老健みやざきブログ

笑わないのはもったいない

2015年3月13日 | 雑談

 「すべての日々のなかで1番もったいないのは、笑わなかった日である」と言ったのはシャンポール(『いい言葉は、いい人生をつくる』、斎藤茂太、成美堂出版)。

 Wikipediahttp://ja.wikipedia.org/wiki/%E7%AC%91%E3%81%84)で調べると、笑いの生理的な効果として(1)安らぎや安心を感じた時に優位となり、それが続くとストレスが解消される「副交感神経」が優位の状態になる、(2)身体中の様々な器官に刺激が与えられる。NK細胞(ナチュラルキラー細胞)が活性化し、ガンの予防と治療の効果がある、(3)神経ペプチド(免疫機能活性化ホルモン)が全身に分泌される、(4)糖尿病の治療にも有効との研究がある・・・などが載っていました。

 さらに「医学的証明」として、「笑いというのは体にとってよい影響を及ぼす。笑うことで頬の筋肉が働き動くことにより、ストレスを解消し、また鎮痛作用たんぱくの分泌を促進させ、ストレスが下がることにより血圧を下げ、心臓を活性化させ運動した状態と似た症状を及ぼし、血液中の酸素を増し、さらに心臓によい影響を与えることから、循環器疾患の治療に用いられることもある」と続いていました。

 老健施設で働く者の一人として、「笑い」は大切だと日々実感しています。「意欲や能力が低下して、自らの生活に無頓着になり、心身の健康や安全が脅かされる状態になる『セルフネグレクト』の高齢者が、最も多ければ全国に約12千人いる(内閣府2010年度調査、推計)」と、昨年1117日の日本経済新聞に載っていました。「このセルフネグレクトの方々は、一日に何回くらい笑うことがあるのだろうか?あるいは、一度も笑うことのない日々をずっと続けておられるのではないだろうか?”1番もったいな日”を重ねておられるのではないだろうか?」と思いながらこの記事を考えました。利用者の笑顔は、私達高齢者ケアに携わる者の喜び。そう考えながら仕事にあたる今日この頃です。

 「(介護の)現場を見て痛感するのは、シャレや遊び心、ユーモアの大切さ」と、昨年1217日の朝日新聞で述べているのは漫画家のくさか里樹さん。高校生の時に介護の仕事に出会った成年、百太郎が、理想の介護を求めてヘルパーとして奮闘する姿を描いた作品、「ヘルプマン!」の作者です。「すべての日々のなかで1番もったいないのは、笑わなかった日である」というシャンポールの言葉と相通じるものがあると思いました。くさかさんは記事の中で「『どうしてもこうしなくては!』と減点方式で考えるのではなく、『できないことはしょうがない。できたことを喜ぼう』と加点方式の心構えでいったらいい」とも説いています。

あらゆる動物の中で「笑うのは人間だけ」と言われています(ちなみに「笑うのは人間だけ」で検索すると、1,440,000件ヒットしました)。そして笑うことで得られる良い効果はたくさんある・・・。それにもかかわらず、笑わない日々を送るのは本当にもったいないことだと思います。加点方式の心構えで臨み、利用者といっぱい笑い合って業務にあたって参りましょう。

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↑猫が笑っているように見えますが、実は少し違うそうです。「単に飼い主のにおいを感じるために息を深く吸い込んだ際、笑顔に近い表情に偶然なっていることが考えられる」とのこと(Happy Life Style 『猫についての30の質問』https://happylifestyle.com/7793より)

元気という字はにのしのさんしめ

2015年3月12日 | 雑談

「いちにっさーんのしのにのご、さんいちしのにのしのにのご」。つまり、「1,2,3の4の2の5,3,1,4の2の4の2の5」という指遊び唄。老健施設に勤める方なら、一度は耳にしたり、実際に利用者とレクレーションや体操などで歌いながら指を折ったりしたことがあるのではないでしょうか。認知症予防の一環として、指を使った体操は動画投稿サイトでも多数紹介されていて、この「いちにっさーんのしのにのご、・・・」はその古典的なものの一つと言えるのかもしれません。

さて、それはさておき、「にのしのさんしめ」という言葉をご存知でしょうか?なに!知らない!?・・・ごもっともです。これは「『元気』という字は”にのしのさんしめ”」という、当協会オリジナル(?)の指遊び。今回初めて世に発表、発信するのですから(^_^;)

「『元気』という字は”にのしのさんしめ”」というのは、「元気」という文字を分解したものです。それでは図を用いて解説していきます。

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〔↑(1):最初にカタカナの「」を書きます〕

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〔↑(2)(1)の下やや左側にカタカナの「」をくっつけて書きます〕

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〔↑(3)(2)の下やや右側にひらがなの「」をくっつけて書きます〕

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〔↑(4):カタカナの「」を書きます〕

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〔↑(5)(4)の右に漢字の「」を書きます〕

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〔↑(6)(5)の右側からひらがなの「」を下ろして書きます〕

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〔↑(7):最後にカタカナの「」を書き入れると・・・〕

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・・・あーら不思議!!“にのしのさんしめ”で、「元気」という文字が完成しましたヾ(v)k

この「『元気』という字は”にのしのさんしめ”」という指遊び、「いちにっさーんのしのにのご、・・・」と同様に、「『元気という字は』に続き、両方の指を「2の4の3、4」と折った後、「め」で両方の人差し指でそれぞれ左右の目を指さしてフィニッシュすると、これが結構むずかしいです。まずはスタッフの皆さんで試してみて、それから利用者の方々も交え、スピードを徐々に上げて難易度を高くするなどしてやってみられてはいかがでしょうか。

「身体の『元気』」、「心の『元気』」、そして「頭の『元気』」・・・。どの元気も皆大切です。「『元気』という字は”にのしのさんしめ”」を実践して、どのような成果があらわれるか?当協会ではその実験、検証等はしておりませので、その効果を保証するものではありません。しかし、みんなで「元気」の大切さを考える機会の一つにしていただければ幸いに存じます。

「老健みやざき第31号」アップしました!

2015年3月11日 | 協会活動報告

 当協会の広報誌「老健みやざき第31号」PDFファイル(5.84MBをアップしました。

 平成273月発行の「老健みやざき第31号」。今号の巻頭を飾るのは不定期掲載企画「老健ルポルター寿(じゅ)」。今回は小林市の介護老人保健施設『さわやかセンター』を尋ねました。さわやかな風が吹き抜ける施設内外で、さわやかに過ごす利用者、そしてさわやかな笑顔で利用者に寄り添うスタッフ・・・そんなさわやかいっぱいの同センターの様子を紹介します。

 そして協会各研究部会が開いた研修会レポートや、会員施設の様々な職種に寄稿していただいた「リレーコーナー」と続き、そして最後は毎回好評の「人気のおすすめメニュー」という構成になっています。

「老健みやざき第31」(PDFは、そのまま見るなり、ダウンロードして楽しむなり、自由にご活用して下さい。「老健みやざき第31号」へのページはこちらからどうぞ。

横浜大会登録開始

2015年3月10日 | 協会活動報告

 平成2792日(水)から94日(金)にかけて、パシフィコ横浜で開催される「第26回全国介護老人保健施設大会 神奈川 in 横浜」(主催:公益社団法人全国老人保健施設協会)の事前登録(大会参加登録・演題登録・研修会・懇親会・宿泊等予約申し込み)が310日(火)、正午より開始されます。

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 今回の大会テーマは「高齢者が輝く未来へ お洒落に!スマートな連携!」。登録・申し込みは大会公式ホームページからのオンライン登録となっています。詳しくはこちら をご覧下さい。

 また、大会フェイスブックおよび大会チラシPDF形式も併せてご覧いただき、ご活用下さいますようお願い申し上げます。

高齢者の「薬」について学びました(支援相談員部会:その2)

2015年3月9日 | 協会活動報告

(支援相談員研究部会研修会:宮崎県薬剤師会常務理事、日南地区医薬分業支援センター会営薬局、松尾吉剛先生による講演、「高齢者に処方される薬の効果と弊害」つづき)

4章では薬の上手な使い方の説明で薬を飲むようになってから現れた体調の変化は加齢によるものと思い込まずに、医師、薬剤師に相談してくださいとのことでした。薬の起こることもあるので相談してくださいとのことでした。また一度処方した薬は薬局では引き取れず、他人の症状が同じだからと自分の薬をあげてしまうと処罰されるとのことでした。

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5章では薬局を上手につかいましょう の中で、複数の病院にかかっても薬局は同じ薬局で処方を受けてほしいとのことでした。もしくはお薬手帳を必ず利用し、どこの薬局でも現在飲んでいる薬が分かるようにすると重複投与など、防ぐこともできるとのことでした。

現在の薬局には積極的に在宅医療や介護についての相談に応じるようになっているので、相談に応じてくれないような薬局であれば別の薬局を利用してくださいとのことでした。

契約は必要ではあるが、訪問薬剤管理居宅療養管理として報酬も設定されているので積極的に利用をとのことでした。

全体を通して資料が分かりやすく先生の説明も非常に噛み砕いて話してくださっていたので分かりやすいものでした。松尾先生は「できるだけ他業種の人とかかわるようにしている薬剤師は他の業種の人と交わる機会が少ないから」と話されていました。できれば今回のような講演をいろんなところでできる機会があればと研修会終了後の懇親会でも話されていました。

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今回は老健職員が支援相談員18名、ケアマネ1名、介護職員1名 計20名、その他の事業所が居宅介護支援事業所5名、グループホーム6名、小規模多機能2名、有料老人ホーム1名、デイサービス2名、医療機関1名 計17名、合計で37名の参加でした。

〔支援相談員研究部会委員長 清 徳昭(むつみ苑)〕

(おわり)

高齢者の「薬」について学びました(支援相談員部会:その1)

2015年3月6日 | 協会活動報告

(公社)宮崎県老人保健施設協会支援相談員研究部会は221日、宮崎市の宮日会館で平成26年度第2回の研修会を開きました。その模様を、同部会委員長で介護老人保健施設むつみ苑の支援相談員、清 徳昭さんにレポートしていただきました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

一般社団法人宮崎県薬剤師会からのご紹介で、宮崎県薬剤師会の常務理事で、日南地区医薬分業支援センター会営薬局の松尾吉剛先生に「高齢者に処方される薬の効果と弊害」と題して、日本薬剤師会が発行されている「薬との上手なつきあい方」と書かれた冊子を基に、補足する部分をパワーポイントを使用してご講演頂きました。

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冊子の中は6章で構成されており、順をおって説明していただきました。

1章の薬が効くしくみについては飲む量によって少なければ無効域で効果がでないし、量が多ければ副作用域になり、効果が出すぎて副作用を起こすので、有効域での量を適切に飲むことが大事であるとの説明がありました。有効域に達していないといくら薬を飲んでも良くならないことがあるとのことでした。

2章では「13回」の内服指示の薬は1回の内服で6?8時間の効果があり、朝食で飲み忘れた内服も午前中に飲めば大丈夫であり、その際は次の内服の時間を8時間空けて下さいとの説明がありました。

薬は適切な時間で決められた量や回数を守ることは大切であるが、飲み忘れた際の対応も説明頂けたので参考になりました。薬の飲む時間にも意味があり、空腹時に飲むのが一番効くとの説明でしたが、副作用のリスクを下げるには食後の内服になるとの説明でした。

また、今までお茶で薬を飲むのは種類によって効果がなくなると思っていましたが、先生のお話しでは現在製造されている薬ではお茶で飲んでは効果がなくなる薬はないとのことでした。また錠剤やカプセル薬が飲みにくい方は味噌汁等に混ぜて内服されても良いとのことでした。

3章の副作用と相互作用では、副作用として眠気には注意してくださいと言われました。市販薬の総合感冒薬は全ての成分が入っているので特に車を運転する際には注意してくださいとのことでした。相互作用としては酸化マグネシウムのカマグとニューキノロン系抗菌剤(クラビット)では同時に内服すると効き目が落ちるので、抗菌剤を内服してから2時間の間隔をあけて飲むと影響がないとのことでした。食べ物などとの相互作用としては効きにくくなる代表として、ワルファリン(血栓を防ぐ薬)と納豆(ビタミンK)の代表的な説明の中で、ビタミンKを多く含む他の食品としてクロレラ、青汁、緑黄色野菜があるが、緑黄色野菜は特別多くの量をいっぺんに食べることは少ないのでそんなに気にしなくていいですとのことでした。効きすぎになる代表としてはカルシウム拮抗剤(高血圧等の薬)とグレープジュースを説明され、他の柑橘類では温州ミカンは大丈夫であるが、キンカンは相互作用が起こるとのことでした。

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(つづく)

糖尿病の食事療法学びました(栄養給食部会:その5)

2015年3月5日 | 協会活動報告

 筋肉を元気にすることが、高齢者糖尿病の患者にとって大切であると学んだ218日の栄養・給食研究部会研修会。講師の独立行政法人地域医療機能推進機構 宮崎江南病院副院長、松尾剛志先生は次のキーワードとして「歯科医師の参加」を挙げました。その理由の一つとして示したのが「歯周病、歯周炎の問題」。これは糖尿病の合併症として注目されており、慢性炎症はインスリン抵抗性を増大させる一方、加療することで糖尿病コントロールが改善されるそうです。

 また、噛めないと肉などが食べられないなど、噛むことの効用が大きい事や、嚥下性肺炎の問題もあり、歯科医師の参加が大事だとのことでした。

 そして4番目のキーワードとして学んだのが「腸内細菌」。成人の消化管に約1000種類、100兆個、1.5キログラム存在する腸内細菌の特徴や成立および年齢による変化、遺伝的因子の関与は低く、出生直後から離乳期までの環境因子が重要である個人に特有な腸内細菌叢、腸内細菌の重要な役割などを踏まえ、腸内細菌叢が乱れると短鎖脂肪酸を生成する細菌種が減少し、インスリン抵抗性が増大したり、肥満になったりして、糖尿病には非常に悪い事などを学びました。

 そして腸内細菌に注目した糖尿病治療として(1)食事療法、(2)プロバイオティクス、(3)プレバイオティクス、(4)薬物療法、(5)FMTfecal microbiota transplantation)があり、それぞれについての説明が、スライドを用いてありました。

 最後に今回のテーマである「糖尿病の食事療法 ?最近の私の考え方?」について

 

1.ひとそれぞれ!画一した栄養管理方法はなし!

2.カロリー制限は、肥満者のみ!

3.タンパク質を意識した栄養管理方法を!(レジスタンス運動とともに!
筋肉量維持! 腰から下肢にかけての筋肉を元気に!)

4.歯科医師との連携が大切!(歯周病治療、義歯、口腔ケア)

5.腸内細菌にも関心を!(プロバイオティクス、プレバイオティクス)

 

・・・の5項目を提示し、講演を締めくくった松尾先生に、感謝の拍手がおくられました。

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 情報や意見を交換し、問題意識を共有するとともに、来年度の事業方針を検討し合った午前中、そして糖尿病の食事療法を様々な方向から考え、わかりやすく学ぶことができた午後。栄養・給食研究部会が開いたこの日の研修会は、明日からの業務につながる大変有意義なものとなりました。

(おわり)

糖尿病の食事療法学びました(栄養給食部会その4)

2015年3月4日 | 協会活動報告

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「ひとそれぞれ」で、「画一した管理方法がない」という高齢者糖尿病の栄養管理。健康な人と代わらない日常生活の質(QOL)を維持するために、松尾剛志先生は次の3点をスライドに示しました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

1.”制限する”、”我慢する”などはやめる!

2.口から自分の好きなものを噛んで食べること

・一般的な病院食はおそらくNG! 

・離乳食のような食事はNG !

・見た目は美しく!

・味はおいしく!

・自分の好みを入れる!

・肉や刺身が食べたい!

・食べ慣れたものを食べたい!

“→入院では限界!在宅へ!”

3.少しでも自分で動けること

・自分で歩いてトイレに行きたい!

・自分で外出したい!

“→骨格筋を元気に!”

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

これを踏まえて、認知症やADL低下、転倒、うつ傾向など、加齢に伴う心身の機能の衰えによって現れる身体的・精神的諸症状である「老年症候群」は、高齢者糖尿病の場合、そうでない人に比べて約2倍多く、食事療法や運動療法、そして薬物療法は困難であることなどを学びました。

そして、高齢者糖尿病の人は骨格筋が減少してインスリンによる血糖取り込みが低下(インスリン抵抗性の増悪)する一方、身体活動量も低下することで、糖尿病がますます悪くなることをスライドに示しながら、「筋肉(骨格筋)を元気にすること、維持することが大事です」と説明。ただし、いわゆる”筋肉ムキムキ”というのではなく、年齢と共に筋肉量が減るのを防ぎ、維持することが大事だとのことでした。

(つづく)

糖尿病の食事療法学びました(栄養給食部会:その3)

2015年3月3日 | 協会活動報告

「糖尿病の食事療法 ?最近の私の考え方?」と題した松尾剛志先生の講演は、糖尿病の食事療法の歴史(世界・日本)を踏まえて、「食事法は、個人の好みで選べばよい」、「おすすめは地中海食」、「カロリー制限は肥満者のみ」、「適度のアルコールはOK」などの項目が盛り込まれた、最新の欧米の糖尿病の食事療法が紹介されました。また、インスリン抵抗性改善という点で食事療法を考えると、(1)肥満防止、(2)高齢者(サルコペニア防止)、(3)歯科医師、(4)腸内細菌・・・の4つがキーワードになるとのことでした。

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 また、「高齢者はどういう人達かと言うと、『特殊』で『多様な集団』だと思います。若い人とは違うし、同じ年齢の高齢者でも違いがあり、ものすごくバラエティーに富んでいます」とし、体成分構成(筋肉と水分が減り、脂肪が増える)やエネルギー消費量(基礎代謝量や運動での消費量、NEAT=non-exercise activity thermogenesis非運動性身体活動”による消費量が低下する)、 生理機能(肺、腎、心、消化吸収などの機能が低下する)などに関する特殊性を、スライドを用いて説明。「筋肉が落ちるとインスリン抵抗性が必ず増悪します」、「運動だけでやせようと思ったら、プロ並みにやらないと落ちません。NEATは身体活動量。ビルの4階にいる人が1階に忘れ物をした場合、電話をかけて持って来させるのと、エレベーターで下りて取りに行くのと、階段で下りて取りに行くのとでは大きく活動量が違います」などとわかりやすく具体的な例を示しました。また口腔機能や消化管運動、嚥下機能などの低下や貧困、社会的孤立、認知症などといった高齢者の特殊性が食欲低下を来していることを指摘しました。

 そして高齢者の多様性については「エベレストに登頂する80歳もいれば、ベッドに寝たきりになっている80歳もいます。男女でも、そして昔と今でも違います」とし、「常に『ひそれぞれ』だと考えて下さい」と強調しました。

 このような事から、「高齢者糖尿病の栄養管理は『ひとそれぞれ!』、『画一した管理方法はない』」とし、高齢者のQOL(生活の質、人生の質、生命の質)を維持するように、ケースバイケースで進めていきましょう」と呼びかけました。

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(つづく)

糖尿病の食事療法学びました(栄養給食部会:その2)

2015年3月2日 | 協会活動報告

 (公社)宮崎県老人保健施設協会栄養・給食研究部会が218日、宮崎市のニューウェルシティー開いた研修会。午後からは「糖尿病の食事療法 ?最近の私の考え方?」と題した講演がありました。講師には独立行政法人地域医療機能推進機構
宮崎江南病院の副院長、松尾剛志先生にお越し頂きました。

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 多尿が症状の一つであることから、紀元前16世紀から2世紀にかけては「腎臓・膀胱の病気」と考えられていた糖尿病。19世紀から20世紀になるとインスリンの分泌が障害される「膵臓の病気」と考えられるように。しかし「インスリン値が高い人も糖尿病になっている。おかしい」ということから、インスリンがききにくい「インスリン抵抗性」が注目され、骨格筋が問題になっている現状を踏まえ、「糖尿病はインスリン作用不足に基づく慢性の高血糖を主徴とする代謝症候群である」ということから講演は始まりました。

「日本人のインスリン分泌能は、欧米人の2分の1しかないため、もともと糖尿病になりやすい」、「インスリン抵抗性は環境因子が大きく、1番のリスクは肥満。欧米人で糖尿病はものすごく太った人しかいないのに比べ、日本人はちょっと太っただけでも糖尿病になる」、「日本人はもともと糖尿病になりやすい傾向が遺伝的にある。だから体重を増やさないように気をつける必要がある」など、日本人が糖尿病になるリスクの高さを指摘した松尾先生。糖尿病の食事療法のポイントとして、(1)食事療法は、すべての糖尿病患者において、治療の基本であり、出発点である。(2)個々人の生活習慣を慎重した個別対応の食事療法が、スムーズな治療開始と持続のために必要であり、そのためには食生活の内容をはじめ、食事の嗜好や時間などの食習慣や身体活動量などをまず十分に聴取する。(3)はじめに行うことは、摂取エネルギーの決定。それから糖質、脂質、たんぱく質など摂取成分量を決めていく・・・の3つをスライドに示して説明すると、参加者は真剣な表情で聞き入っていました。

(つづく)

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