協会活動報告

認知症の方の権利擁護学びました(看護・介護部会:その4)

 利用者の尊厳を保持し、自立した日常生活が送れるよう支援する介護保険制度。この「自立した生活」について、「これまでは『自分で何でもできること。依存から脱却し、他者の援助を受けないで生活できるようになって、初めて自立』と言われていました。この考え方だと、障害が軽い人は自立するかもしれませんが、重い人は自立できません。これでは尊厳が傷つけられてしまいます」と浜砂貴美子先生は、自らのリハビリ病棟勤務の経験を振り返りながら説明しました。

IMG_9756.JPG

 これに対して「現在は”身体的な自立”ではなく、”精神的な自立”に考え方が変わっています」として、現在の「自立した生活」とは、「利用者自らが『主体になって生きること。生活主体者となって生きる行為』自立生活」であると説明しました。

 そして、「自立生活のための支援」として、次の3つを示しました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【自立生活のための支援とは?】

(1)利用者を個別的にとらえて、利用者の意思を尊重する。利用者が「できる」部分に着目する。

(2)自立生活支援とは、単に生活上の全てを自分で行うことを意味するものではない。支援を受けながらでも、本人の意思決定が尊重されることが重要になる。

(3)自立支援には、自己選択、自己決定というプロセスが不可欠。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 これを踏まえて浜砂先生は、「利用者の意思を尊重することは、個人の尊重であり、憲法に言われていることがケアの部分に出て来ています。障害や認知症があると、自分で判断ができなくなりますが、何もできないわけではありません。たとえ植物状態となった人、経管栄養で命をつないでいる人でも、身体にきちんと栄養を入れ込む力をもっているし、オムツをつけたままでも排泄する力は残っています。自分で呼吸する力も残っています。このように考えると、自分でできることはゼロではありません。『その人ができる部分』に自分のための支援が見えてきます。『この人は何ができるのか?』という視点が大事です。できないことばかりを見ると、『拘束』につながります。支援を受けながらでも意思決定が尊重されることが重要です。意思を尊重するということは、『尋ねる』ということです。みなさんは利用者に聞いていますか?『自己選択、自己決定というプロセス』が不可欠ですから、本人が参加し、本人が決めていくことが必要です。一方的な介助ではいけません」と、選択と決定の連続である日々の利用者の中で、その主体者である利用者本人が自分の望むことや必要なことを自ら選択して決定することが重要であり、意思判断力が低下している人の一連の決定支援には協同自己決定が必要で、本人および本人の声を中心に、支援者が意思決定を支援し、本人の参加を促しながら自己決定を確認していく過程の積み重ねが不可欠だと強調しました。

(つづく)

認知症の方の権利擁護学びました(看護・介護部会:その3)

社会福祉法人凌雲堂特別養護老人ホームしらふじの施設長、浜砂貴美子先生による「認知症の方の権利擁護」の講義。「擁護すべき『権利』とは人権」として、そのベースとなる日本国憲法から始まりました。スライドに「国民は、すべての基本的人権の享有を妨げられない。この憲法が国民に保障する基本的人権は、侵すことのできない永久の権利として、現在および将来の国民に与えられる」という日本国憲法第3章第11条を示し、「人権は認知症や障害のある方にも、平等に保障されていて侵すことはできません。しかし、どうしても現実的にはハラスメントや暴力を、そして差別や偏見を受けています。私たちと同等に権利は保障されていますが、自分の主張ができないことがあります。そういう人たちの権利をベースに考えないと、虐待につながります」と切り出しました。

001IMG_9778.JPG

 また、同第13条(幸福追求権)の「すべて国民は個人として尊重される。生命、自由および幸福追求に対する国民の権利については、公共の福祉に反しない限り、立法その他の国政の上で、最大の尊重を必要とする」を示し、「個人がベースになります。個人の幸福追求に対する権利は最大の尊重が必要です。そして個人として尊重されるということは障害や認知症などは関係なく、『一人のひととしての尊厳を保持することが大事』ということであり、その事が憲法でうたわれています」と言い添えました。

 これを踏まえて、介護保険法第1章第1条に「この法律は、加齢に伴って生ずる心身の変化に起因する疾病等により要介護状態となり、入浴、排せつ、食事等の介護、機能訓練並びに看護及び療養上の管理その他の医療を要する者等について、これらの者が尊厳を保持し、その有する能力に応じ自立した日常生活を営むことができるよう、必要な保健医療サービス及び福祉サービスに係る給付を行うため、国民の共同連帯の理念に基づき介護保険制度を設け、その行う保険給付等に関して必要な事項を定め、もって国民の保健医療の向上及び福祉の増進を図ることを目的とする」と、介護保険制度が利用者の尊厳ある暮らしを保持することが目的であることを指摘。その上で「しかし、マスコミなどでも取り上げられている通り、なかなか介護の現場では個人の尊厳がないがしろにされていることが多いのが実情です。職員がそのつもりではなくても虐待になっていることがあります。たとえば利用者を『〇〇ちゃん』とちゃん付けで呼ぶ職員がいます。双方合意の上ならいいかもしれませんが、職員が勝手に親しみをもって『〇〇ちゃん』と呼ぶと、利用者はいやかもしれません。それは職員の一方的な思い込みであり、利用者の尊厳を傷つけていることになります。また『忙しいから』と、業務を優先して個人の尊厳はないがしろにしてしまうこともあります。それは職員の自分中心の考えで、利用者の尊厳ではありません。普段の自分たちのあるべき姿を、介護保険制度や憲法をもとに考えて下さい」と、具体例を挙げて説明すると、受講者は自らの言動を振り返りながら聞き入っていました。

002IMG_9761.JPG

(つづく)

認知症の方の権利擁護学びました(看護・介護部会:その2)

 看護・介護研究部会が開いた「認知症の方の権利擁護」研修会。講師にお招きしたのは社会福祉法人凌雲特別養護老人ホームしらふじの施設長、浜砂貴美子先生。

001IMG_9749.jpg

浜砂先生は福岡市内の病院に勤務されたあと、西都市西児湯医師会立西都救急病院(現 医療法人財団西都児湯医療センター)、潤和会記念病院、宮崎温泉リハビリテーション病院、介護老人保健施設ひむか苑などで勤務。特別養護老人ホームしらふじには2009年から勤務され、20134月から施設長に就任されました。その間、千葉大学大学院看護学研究科ケア施設看護システム管理学を修了(20123月)され、また社会福祉士、介護支援専門員、宮崎県認知症介護指導者などの資格も取得されています。そしてこの研修会を主催した(公社)宮崎県老人保健施設協会看護・介護研究部会の発足にも多大なるご尽力をいただきました。

 このように浜砂先生の豊富な知識や経験、研究を元に書かれた著書や執筆も多く、看護や介護に携わる多くの人に学びの機会を提供されています。

 

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

【浜砂貴美子先生の著書・執筆】

〇「高齢者の転倒ケア(共著)」(医学書院、2001年)

〇「スタッフ早期戦略化 介護手順チェックリスト(編著)」(日総研出版、2007年)

〇「他職種から信頼される看護管理者の魅力とその実際(分筆)」(医学書院、2009年)

〇「入居者の意思・価値観を尊重した看取りを コミュニティケア」(看護協会出版会、2014年)

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 

 このような浜砂先生の講演を聞ける貴重な機会とあって、この日は県内はもとより、鹿児島県からの受講者もありました。

002IMG_9742.jpg

 

「『権利擁護』というと、なにかむずかしい感じがするかもしれませんが、私たちがケアをする上で、その根幹となることですから、法的な部分も踏まえてみなさんと考えていきたいと思います」と話し始めると、会場は一気に熱気を帯びてきました。

(つづく)

認知症の方の権利擁護学びました(看護・介護部会:その1)

 (公社)宮崎県老人保健施設協会看護・介護研究部会は37日、宮崎市のJAアズムで研修会を開きました。85人が参加し認知症の方の権利擁護について学びました。

001IMG_9729.JPG

(会場となったJAアズム)

 同部会では会員施設等の職員に、アンケートによる意向調査を行いながら研修会のテーマを決めて研修会を開催しています。今年度は平成2667日、宮崎市の古賀総合病院で、同病院の皮膚科部長、津守伸一郎先生を講師に招いて開いた「高齢者施設での褥瘡治療研修会」、そして平成261025日、JAアズムで、宮崎県健康増進課感染対策室の西田敏秀先生を招いて開催した「高齢者の感染予防対策研修会」に続き、3回目として、この日の「認知症の方の権利擁護」をテーマにした研修会実施となりました。

002IMG_9725.JPG
003IMG_9726.JPG

(研修会準備のために集合した同部会の委員。実りある研修になるよう、綿密な打合せが行われました)

開会にあたり挨拶に立った同部会の上村久美子委員長は、これらの研修会を含めた今年度の部会活動の報告を踏まえ、「『認知症高齢者のケアに関わる中で、専門職として基本となる尊厳のありかたや、高齢者虐待などについて学びたい』という要望が多く寄せられ、今回の研修会テーマとしました。それぞれの施設での実践に役立つよう、しっかり学んでいきましょう」と呼びかけました。

004IMG_9731.JPG

(挨拶に立った上村委員長)

005IMG_9734.JPG

(つづく)

「老健みやざき第31号」アップしました!

 当協会の広報誌「老健みやざき第31号」PDFファイル(5.84MBをアップしました。

 平成273月発行の「老健みやざき第31号」。今号の巻頭を飾るのは不定期掲載企画「老健ルポルター寿(じゅ)」。今回は小林市の介護老人保健施設『さわやかセンター』を尋ねました。さわやかな風が吹き抜ける施設内外で、さわやかに過ごす利用者、そしてさわやかな笑顔で利用者に寄り添うスタッフ・・・そんなさわやかいっぱいの同センターの様子を紹介します。

 そして協会各研究部会が開いた研修会レポートや、会員施設の様々な職種に寄稿していただいた「リレーコーナー」と続き、そして最後は毎回好評の「人気のおすすめメニュー」という構成になっています。

「老健みやざき第31」(PDFは、そのまま見るなり、ダウンロードして楽しむなり、自由にご活用して下さい。「老健みやざき第31号」へのページはこちらからどうぞ。

横浜大会登録開始

 平成2792日(水)から94日(金)にかけて、パシフィコ横浜で開催される「第26回全国介護老人保健施設大会 神奈川 in 横浜」(主催:公益社団法人全国老人保健施設協会)の事前登録(大会参加登録・演題登録・研修会・懇親会・宿泊等予約申し込み)が310日(火)、正午より開始されます。

26thtaikaiinYokohama.jpg

 今回の大会テーマは「高齢者が輝く未来へ お洒落に!スマートな連携!」。登録・申し込みは大会公式ホームページからのオンライン登録となっています。詳しくはこちら をご覧下さい。

 また、大会フェイスブックおよび大会チラシPDF形式も併せてご覧いただき、ご活用下さいますようお願い申し上げます。

高齢者の「薬」について学びました(支援相談員部会:その2)

(支援相談員研究部会研修会:宮崎県薬剤師会常務理事、日南地区医薬分業支援センター会営薬局、松尾吉剛先生による講演、「高齢者に処方される薬の効果と弊害」つづき)

4章では薬の上手な使い方の説明で薬を飲むようになってから現れた体調の変化は加齢によるものと思い込まずに、医師、薬剤師に相談してくださいとのことでした。薬の起こることもあるので相談してくださいとのことでした。また一度処方した薬は薬局では引き取れず、他人の症状が同じだからと自分の薬をあげてしまうと処罰されるとのことでした。

001DSCN0515.JPG

5章では薬局を上手につかいましょう の中で、複数の病院にかかっても薬局は同じ薬局で処方を受けてほしいとのことでした。もしくはお薬手帳を必ず利用し、どこの薬局でも現在飲んでいる薬が分かるようにすると重複投与など、防ぐこともできるとのことでした。

現在の薬局には積極的に在宅医療や介護についての相談に応じるようになっているので、相談に応じてくれないような薬局であれば別の薬局を利用してくださいとのことでした。

契約は必要ではあるが、訪問薬剤管理居宅療養管理として報酬も設定されているので積極的に利用をとのことでした。

全体を通して資料が分かりやすく先生の説明も非常に噛み砕いて話してくださっていたので分かりやすいものでした。松尾先生は「できるだけ他業種の人とかかわるようにしている薬剤師は他の業種の人と交わる機会が少ないから」と話されていました。できれば今回のような講演をいろんなところでできる機会があればと研修会終了後の懇親会でも話されていました。

002DSCN0505.JPG

今回は老健職員が支援相談員18名、ケアマネ1名、介護職員1名 計20名、その他の事業所が居宅介護支援事業所5名、グループホーム6名、小規模多機能2名、有料老人ホーム1名、デイサービス2名、医療機関1名 計17名、合計で37名の参加でした。

〔支援相談員研究部会委員長 清 徳昭(むつみ苑)〕

(おわり)

高齢者の「薬」について学びました(支援相談員部会:その1)

(公社)宮崎県老人保健施設協会支援相談員研究部会は221日、宮崎市の宮日会館で平成26年度第2回の研修会を開きました。その模様を、同部会委員長で介護老人保健施設むつみ苑の支援相談員、清 徳昭さんにレポートしていただきました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

一般社団法人宮崎県薬剤師会からのご紹介で、宮崎県薬剤師会の常務理事で、日南地区医薬分業支援センター会営薬局の松尾吉剛先生に「高齢者に処方される薬の効果と弊害」と題して、日本薬剤師会が発行されている「薬との上手なつきあい方」と書かれた冊子を基に、補足する部分をパワーポイントを使用してご講演頂きました。

001DSCN0530.JPG

冊子の中は6章で構成されており、順をおって説明していただきました。

1章の薬が効くしくみについては飲む量によって少なければ無効域で効果がでないし、量が多ければ副作用域になり、効果が出すぎて副作用を起こすので、有効域での量を適切に飲むことが大事であるとの説明がありました。有効域に達していないといくら薬を飲んでも良くならないことがあるとのことでした。

2章では「13回」の内服指示の薬は1回の内服で6?8時間の効果があり、朝食で飲み忘れた内服も午前中に飲めば大丈夫であり、その際は次の内服の時間を8時間空けて下さいとの説明がありました。

薬は適切な時間で決められた量や回数を守ることは大切であるが、飲み忘れた際の対応も説明頂けたので参考になりました。薬の飲む時間にも意味があり、空腹時に飲むのが一番効くとの説明でしたが、副作用のリスクを下げるには食後の内服になるとの説明でした。

また、今までお茶で薬を飲むのは種類によって効果がなくなると思っていましたが、先生のお話しでは現在製造されている薬ではお茶で飲んでは効果がなくなる薬はないとのことでした。また錠剤やカプセル薬が飲みにくい方は味噌汁等に混ぜて内服されても良いとのことでした。

3章の副作用と相互作用では、副作用として眠気には注意してくださいと言われました。市販薬の総合感冒薬は全ての成分が入っているので特に車を運転する際には注意してくださいとのことでした。相互作用としては酸化マグネシウムのカマグとニューキノロン系抗菌剤(クラビット)では同時に内服すると効き目が落ちるので、抗菌剤を内服してから2時間の間隔をあけて飲むと影響がないとのことでした。食べ物などとの相互作用としては効きにくくなる代表として、ワルファリン(血栓を防ぐ薬)と納豆(ビタミンK)の代表的な説明の中で、ビタミンKを多く含む他の食品としてクロレラ、青汁、緑黄色野菜があるが、緑黄色野菜は特別多くの量をいっぺんに食べることは少ないのでそんなに気にしなくていいですとのことでした。効きすぎになる代表としてはカルシウム拮抗剤(高血圧等の薬)とグレープジュースを説明され、他の柑橘類では温州ミカンは大丈夫であるが、キンカンは相互作用が起こるとのことでした。

002DSCN0507.JPG

(つづく)

糖尿病の食事療法学びました(栄養給食部会:その5)

 筋肉を元気にすることが、高齢者糖尿病の患者にとって大切であると学んだ218日の栄養・給食研究部会研修会。講師の独立行政法人地域医療機能推進機構 宮崎江南病院副院長、松尾剛志先生は次のキーワードとして「歯科医師の参加」を挙げました。その理由の一つとして示したのが「歯周病、歯周炎の問題」。これは糖尿病の合併症として注目されており、慢性炎症はインスリン抵抗性を増大させる一方、加療することで糖尿病コントロールが改善されるそうです。

 また、噛めないと肉などが食べられないなど、噛むことの効用が大きい事や、嚥下性肺炎の問題もあり、歯科医師の参加が大事だとのことでした。

 そして4番目のキーワードとして学んだのが「腸内細菌」。成人の消化管に約1000種類、100兆個、1.5キログラム存在する腸内細菌の特徴や成立および年齢による変化、遺伝的因子の関与は低く、出生直後から離乳期までの環境因子が重要である個人に特有な腸内細菌叢、腸内細菌の重要な役割などを踏まえ、腸内細菌叢が乱れると短鎖脂肪酸を生成する細菌種が減少し、インスリン抵抗性が増大したり、肥満になったりして、糖尿病には非常に悪い事などを学びました。

 そして腸内細菌に注目した糖尿病治療として(1)食事療法、(2)プロバイオティクス、(3)プレバイオティクス、(4)薬物療法、(5)FMTfecal microbiota transplantation)があり、それぞれについての説明が、スライドを用いてありました。

 最後に今回のテーマである「糖尿病の食事療法 ?最近の私の考え方?」について

 

1.ひとそれぞれ!画一した栄養管理方法はなし!

2.カロリー制限は、肥満者のみ!

3.タンパク質を意識した栄養管理方法を!(レジスタンス運動とともに!
筋肉量維持! 腰から下肢にかけての筋肉を元気に!)

4.歯科医師との連携が大切!(歯周病治療、義歯、口腔ケア)

5.腸内細菌にも関心を!(プロバイオティクス、プレバイオティクス)

 

・・・の5項目を提示し、講演を締めくくった松尾先生に、感謝の拍手がおくられました。

IMG_9685.JPG

 情報や意見を交換し、問題意識を共有するとともに、来年度の事業方針を検討し合った午前中、そして糖尿病の食事療法を様々な方向から考え、わかりやすく学ぶことができた午後。栄養・給食研究部会が開いたこの日の研修会は、明日からの業務につながる大変有意義なものとなりました。

(おわり)

糖尿病の食事療法学びました(栄養給食部会その4)

IMG_9650.JPG

「ひとそれぞれ」で、「画一した管理方法がない」という高齢者糖尿病の栄養管理。健康な人と代わらない日常生活の質(QOL)を維持するために、松尾剛志先生は次の3点をスライドに示しました。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

1.”制限する”、”我慢する”などはやめる!

2.口から自分の好きなものを噛んで食べること

・一般的な病院食はおそらくNG! 

・離乳食のような食事はNG !

・見た目は美しく!

・味はおいしく!

・自分の好みを入れる!

・肉や刺身が食べたい!

・食べ慣れたものを食べたい!

“→入院では限界!在宅へ!”

3.少しでも自分で動けること

・自分で歩いてトイレに行きたい!

・自分で外出したい!

“→骨格筋を元気に!”

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

これを踏まえて、認知症やADL低下、転倒、うつ傾向など、加齢に伴う心身の機能の衰えによって現れる身体的・精神的諸症状である「老年症候群」は、高齢者糖尿病の場合、そうでない人に比べて約2倍多く、食事療法や運動療法、そして薬物療法は困難であることなどを学びました。

そして、高齢者糖尿病の人は骨格筋が減少してインスリンによる血糖取り込みが低下(インスリン抵抗性の増悪)する一方、身体活動量も低下することで、糖尿病がますます悪くなることをスライドに示しながら、「筋肉(骨格筋)を元気にすること、維持することが大事です」と説明。ただし、いわゆる”筋肉ムキムキ”というのではなく、年齢と共に筋肉量が減るのを防ぎ、維持することが大事だとのことでした。

(つづく)

最近の投稿

アーカイブ

カテゴリー

老健みやざきFacebook

TOPへ