雑談

いい風呂の日

 1126日です。「いいふろ」と読めるから「いい風呂の日」でもあります。もっとも、毎月26日は「ふろの日」なんだそうですが・・・。

 それにしても現在のお風呂は昔のそれと比べて格段に快適になりました。昔のそれは「ごえもん風呂」が主流。今だと「浴槽」と表現するそれは「風呂釜」と言いました。下から風呂焚き係が「たきもん」を焚いてお湯を沸かすので、時間がかかるし、お湯加減も難しかったものです。沸いたら沸いたで、さめないうちに家族が順番(あるいは一緒)に、とっとと入らなければなりませんでした。

 何より難しかったのは入る時。風呂板がひっくり返らないよう、上手に踏みながら入らなくては火傷してしまいます。下から火を燃やしているわけですから。踏み外したら郷ひろみじゃないけど、「ぅわーちーちー、あーちー?(o)/!」となりますし、上手に踏んでいても、お尻が風呂釜に当たったら飛び上がっていたものでした。

 だからといって不便なばかりではありませんでした。お風呂を沸かすのは子供にとって「許される火遊び(?)」。ちょっとしたキャンプファイヤー気分でした。また、一緒に焼き芋を焼いて食べたりしたのは楽しくおいしい思い出です。それから年末の大掃除となれば、煙突掃除。親と一緒に屋根に上って、ワイヤー付のブラシを煙突の上から下ろしてゴシゴシ。普段は見られない屋根からの風景を眺めるのも楽しかったです。

 今ではお風呂の事情は一変し、夕方に家々から煙が上り立つ景色はほとんど見られなくなりました。いつでも入りたいときに入れるお風呂、浴室は快適で浴槽も足をのばしてリラックス。ラジオはもちろん、テレビも楽しめたりするようになりました。

 その一方、入浴中の事故が無くなったかというと、そうではありません。トイレと同じく、一人きりになる浴室には様々なリスクが潜んでいます。高齢者の場合、若年者より一層の注意が必要です。

そしてもちろん、一人きりにならずとも、入浴時の事故は起こりうるものです。老健施設を利用されている利用者様が安心・安全に「いい風呂」を楽しめるよう、気を引き締めて、そして心を込めて入浴介助にあたりましょう。

勤労に感謝!

 本日、1123日は勤労感謝の日です。勤労感謝の金曜日だから略して「きん・かん・きん」って、何でも略すればいいというわけではないのですが(´△`)

 もちろん、老健施設に勤める私たちに祝祭日は関係ありません。多くの老健職員が今日も元気に仕事に勤しんでおられることと思います。私たちが日々仕事に打ち込めるのは、介護を必要とする方の存在があってこそのもの。その多くの方がかつて勤労に励み、そして今の社会を築き上げてこられた人生の大先輩です。

 そのような方々を相手に仕事ができることに感謝しながら、今日一日をしっかり勤めましょう!

転倒事故増加

 老健施設に勤める者の一人として、利用者様の転倒は、最も回避すべき事故の一つだと考え、その予防策について頭を悩ませているところです。

 しかし、この転倒事故、利用者様だけの問題ではないということが浮き彫りになってきました。1114日付けの日本経済新聞に「「介護でバランス崩す/商品仕分け中に滑る 職場で転倒事故増える」という見出しが目を引きました。職場で転倒する事故が徐々に増加し、2005年に労働災害のトップとなり、全体の2割を占めるまでになっているのだそうです。つまり、老健施設で働いている私たち自身も、転倒のリスクが高まっているということです。

 厚生労働省によると、2011年に全国で起きた労災は12万件弱で、1999年と比較して15%減ったとのこと。しかしその一方で「転倒」は25千件と19%も増加しているのだそうです。しかもその割合は2011年全体の5分の1

 この転倒事故の内訳を業種別に見たとき、医療保健、社会福祉関係が含まれており、その数も急増しているから看過できません。また、事故の内容について、「介護施設で1人で介助していてバランスを崩した」という報告が上がっているとありました。介護する側が転倒するわけですから、ややもするとその際、介護される側にも危険が及んではいないだろうか?という懸念も湧いてきます。

 「非正規雇用者の割合が高く、業務に熟練していない人が多いという事情がある」という厚労省関係者の談話がありました。そして全国社会福祉施設経営者協議会の関係者は「介護などの労働市場の全急拡大に労務管理が追い付かない面がある」とコメント。全国的に介護の担い手が不足している中で、転倒事故のリスクは増加の一途というこの現状を早急に解決することが、介護する人、介護される人双方にとって喫緊の課題だと痛感しました。

 また、この記事の示すデータは労働災害に限った話。自宅で介護が必要な人の世話をされている方の事故に関しては、ここに上がっていません。自宅で介護をされている方々が皆、介護の知識や技術に関して「熟練」しているか?というと、決してそうとは言えないでしょうし、高齢者が高齢者の介護をする、いわゆる「老老介護」をされている方も少なくない現状を鑑みると、問題はさらに深刻ではないか?と危惧されます。

 県内の老健施設では、職員を対象とした介護技術の研修や勉強会はもとより、ご家族や地域住民の方々向けの介護教室を開いているところもあります。介護する側、される側。双方にとって安全で安心な生活が送れるよう、老健施設の果たすべき役割について改めて考えさせられた記事でした。

70歳の指針

 十七のしゃがれたブルースを聴きながらセンチなため息をつくのは、尾崎豊の「十七歳の地図」、すなわち”セブンティーンズマップ”ですが、こっちは”セブンティズガイド”と言えばいいのでしょうか。「70代以上も運動指針」という見出しが1026日の宮崎日日新聞にありました。

 これは、高齢化の進展で介護予防の重要性が増しているのを受けて、厚生労働省が国による”運動のすすめ”とも言うべき「運動指針(エクササイズガイド)」を改訂する方針だという内容の記事でした。これまで20代から60代を想定していたものを、70代以上の高齢者も利用しやすいようにするのだそうです。健康維持にお年寄りも無理の無い範囲で体を動かす習慣を身につけてもらいたいという考えに基づくとのこと。エネルギー消費量について、”屋内の掃除20分”、”子どもと遊ぶ15分”、”軽いジョギング10分”などを1“エクササイズ”という独自の単位に換算し、1週間に23エクササイズ以上を推奨していると書いてありましたが、分かりにくいという指摘もあり再考するそうで、みんなが楽しく運動に取り組めるよう、何か馴染みやすくて、張り合いがでるような、そんな単位、そして内容になるといいと思います。

 「十七歳の地図」で尾崎豊は「たいしていいことあるわけじゃないだろう」と嘆いていますが、「70歳以上の運動指針」は、「いいこと一杯、盛りだくさん!!」となるべく、「誰もが気軽に、継続的に取り組めるメニュー」になって欲しいものです。ついでに、そのためのテーマソングもできるといいと思います。うずうずした気持ちで運動し続け、汗まみれになれるように(^_^)。そして、すてきな夢を忘れやしないように(^o^)

「中高年の星」引退

 『輓馬(ばんば)』は鳴海章の作品です(文春文庫、20051110日第1刷)。

 エリート社員から起業、社長として贅を極めた矢崎学。しかし借金に追われて行き場を失い、郷里北海道に戻る。帯広で輓曳競馬(ばんえいけいば)の厩舎を営む兄東洋雄(とよお)を訪ね、仲間や馬と暮らし、触れ合う中で自分を見つめ直していくストーリーです。一般社会と隔絶された厩舎では、極寒の中、一日も休むことなく仕事に追われますが、その中で学は悟ります。「輓馬のレースは人生そのもの」と。

 第一障害と第二障害があるばんえい競馬。学の言う人生の第一障害は二十歳、つまり成人式。大人になるための試練だが、後から考えるとたいしたことはなく、それを過ぎると平坦路。夢中で突っ走るわけです。

 そして第二障害は男の厄年。数えで四十二、満四十一歳。「ちょうど今のおれの年だな」という学にとって、借金取りが第二障害。他の人間が手を焼く気難しがり屋の輓馬「ウンリュウ」と心を交わすうちに、この第二障害に立ち向かう勇気が湧いてくる。「逃げるわけにはいかない。ここまで逃げてきたおれがいうのは何だけど、ここで逃げ出したら、一生逃げなきゃならなくなる」と。ばんえい競馬同様、第一障害よりもはるかに高く立ちふさがる第二障害に、学は真っ向から向かっていくのでした。

 江戸川乱歩賞受賞作家である鳴海章は、『ネオ・ゼロ』などの手に汗握る航空サスペンス・エンタテイメント小説も書いていますが、唯一のばんえい競馬開催地の帯広市出身とあって、この『輓馬』、宮崎県の私たちにもその魅力を臨場感たっぷりに伝えてくれる傑作です。

 さて、テレビや新聞でも報じられましたが、そのばんえい競馬で「中高年の星」として人気を集めた「ゴールデンバージ号」が1028日、引退しました。この15歳の牡馬、人間では60歳くらいになるのだそうですから、世界の鉄人金本選手もびっくり!かも?しかし、成績不振で3年前に登録抹消。あわや食肉となろうかというまさに絶体絶命の状態から奇跡の復活を遂げ、昨年6月には最高齢勝利を果たしたというから、まさしく「中高年の星」です。

 残念ながら関節炎を発症し、引退となったのだそうですが、引退レースではファンの期待を一身に背負い、見事第一障害、そして第二障害を乗り越えて堂々の完走を成し遂げたとのことです。あっぱれ!

 今後は北海道の牧場で余生を過ごすそうです。馬の場合、介護保険サービスは利用できませんが、馬には馬のQOLquality of life:生活の質、生命の質、人生の・・・じゃなくて馬生の質)があります。健康に気を付けて、人間の中高年がこれからも憧れ続けるような、元気で楽しい生活を送って欲しいと願います。

介護の日

昨日、1111日は介護の日でした。「いい日、いい日、毎日、あったか介護ありがとう」という気持ちをこの日に掛け合わせているのだそうです。

これからさらに寒くなります。心も体も温まる介護に努めましょう、そして利用者様から「ありがとう」と言っていただければ、こちらまで暖かい気持ちになれると思います。

そして気がつけば2012年も今日を入れて残りジャスト50(O)。早いものです。やりのこしのない一年が締めくくれるよう、しっかり頑張りましょう!!

火の用心

 秋期全国火災予防運動が、本日119日から始まりました(15日まで)11月になった途端に、寒くなって、もはや秋と言えるのだろうか?117日が立冬だから、もはや冬期全国火災予防運動じゃなかろうか?などと言ってはいられません。

 介護が必要な高齢者のお世話をする老健施設にとって、火災は最も恐ろしい災害の一つです。火災報知器、消火器、スプリンクラーなどの備えがあるとしても、火事を起こさないことが何よりも大事なのは言うまでもありません。火の始末の徹底方お願いします。

 また、各施設でも防火訓練が行われるかと思いますが、かけがえのない利用者様の命を預かる立場にある者であることを肝に銘じ、真剣な態度で臨みましょう。

高齢者死亡事故多発警報発令中です

  宮崎県交通安全対策推進本部は112日、県内全域を対象に高齢者死亡事故多発警報を発令しました。

 これは、県内で65歳以上の高齢者が被害となる交通死亡事故が多発していることと、年末にかけて重大事故が増える傾向があることから発令に踏み切ったとのことです。

 発令期間は本日8日までで、期間中は交通指導取り締まりを強化する、と113日付け宮崎日日新聞が報じていました。しかしもちろん、期間が終わればどうでもいい、なんてことはありません。とりわけ高齢者を乗せて運転する事も多い私たち老健職員です。警報期間であるなしに関わらず、常に手綱を締める気持ちでハンドルを握りましょう。

神武さま

 1027日と28日、宮崎神宮大祭(宮崎神宮御神幸祭)、いわゆる「神武さま」がありました。明治9年に始められた宮崎を代表する祭りです。パンフレットには「神武さまを自分のお宮として信仰してきた町民が、お宮までの道のりが遠く、親しくお参りすることが出来ないため、『せめて一年に一度神幸を願って一家をあげて心ゆくまで拝ませて下さい』という嘆願書を提出したのが始まりです。明治42年頃から今のような形式になったと言われています」と書いてありました。

 28日の日曜日は好天に恵まれ、多くの見物客で賑わいました。古事記編さん1300年にあたる今年は、神武天皇ゆかりの神々11神も、「神々のパレード」として参加し、お祭りを盛り上げました。

 「神武さま」をはじめ、私たちの宮崎県には各地に様々なお祭り、伝統芸能、文化がたくさんあります。それらの多くは、老健施設を利用されている私たちの人生の大先輩方が、そのまた先輩達から代々受け継ぎ、そして私たちに受け渡してきたもの。私たちはまたそれを次の世代に伝えていかなければなりませんし、これから先もずっとずっと続いていって欲しいと思います。

gohouren.JPG 【御鳳輦(ごほうれん):神武天皇の分身が乗られています。おごそか】

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 【稚児行列(ちごぎょうれつ)かわいく、神妙に、頑張りました】

 yabusame.JPG  【流鏑馬(やぶさめ):鎌倉時代の装束です】

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【奉納品行列。これは平安時代の衣装だそうです】

 

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 【新たに加わったアマテラス。その大きさに圧倒されました】

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 【ニニギノミコト。”日向三代”の初代】

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 【ホオリノミコト。いわゆる山幸。”日向三代”の二代目です】

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 【ウガヤフキアエズノミコト。”日向三代”の三代目で、神武天皇のお父様です】

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 【神武天皇が東征時に乗ったと言われる船「おきよ丸」】

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 【悠久の昔を彷彿させる雅楽の調べ】

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 【こちらは賑やかマーチングバンド】

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 【勇ましい和太鼓集団】

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 【軽快に舞うフラッグ】

 hata.JPG   【こちらの旗はすっごく重そうでした】

 sunshine.JPG  【宮崎サンシャインレディー。気分は「ハイカラさんが通る」!?】

 syansyanuma.JPG

 【行列の最後を飾ったのはミスシャンシャン馬。鵜戸神宮まで行っちゃいそう】

見逃さないで!障害者の不利益

 「世の中に出るのは、つまり自分の思うようにならないということを経験するためである」・・・これは阪急の創始者、小林一三氏の言葉です(『生きるヒントになる名語録728』、三笠書房)。その昔、親元を離れ、都会で一人暮らしを始めたとき、はたまた就職して仕事を始めたときなどはもちろんのこと、日頃社会生活を送る中での様々な場面で、この言葉が身に染みてわかります。もちろん多くの人にとって、世の中は自分の思うようにはならないことばかり。ため息が出ることもあります。しかし、そんな世の中だからこそ、自分らしさを見失わず、「負けるもんか!」などと奮起して頑張ってみたりもするわけなのですが・・・。

 さて、これとは話が違うのですが、1023日の朝日新聞に「障害者の不利益 見逃さない ?差別禁止法案が目指す社会?」という見出しがありました。この法律は、来年国会で議論される予定の「障害者差別禁止法」に関する記事。「障害がある人が、障害のない人と同じ行動がとれるようにする『合理的配慮』が求められる」というこの法律は、国連「障害者権利条約」批准に向けた国内法整備の一環として検討が進められるのだそうです。

 例えば、体に障害があるという理由だけで入店を拒否されたり、車椅子で店に入るためのスロープがないと「差別」と見なされるかどうか、そういった考え方が法案のポイントになりそうだと書いてありました。内閣府の作業部会がまとめた意見書では、「障害のない人と同じ行動をしたり、サービスを受けたりするための合理的配慮をしないことは差別にあたる」と定義したそうです。

 これに対して企業は「不均等待遇」や、「合理的配慮」をしてはならず、「過度な負担」がかからない範囲で対策を講じなければならない、というのが「障害者差別禁止法」になるのではないか、と思うのですが、この「過期な負担」がどの程度になるのか、「線引きは難しい」と記事にはありました。したがって、この法律が具体化していくのはまだまだこれからということになるようです。

 先述の格言と意は異なりますが、障害のある人が、その障害のために、「世の中に出て、自分の思うようにならないということを経験する」ことが無いような、そんな「障害者差別禁止法」になって欲しいと思います。今後の議論の行方が気になります。

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