報酬の実質マイナス改定による収益への影響」、「介護職員不足の中で離職を防ぐための人件費が上昇」の3つを上げました。そのうち介護職員不足については「処遇改善加算がキーになってきます」と指摘しました。
これに加え医療系サービスの不振についても「特養、老健も空床が非常に目立ってきました」と話し始めました。「特養も3年前は52万人待機者がいましたが、今は空いても埋まりません。埼玉県の特養が廃業したという話もありますが、特養は特に高齢者住宅が確実に競合先になっています。金額はあまり変わりませんから同じ金を払うなら新しい方を選ぶわけです」と特養と高齢者住宅と競合している実態に触れながら説明しました。
さらに「デイケアもデイサービスとわからなくなっています。外からみたら違いがわかりません。そのためケアマネジャーもデイサービスを選ぶし、利用者もデイケアが高いからやめます。ケアマネジャーや一般の人達に皆さんがやっているリハビリの素晴らしい結果を出さないといけません。短期集中リハビリテーションで利用者がどのように良くなったか?半年で目標を達成できた!などを伝えないといけません」と医療系サービスには結果が求められるとともに、それを外にPRすることの重要性を受講者に訴えました。

(つづく)

介護報酬改定対セミナー開きました(事務長会:その3)

 事務長会が2月26日開催した介護報酬改定セミナー。講師の小濱介護経営事務所の代表、小濱道博先生の講義はこのほか、(1)福祉用具貸与に係る全国平均貸与価格の公表や福祉用具専門相談員の説明と複数商品提示の義務づけ、適正貸与価格確保のための上限設定、(2)介護人材のすそ野を広げ、介護未経験者の参入を促進するための入門的研修の導入、(3)更新認定有効期間の上限を36か月に延長することを可能とすることをはじめとする保険者の業務簡素化などについても説明がありました。

 続いてスライドに「介護、回復・自立に軸足 首相表明 改善なら報酬上げ」という日本経済新聞の記事(平成28年11月11日付け)を示しました。そして「今の介護サービスの価値観は『お世話』が中心でしたが、今後は『回復・自立』に軸足を移すということです。介護保険法の中で『回復』という役割が位置づけられているのは医療系サービスだけです。訪問介護やデイサービスには『回復』はありません。直接影響を受けるのは皆さんの所です」と受講者を見渡しながら言い添え、「老健は在宅強化型老健施設や在宅復帰・在宅療養支援機能加算算定施設が重視されます。訪問リハビリや通所リハビリは社会参加支援加算が重視されますしデイケアの生活行為向上リハビリテーション実施加算も重視されます。たとえば風邪をひいたりインフルエンザになったりして病院に行って薬や点滴、注射などで何日かたって治ったらその後は病院に行きません。リハビリも一緒です。『自分で料理ができるようになる』など改善の目標を立てて、半年後に料理ができるようになったら風邪が治ったのと同様にデイケアは行かない、ということになります。だから社会参加支援加算がでてきたわけです」と老健の本来の使命である在宅復帰、社会復帰の役割がますます重要になり、そのための準備が急務だと訴えました。

(つづく)

介護報酬改定対セミナー開きました(事務長会:その2)

 「介護保険制度の見直しに関し、最大の問題点は財政的インセンティブ付与です」と小濱介護経営事務所の代表、小濱道博先生は会場を見渡しながら話しました。「介護保険制度の見直しに関する意見(概要)平成28年12月9日」というスライドをもとに「一年間に認定が更新された利用者のうち、介護度が一定以上いるなど成果を出した市町村には国から補助金がもらえるわけです。どこの市町村も補助金はほしい。そのためにはどうするかというと、介護度を下げればいいわけです。懸念されるのは認定基準を厳しくするということです。これは何年も前から指摘されていたのですが、全国の市町村で重度の認定を受けやすいところもあれば、受けにくい市町村もあるなどバラバラです。介護度が下がれば補助金がもらえるわけですから認定基準が厳しくなることが想定されます。それだけでなく介護給付総額が減ることも評価対象とされます。ということは実地指導が厳しくなるということです」との見解を示しました。

 また昨年8月31日に開かれた第62回社会保障審議会介護保険部会の中でデイケアとデイサービスの一体化に関する言及があり、結果として一体化は困難となったことに触れ、「なぜこの話が出たかというと、両者の違いがわかりにくいわけです。居宅のケアマネジャーもわからなくなっています。介護報酬はデイケアが高いので安いデイサービスで十分だ、とデイケアに回さないということもあります」と述べ、今回の見直しでデイケアにおけるリハビリテーション専門職の配置促進や短時間のサービス提供の充実が検討されていることが説明されました。そして現在(Ⅰ)と(Ⅱ)があるリハビリエーション加算については「将来的には加算(Ⅱ)に一本化されます。それなら加算(Ⅱ)をとらなければいい、というわけにはいきません。リハビリテーション加算(Ⅱ)がとれないと他の加算はほとんどとれなくなると思います」とし、さらに「医療保険のデイケアは2時間が多いのに、なぜ介護保険のデイケアは6時間から8時間が多いのか?ということで、デイケアは短時間のものにシフトされていくことが想定されます。短時間の報酬をアップし、長時間は引き下げられます。一気に6~8時間をなくしはしないでしょうが不利になると思います。時間区分を設けてリハビリは特化され、結果主義になるでしょう。半年で成果を出して卒業してもらい社会参加、というのが重視されると思います」と続け、生活行為向上リハビリテーション加算についても「次の改正でとらないとまずいな、ということになります」と述べました。

 さらに在宅強化型老健への取り組みについても「介護報酬はできたときにはとらなくてもいいが、次の時に厳しくなり、その次でさらに厳しくなります。30年の改定ではとらないと厳しいかな、ということになりますので、強化型をとることが急務になっています」と会場を見渡しながら強調しました。

(つづく)

介護報酬改定対セミナー開きました(事務長会:その1)

 (公社)宮崎県老人保健施設協会事務長会は2月26日、宮崎市の宮日ホールで介護報酬改定セミナーを開きました。96人が受講し、介護保険法改正および介護報酬改定の動向などについて学びました。

 研修会の講師は小濱介護経営事務所の代表、小濱道博先生にお願いしました。小濱先生はC-MAS介護事業経営研究会の最高顧問やC-SR一般社団法人医療介護経営研究会専務理事、NKK一般社団法人日本介護研究会専務理事なども務められており、全国対応で介護経営支援を手がけておられます。また全国で年間250件以上の介護事業経営セミナー講師をこなされるほか、著書(※)や連載も多数出され、介護経営支援に日々精力的に活躍されています。この日はそんな激務の中、はるばる札幌市よりお越し下さいました。

(※)小濱先生の最新の著書「まったく新しい介護保険外サービスのススメ」が2月17日、翔泳社から出版されました。

 講演ではまず介護職員処遇改善加算について説明があり、来年度から創設される新しい区分を4月から算定するためには4月15日までに計画書などを届け出れば4月1日にさかのぼって算定可能として、早めの準備を呼びかけました。そして処遇改善加算におけるキャリアアップの仕組みや算定要件について説明。特に新設の「キャリアアップ要件III」について「事業所内で(1)経験年数、(2)資格、(3)事業者内での評価・・・のいずれか(組み合わせも可能)に応じた昇給(基本給、手当、賞与などを問わない)の仕組みを設ける」、「就業規則などの明確な根拠規定の書面での整備」、「全ての職員への周知」・・・などについて具体例や注意事項を示しながら詳しく解説しました。

 続いて介護報酬の改定率の推移や平成28年度介護事業経営概況調査、そして介護療養病床にとってかわる介護医療院、利用者の自己負担割合の見直しなどについて説明がありました。また新しい介護報酬加算として検討されている介護ロボットやICT(インフォメーション アンド コミュニケーション テクノロジー)についても言及がありました。そして地域共生社会実現の推進のために新しく検討されている共生型サービスについては、今年の夏場頃に全体像が見えてくるとのことでした。

 これに続き「有料老人ホームに係る指定の取り消し等に関する事項」をスライドに示しました。都道府県から有料老人ホームの設置者に対して事業の制限または停止を命じた旨の通知を受けた市町村は、「指定地域密着型サービス事業者に係る指定を取り消し、又は期間を定めてその指定の全部もしくは一部の効力を停止する」ことができるようになった点に触れ、受講者に注意を促しました。

(つづく)

「R4システム」触れて学びました(ケアプラン部会:その2)

001IMG_0628 山野先生は(1)R4システムがこのICFステージングで誰でもが利用者の変化を簡単に評価できる、(2)そのことにより介護やリハビリの質、そしてスタッフの意識向上にも役立つ、(3)ICFステージングは医療と介護の連携の共通言語(共通の物差し)となりうる、(4)R4システムを理解し、使うことで在宅復帰・在宅支援がよりスムーズにできる・・・とR4システムの有用性を強調しました。002IMG_0625

 これを踏まえて、R4システムのねらいやメリット、特徴などについて学んでいきました。R4システムが「利用目的の明確化により在宅復帰につながり、自立支援・社会参加を促進する」、「ICFステージングは『穴埋め型介護』ではなく、利用者の『していること』に着目した『自立支援型介護』の実践に役立つ」、「他職種協働でのケアプラン作成を支援し、実効性のあるケアやケアマネジメントの質の担保ができる」、「利用者の自立につながるケアは介護のやりがい、職員のモチベーション向上に寄与し、離職率低下が期待できる」などといったR4システムの特徴を目の当たりにし、受講者は同システムに高い関心を示していました。004IMG_0637003IMG_0630

 R4システムの導入にあたっては(1)「長」が決断する、(2)最初からR4システムのすべての機能を使おうとする必要はない、(3)ICFステージングはみんなが使えるように常々慣れ親しむように、(4)ケアマネはとにかくパソコンのR4システムをいろいろ触って機能に慣れる・・・という4つのポイントがあるとのことでした。005IMG_0619

 このようにR4システムを活用したケアを提供しながら、地域包括ケアシステム実現のための老健のあるべき姿として山野先生は「長期療養機能」、「中間施設機能」、「在宅復帰機能」、「ショートステイ機能」、「認知症ケア強化機能」、「医療提供施設」、「ターミナルケア機能」、「緊急ショートステイ機能」、「強化型通所リハ機能」、「薬剤適正化機能」、「在宅医療バックアップ機能」、「アウトリーチ機能」、「リハビリ強化機能」、「地域包括ケア拠点機能」、「自己実現機能」、「自立支援機能」・・・の16の機能をスライドに提示。これらを組み合わせながら利用者の多様なニーズに対応できる地域包括ケアのハブとしての老健であるべきと訴えました。

 さらに底辺の「施設理念・組織力・教育力」から順に「チームワーク」、「職員の資質(技術・知識・意識)」、「生活課題などの情報共有」、「ケアプラン、リハ計画」、「他職種での協業」と積み上がり、頂点の「目標達成」で構成される「目標達成のためのチームピラミッド」を図示し、「皆で目標を達成するためには、プランの内容も大切だが、施設の質の向上、人材育成などの基礎部分も重要」と言い添えました。006IMG_0645

 最後に「平成30年改訂に向けて、さらに平成36年改訂に備えて、そして地域包括システムの中核となるように頑張っていきましょう」と呼びかけると、受講者からは感謝の拍手がおくられました。

※この全老健版ケアマネジメント方式「R4システム」ファイルは全老健ホームページからダウンロードできます。

(おわり)

「R4システム」触れて学びました(ケアプラン部会:その1)

 高齢者ケアプラン研究部会は2月25日、JAアズム別館でリーダー研修会を開きました。R4システムを学ぼうと33人が受講しました。001IMG_0598

 開会にあたり、介護老人保健施設ひむか苑施設長で当協会の櫛橋弘喜会長が挨拶を行いました。002IMG_0587004IMG_0584

 全老健版ケアマネジメント方式「R4システム」は公益社団法人全国老人保健施設協会(全老健)が老健でのケアを老健の理念にかなったものにするべく開発され、2010年11月に産声をあげました。「老健」の頭文字「R」、そして4つのくくりが随所に出てくることから「R4システム」と命名されました。老健が老健らしくあるためにいかにケアを提供したらよいか、そのためにケアプランはどのようにすべきか、ケア実施にあり方や評価、モニタリングのしかたはいかにあるべきか?などがR4システムには盛り込まれています。

※この全老健版ケアマネジメント方式「R4システム」ファイルは全老健ホームページからダウンロードできます。

 同部会ではこれまでも「R4システム」に関する研修会を実施した経緯がありますが、今回は初めて「R4システムを実際に『触れて学ぶ』」形式をとりました。開催に当たってはNDソフトウェア株式会社様のご協力を得て、受講者実習用パソコン20台を用意しました。

 講師は全老健ケアマネジメント部会委員を務められている和歌山県の医療法人明成会介護老人保健施設紀伊の里の施設長、山野雅弘先生にお越しいただきました。山野先生は全老健の管理運営委員委員長や人材対策委員会委員も務められています。著書や多くの執筆活動、そしてこのR4システムの普及のため全国を精力的に飛び回っておられます。そんなご多忙の合間を縫って来県下さった山野先生による研修会は「R4システムに関する研修会~ICFステージングをマスターしよう~」というテーマで進められました。003IMG_0593

 ICFステージングは、全老健が独自に開発した利用者の心身機能評価ツールです。利用者の心身機能が改善したか?悪化したか?に関し、14項目の心身機能(「できるか?」ではなく「行っている事実」)を1~5で簡単に評価・記録することができるICFステージングは、全職員が使え、ケアの質の向上にも役立つだけでなく、評価の質の向上につながるマネジメントシステムを構築することで、根拠に基づいたケアの実施が期待でき、自発的で多様なアプローチも可能になるそうです。医療の世界では根拠に基づいた医療(EBM)が当然になっている一方で、介護の世界では客観的な利用者目線の指標がないことから「介護の質の評価に挑む」ため、ケア側の主観が入らない客観性のある指標を設けたのがICFステージングの意義であるとのこと。受講者は「基本動作」や「社会参加」、「歩行・移動」、「認知機能」、「食事」など各項目における指標や判断基準がICFステージングに明示されていることを実際にパソコンを操作しながら確認していました。このICFステージングはイラスト付きの解説により、職員が判定しやすいだけでなく、利用者や家族にも大変わかりやすいように工夫が施されていました。005IMG_0634

 さらに生活リハビリ視点でのICFステージングは、ケア介入前後の状態像の変化や継時的な変化についても、折れ線グラフやレーダーチャート、そしてイラスト、などにより客観的で簡単に把握できるようになっていました。「日常的にしていること」と「やればできること」の対比がわかり、リハビリの目標が設定できたり、現時点のICF Standingを知って自立支援のきっかけにできたりするなどの利点があるとの説明に、受講者はこれまでの自施設でのやりかたと比較しながら興味深く見入っていました。006IMG_0612

(つづく)

完成しました!「『介護の仕事』PRパンフ」

  「『介護の仕事』PRパンフレット」が完成しました!001介護の仕事パンフ2016年度

 このパンフレットは「地域医療介護総合確保基金」に関わる宮崎県の委託事業として当協会が昨年度より取り組んでいるもので、増加する介護ニーズに対応すべく、地域住民や学校の生徒などに対して介護の仕事に対する理解促進およびイメージ向上をはかり、介護人材のすそ野を広げ、介護従事者の確保をはかることが目的に昨年度より作成しているものです。

 今年度は介護の魅力がより伝わりやすくするため、昨年度と装いを一新。マンガ形式としました。タイトルも「介護が教えてくれたこと。~マンガでわかる『介護のしごと』」。4人の現役介護福祉士にインタビューした介護の仕事の素晴らしさをマンガに仕立てるとともに、「介護の先輩」としての立場から本人のコメントも紹介しています。002介護の仕事パンフ2016年度_02

 また介護の仕事の内容や介護福祉士になるためのプロセス、養成校などの情報も掲載するなど、介護の情報満載の一冊となっています。県内に45ある介護老人保健施設の情報も載せていますので、実際に介護の現場を見学したり直接介護のプロから話を聞いたりするのにも役立つパンフレットです。003介護の仕事パンフ2016年度_03

 「介護が教えてくれたこと。~マンガでわかる『介護のしごと』」は県内の学校等に配布するほか、当協会ホームページからも閲覧・ダウンロードしていく予定ですのでお楽しみに。004介護の仕事パンフ2016年度_06

「食べられる口」学びました(リハ部会研修会:その3)

001BQ8V8293 2月18日(土)にリハビリテーション研究部会が開いた第2回研修会「食べられる口を目指して」。後半の講師は介護老人保健施設メディケア盛年館の管理栄養士、小林真喜子先生。小林先生からは症例を通して栄養マネジメントや経口維持加算に取り組むことで多職種との連携がとれるようになり、誤嚥性肺炎を起こすことなく経口摂取が継続できているとの紹介がありました。

 自分の体重管理はどうしてますか?ということで、何を基準にすればよいのか。質問1、最近、血糖値が気になるAさん、体重も年々増加傾向です。とうとう医師からダイエットをいいわたされました。管理栄養士の指導のもと、食事記録をつけて指定のカロリーを守っているはずなのに瘦せません。どうしてでしょうか。答え、食事記録に書いた食事量より、実際に食べた量のほうが多いと思われるから。詳細の何グラムかの食材かや外食などでの記録は難しいところもあり、また間食などや無意識以外のものは書き漏れたりする場合がありますので、違いがでてくるのではないでしょうか。002BQ8V8302

 質問2、どうしても1日当たりの摂取カロリーが知りたいと思ったAさんはできるだけ正確に1週間分の食事記録をつけてみました。ところが、それを基に管理栄養士が算出した数値をみて、Aさんはびっくりしています。それはいったいなぜでしょうか。答え、予想以上に、日によって摂取カロリーに違いがあったから。 同じ人でも、食べる量は毎日変わる。普段と同じ食事をしているつもりでも食材や調理法によってカロリーが多かれ少なかれ変わります。数日程度の食事記録からその人の食習慣や平均的な摂取カロリーを把握するのは難しいところです。それでは、自分にとって適正なカロリーをどのように判断すればよいのか?というと自分の「体重」で判断するのがわかりやすいと思います。自分の体重が適正かどうかはBMIを指標にします。(標準:18.5~25未満)。

 話題のダイエットとして、カロリー制限や糖質制限がありますが、摂取カロリーと消費カロリーの大小でカロリー制限はダイエットにつながります。糖質制限では、まず糖質で太るのは体に糖質が入ってきた時に分泌されるホルモンのインスリンが、エネルギーとして使いきれなかった栄養分を、体脂肪としてため込んでしまうから。糖質をとらなければ、脂肪の蓄積が妨げられ、糖質の代わりに体脂肪が使われていくことで、ダイエットにつながっていきます。003BQ8V8297

 太りやすいのはどっち?ということで同じカロリーのコーラとごはんではどちらでしょう。正解はコーラになります。コーラの単純炭水化物とごはんの複合炭水化物の分解吸収などのちがいによるものになるからです。ジュース類の砂糖の量のスライドや似たカロリーのラーメンと1汁2菜の定食スタイルでも塩分や野菜量などが異なります。

 大切なのは、カロリー(食事)の中身であり、中身(栄養バランス)が大事であります。食品は、それぞれのもつ栄養素によって6つのグループに、働きによって3つのグループに分かれます。毎日の食事のそれぞれのグループから食品を選び組み合わせて食べることで、簡単に栄養のバランスのとれた食事ができます。(6つの基礎食品、3つの食品群)。

 体重を1か月に1㎏減らすには?体脂肪1㎏には、約7000kcalのエネルギーがあります。7000kcalの体脂肪を1ヵ月で減らすには、7000kcal÷30日≒233kcalになります。ごはんでいうと軽く茶碗1杯(120g)、消費カロリーでいうとジュギング30分、自転車50分、水泳20分となり、自分のやり易い範囲で自分にあった方法で自己管理をしていただければと思います。と締めくくりあっという間に時間が流れていきました。

 歯科衛生士と管理栄養士それぞれの講演を聞き、口腔ケアの重要性や栄養マネジメントなど、また1つ知識の引き出しが増えて自分自身や利用者様に還元できるものとなりました。004BQ8V8306

(おわり)

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