協会活動報告

改定対応セミナー開きました(事務長会・在宅支援部会:その8)

 「介護報酬6%減」という財務省勧告は、おそらくセミナーを受講した485人全員が非常に高い関心を持っている話題。そこで菊地先生は、1112日に自民党の介護福祉議員連盟が、厚生労働省や全国老人福祉施設協議会(全国老施協)の関係者からヒアリングを行った時の模様を紹介しました。

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 「このとき国会議員が55名、代理が114名参加しました。本人参加が代理参加の半分以下というのは、かなり少ない印象を受けますが、この1112日というのは特別な日だと思います。なぜなら『衆議院を解散する』というのが具体的に出て来た日だからです。実はこの日の他各委員会を見ていると、たくさん委員が欠席しています。自分の所属委員会を欠席して、地元に帰り選挙準備に入っているわけです。その中で議員55人が参加したというのは、やはり注目をあびていると思います」。

 「このヒアリングで、『厚生労働省が現場のリアルな声を受け止めて財務省と対峙すべき』、『介護報酬は上げこそすれ、下げることなどあり得ない』、『現場には介護報酬ダウンのメッセージが流れ、不安が広がっている』、『処遇改善を止めるな』、『内部留保は定義が不明瞭で、社会福祉法人会計の独自性を厚労省から財務省に示すべきだ』などと言った声が次々と上がって、『”介護報酬減”に賛同する声は無かった』と言っています。そしてこの会議の中で、厚労省老健局の三浦公嗣局長が『財務省が言っている6%が妥当だとは全く思っていない。介護報酬改定は事業者のみならず地域経済にも大きな影響をもたらす。改定について日々財務省と議論しているが、かなりの距離感がある。厚労省としても、介護報酬についてしっかり位置づけして挑みたい』と答弁しています。しかしがっぷり四つで喧嘩しては財務省には間違いなく負けます。これからどうなるのか、流動的な部分がたくさんあります」。

 これを踏まえた上で、セミナー後に1年半先送りが明言された消費税10%への引き上げ見送りについて、「これは財務省や財務大臣の考え方とは全く違っています。消費税引き上げが先延ばしされるということは、介護報酬改定だけに限って見れば逆風です。財務省が『子供や子育て支援への財源もなくなってしまい、この状況で介護報酬の金など無い』と、さらにかたくなになると思います」との見解を示しながらも、「財務省の言う6%が決まったわけではありません。おおやけにされるかどうかはともかく、改定率は年内に決まります。介護報酬単価が出てくるのは120日前後に出てきますので、それまでに私たちの声を届けることが必要です。そうしないと介護報酬が6%ダウンされれば、サービスの質は間違いなく低下します」と現場の実態を訴えていく事がケアの向上にもつながり、結果として利用者のためになることを強調しました。

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改定対応セミナー開きました(事務長会・在宅支援部会:その7)

 今回のセミナー開催にあたっては、講師の社会福祉法人登別千寿会理事で特別養護老人ホーム緑風園総合施設長の菊地雅洋先生に対する質問を、あらかじめ受け付けていました。その中でデイサービスについての報酬改定の動向(通常型、小規模への役割や加算に対して等)に関する質問が寄せられており、菊地先生はそれに対する回答を、最新の情勢を交え、次のように述べました。

 「一昨日(1113日)介護給付費分科114が開かれ、そこではっきりと『小規模のデイサービスについては報酬減』という方針が出されました。現在小規模デイサービスはすごく増えてきて、全国で4万件近い事業所があります。しかも立ち上げ資金がかからなくて、夜勤もないから職員も集まりやすくなっています。しかしこのことが夜勤をする職種を減らしているという批判も出ており、『小規模デイサービスをどうにかしなければならない』という動きがあったのですが、これがはっきりしてきました。今まで小規模通所介護は300人以上の通常規模のところより報酬が15%高かったわけです。これを一昨日の数字で言うと実際にスケールメリットが働かない事務経費は7.2%くらいだから半分くらいの加算率に抑えて、小規模通所介護の報酬を抑えようという話です。しかしここで問題なのは『通常規模の通所介護は今のままの報酬が保証されるのか?』ということですが、その保証はありません。もしかしたら下げられる恐れがあります。その(通常規模の通所介護の)下がったものをベースにしてさらに15%じゃなくて7%の加算でやっていくので、かなり報酬が低くなる恐れが出て来ているということです。そして18人以下の地域密着型通所介護については小規模型事業所の基本報酬を踏襲するということです。制度改正当初の議論では、通所介護では規模別ではなく機能別報酬にすると言っていましたが、どうやら規模別報酬という体系自体は今と同じようになるようです。その中で機能を重視したメリハリある報酬ということで、例えば『認知症の方を一定割合受け入れて、認知症介護実践リーダー研修や認知症実践者研修などを受けた人をサービス提供時間を通じて配置していたら加算』とか、『要介護3以上の人を一定程度受け入れてなおかつ看護職員が専従していたら加算』などといった形になると思います。それから人員の緩和ということでは、今は生活相談員がサービス担当者会議に出席する時は『配置とみなす』となってますが、これがもう少し広げて地域ケア会議や利用者宅の訪問などに行った時間も『配置』とみなす措置がとられそうです。それから通所介護の看護師がなかなか見つからない状況で、今は必ず事業所が雇用していないといけませんが、通所介護事業所が看護師を雇用しなくても、地域の病院や診療所、訪問看護ステーションとの契約で健康チェックなどをしてくれる体制をとってくれていたら『配置とみなす』という基準緩和されます。しかし報酬は今言ったように減額の方向になっているので、認知症対応をしているとか、重度者を受け入れているかしていないと、経営はかなり厳しくなってくると思います。これが通所介護の方向性です。」

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改定対応セミナー開きました(事務長会・在宅支援部会:その6)

 多床室の基準費用(居住費負担)の見直しについては「直近の家計費調査における光熱水費を踏まえると、現在1万円に設定されている基準費用額を上回っているため、2000円くらい高くなると思います。ただし補足給付対象者の自己負担額は変わりません。これについては、施設の収入にも反映されます」とのことでした。

 続いて医療・介護総合推進法案の概要に触れた後、菊地雅洋先生が示したスライドには「介護報酬6%減という財務省勧告」というタイトルが打たれていました。

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2014年介護事業経営実態調査の結果が厚労省から出され、その中で収支差率が示され、これを見て財務省が『6%減』と言っているわけです。今、事実として言いますが、これを言っているのは財務省だけです。財務省がこの文書を出した翌日に日本経済新聞が『政府減額の方針』という報道を流しています。これは記事によると財務省とは別ルートで『政府筋が減額の方針を示している』とのことです。これはなぜ6%かというと、収支差率の平均値が8%なわけです。ところが民間中小企業の収支差率が2%なので、非常に単純な引き算で6%削るということです。ところが中小企業と言いますが、我々から見たら民間の中企業はすごい大企業ですよね。そこの分母の数字は全然違いますよね。一方、小規模通所介護が10%の収支差率を出しているからといって、そこの経営者が1000万の給料をもらっているでしょうか。そんなことはないですよね。『社会福祉法人が内部留保を抱えている』と言いますが、じゃあ私は内部留保を抱えている社会福祉法人の施設長で、資産を1億円持っていて、年収が1000万円あるか、というと全然ないわけです。僕と同じ年働いた看護師より給料が低いわけです。その中で役印報酬をゼロにしてやっと収支差率を出している感じです。しかも『内部留保』と言われていますが、あれは『繰越金』です。介護給付費が2ヶ月遅れだからうちで言えば、だいたい6000万円から7000万円は前倒しして法人から出して運営費に充てています。それで考えると、1億円あっても実質の繰越金は3000万円しかない中の内部留保という数字です。ですからこの批判は非常に恐ろしいのですが、やはりこういう数字が出てくると収支差率が一番高い特定施設入居者生活介護(12%)はかなり下げられるということがわかります。次が認知症対応型共同生活介護(グループホーム)(11.2%)で、ここもかなり厳しい報酬になるのではないでしょうか。次が通所介護(10.6%)です。そして特養(8.7%)と老健(5.6%)比べると、やはり特養が高いのでかなり特養も厳しいところに置かれると言われています」との説明に会場には緊張した空気が漂いました。

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改定対応セミナー開きました(事務長会・在宅支援部会:その5)

 次に来年の介護保険の大きな改定点の一つである、一定以上の所得者について介護保険の自己負担が2割になるということに関して説明がありました。「2割負担の問題は、5人に1人くらいが対象になります。しかし、2号保険者は関係ありません。1号保険者だけです。また特養に入っている旧措置者については1割のままです。対象になるのは160万円以上の所得(年金収入に換算すると280万円)がある人で、国が色々な判定基準例を出してそれぞれの市町村がその人が対象になるかどうか判断して負担率を決めた保険証をその人に送りなさいとなっています。この2割負担は来年4月からではありません。所得が7月いっぱいで確定するので8月からと時期がずれます。これは大変です。来年の4月に報酬改定があるので契約を取り直し、さらに8月に2割負担に上がる方は契約・同意が必要になってきます」とのことでした。

 また施設サービスに関して預貯金などが単身1000万円以上あるなど、一定の資産要件を満たした場合、補足給付の対象外となることについて、「いわゆるタンス預金も含め、持っている夫婦の資産全部で把握します。しかし『同一世帯に息子がいて、譲渡したらどうなるか』というと、Q&Aには『息子は関係ないので、1000万円ある方が100万円譲渡したら900万円になるので補足給付の対象となる』と書いてあります。だからこれから施設入所される方については、そういった対応がなされる可能性がありますが、これは違法ではありません」との説明。

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そして、「この補足給付の見直しに関して、資産要件だけが注目されていますが、それよりびっくりしたのは所得要件が追加されたことです。つまり今老健や特養に入られている人で、住所を老健や特養に移して世帯分離し補足給付の対象になっている人は結構いるのではないかと思いますが、これは来年の8月以降はだめになります。つまり世帯分離し、その人が非課税だとしても、配偶者が課税世帯だったら補足給付の対象から外すというのがこの所得要件です。そしてこれは戸籍上の夫婦だけではなく、事実婚の場合でも夫婦と見なされます。これにより多くの人が補足給付の対象から外れる可能性がありますから、このへんも説明と同意が必要だと思います」と注意を促しました。

 さらに「負担段階を決める際、これまでは遺族年金や福祉年金など非課税年金は対象外でしたが、再来年8月からはこの非課税年金も対象となります。これも大きな問題であり、今まで2段階だったのが3段階になる人はたくさん増えて来ると思います。これにより負担が増える人も出て来ますので、今のうちから施設の相談員やケアマネージャーは利用者にきちんと説明をしておかないといけません」と続けました。

改定対応セミナー開きました(事務長会・在宅支援部会:その4)

 また「在宅への流れが強化されます。退院支援のルールを全国で統一しようということで、各地でモデル事業をやっています。現在バラバラにやっている退院の送り状などの書式も統一化される方向でこれから具体化してくると思います」とのことでした。

 次に国が示している介護保険制度の改正案の主な内容をスライドに映しながら、「この中で注目して欲しいのは『特別養護老人ホームの新規入所を、原則、要介護3以上に限定する(既入所者は除く)』というところです。『これは特養の問題だから関係ない』という人が多いのではないかと思いますが、実はとんでもない話です。対象を要介護者3以上の人に限定しようという動きは、前回の改正で24時間対応の定期巡回サービスを作ろうとしたときの最初の報告書に『対象者は要介護3以上の人にしてはどうか』とはっきり書いてありました。しかし議論の中で『介護給付と予防給付しか分かれていない制度の中で、保険料を払っている人のサービスを使う権利を侵害するものだ』という意見が出て、制限はできませんでした。そのかわり、要介護12の人の報酬はとても低くなったという経緯があります。ところが特養でその制限をやったわけです。そうすると、特養で終わるという話ではありません。今後色々なサービスで『これは儲けすぎだな』となるとそうなるかもしれません。老健の場合は在宅へ帰すための施設ですからそうはならないでしょうが、訪問介護の生活援助は『軽介護者は除く』とか、『要介護3以上』ということになる可能性があるということです」と警鐘を鳴らしました。

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 続いて「僕が一番着目しているのはここです」と述べ、「低所得者の保険料軽減を拡充」の項目を指し示した上で、その説明のために準備したという「保険料の標準6段階から標準9段階への見直しの検討」というスライドを示しました。「今回保険料はどうしても5000円以上になるので、低所得者の方については保険料負担ができなくなる恐れがあります。そこで軽減率を高めたわけです。しかしこれを現在の『公費5、社会保険5』でやると、低所得者の軽減強化のために低所得じゃない人の保険料が更に上がるという矛盾が出てきて、この軽減部分については別枠で公費投入しようということですが、これは『公費5、社会保険5』という原則がくずれたのではないでしょうか。これはもしかしたら『やっぱり今の公費負担率では無理で、将来的には”公費6“とかになっていかないとこの制度はもたなくなる』という可能性を表していると思います。そうすると当然消費税10%で”公費6“というわけにはいきません。消費税15%とか20%という中で公費の比率を高めて制度を存続させていくという議論に将来的になっていく可能性がある措置だと思った方がいいです」とし、介護保険制度存続のために公費負担割合を増やすことが必要で、そのためには先頃見送りが発表されたばかりの消費税10%への引き上げが、今後さらに引き上げられる可能性を示唆しました。

改定対応セミナー開きました(事務長会・在宅支援部会:その3)

 「今日は介護保険報酬改定の話をするわけですが、今の時期は微妙です。ただでさえ流動的なところに、衆議院の解散総選挙というさらに流動的な要素が加わってきて、実は確定したことは何もないというのが実際のところです。そのため、『こういう流れになるだろう』という話をします。したがって、大幅に予想がはずれる心配も若干しています」と話し始めた菊地雅洋先生。しかし、「ただ一つ確実に言えるのは、介護保険制度始まって以来の大改正です。そしてこの大改正は2階に上がった人のはしごを全部はずすという厳しい内容だと言わざるを得ません。今回の講演は『(介護保険制度改定に)どう対応する?』というタイトルがついていますが、僕が聞きたいくらいです」と続けると、会場には緊張が走りました。

 まず介護給付と保険料の推移に関するスライドを示しながら、介護保険制度の改正に関し、厚労省が最も重視しているのは「制度の持続性」であり、その一番の目安としているのが「保険料がいくらになるか」ということ。そして65歳以上の人口がピークとなる2015年に5000円を超えないことを目安にこれまで運営してきたこと。それによって団塊の世代が75歳となる2025年にはサービスの量を調整することで制度を維持させようと2003年に計画されたこと。そして2025年の段階で保険料が1万円になったらこの介護保険制度は持続が困難となり、なんとか8200円程度で抑えようと様々な給付抑制策になっていることなどを、その背景などを踏まえて学びました。

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 続いて「2015年介護保険制度は一括法処理」として(1)地域における医療および介護の総合的な確保を推進するための整備に関する法律案、(2)医療制度改革の流れの中での介護保険制度改革、(3)給付の重点化・効率化の流れの中での制度改革、(4)入院から、できるだけ早く家に戻ってもらうという流れが強化された医療制度改革の流れの中での、地域包括ケアシステム・・・の4項目を示しながら、「診療報酬は2年に1度の改正、介護報酬より1年サイクルが短い。すると何が起こるかというと、診療報酬の方が政府の意向を強く、そして早くくんで改正されていきます。ですから介護保険制度改正と報酬改定はその風下になります。風上にある診療報酬改正の動向を見ることによって、今後の介護保険の流れがわかるというのと、それに飲み込まれてしまうという部分があります。去年の診療報酬改定で何がおこったかというと、病床区分が変更され、入院期間を短くして在宅へ帰すという流れが強くなってきました。当然介護保険もその流れに沿って、在宅支援の部分は強化される、つまり報酬も厚くなり、そうじゃないところからは報酬を減らすいうことが行われていくわけです。また訪問診療の同一建物の減算の流れが介護保険にもくる可能性があります」などと具体例を出しながら説明がありました。

改定対応セミナー開きました(事務長会・在宅支援部会:その2)

「介護保険改定への対応セミナー2014」は、介護老人保健施設ひむか苑の伊福香織事務長の司会で進められました。

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 講師は社会福祉法人登別千寿会理事で、特別養護老人ホーム緑風園(http://www.ryokufuu.com/index.shtml)の菊地雅洋総合施設長。菊地先生はブログ「masaの介護福祉情報裏板http://blog.livedoor.jp/masahero3/)」、掲示板「介護・福祉情報掲示板http://www.ryokufuu.com/patio/patio.cgi)」など、ネット上で介護や福祉に関する情報を全国に発信されています。

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 また、「人を語らずして介護を語るな masaの介護福祉情報裏板」、「人を語らずして介護を語るな2 傍らにいることが許される者」、「人を語らずして介護を語るな THE FINAL 誰かの赤い花になるために」、「介護の詩(うた) 明日へつなぐ言葉」(いずれもヒューマン・ヘルス・システム社)などの著書も多数出されています。さらに全国各地での講演も精力的にこなされていますが、実は九州で唯一未実施だったのが宮崎県。今回のセミナーで「九州全県制覇」となったそうです。

 とはいえ、登別市の介護認定審査員や民生委員推薦会委員、老人ホーム入所判定会議委員、さらに北海道地域密着型サービス外部評価委員、総合健康推進財団訪問指導員など、数々の要職もこなされ日々ご多忙な上に、北海道から空路直行便がない本県入りとあって、大変なご足労をおかけすることとなってしまいました(上記ブログ「masaの介護福祉情報裏板」では『思い出深い宮崎県講演で九州は全県制覇です』と題し、その苦労談が紹介されています。ご多忙の中、遠路はるばる来県下さり、本当にありがとうございます)。

 しかし長旅の疲れの片鱗も見せること無く、エネルギッシュで滑舌良く話し始めた菊地先生の講演に、受講者は一気に引き込まれていきました。

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改定対応セミナー開きました(事務長会・在宅支援部会:その1)

 (公社)宮崎県老人保健施設協会事務長会と在宅支援研究部会は1115日、宮崎市のコンベンションセンターで「介護保険改定への対応セミナー2014」を開きました。会員老健施設や特養、グループホームなどから485人が参加しました。社会福祉法人登別千寿会理事で特別養護老人ホーム緑風園の菊地雅洋総合施設長による講演があり、来年度の改定に向けての対策や心がけなどを学びました。

 このセミナーは事務長会と在宅支援研究部会が共同で企画、準備を行い、この日開催の運びとなったもの。当初300名の参加を予定していたものの、それを大幅に超える485名のもの参加申し込みがありました。会員施設の役職員の250名に対し、特別養護老人ホーム、グループホーム、居宅介護支援事業所、小規模多機能居宅介護施設、行政関係など会員施設以外からの申し込みが全体の半数近くを占め、どの事業所も今度の改定に対する疑問や不安、対応策などといった並々ならぬ関心の高さが伺われました。関係者は会場レイアウトを変更したり、準備資料数を増やすなど準備に追われました。

 セミナー当日も、早くから集合したスタッフは、会場設営や受付などに奔走しました。

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 午後2時にいよいよ開会。挨拶にたった事務長会の川崎豊彦委員長は「本日は週末の忙しいところ、予想を大きく上回る参加をいただき、心より感謝申し上げます。これもひとえに講師である菊地雅洋先生の偉大さとお話への期待の表れだと思います。皆様はそれぞれの事業所で、色々な問題を抱えておられながら、日々邁進されていることでしょうが、今度の改定はご存知の通り、それに追い打ちをかけるようなマイナス改定です。これをどう乗り切るか。『しかたがない』とあきらめられるものではありません。今日は菊地先生のお話にヒントをつかんで帰って欲しいと思います。また、地域包括ケアシステムが構築への取り組みが進められている現状に鑑み、ご自分の事業所だけでなく、その周囲がどうかわるのかも含めてご理解いただけるとありがたいと存じます」と満席となった会場を見渡しながら呼びかけました。

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介護保険改定対応セミナー開きました(第一報)

 (公社)宮崎県老人保健施設協会事務長会および在宅支援研究部会は1115日(土)、宮崎市のシーガイアコンベンションセンターで、「介護保険改定への対応セミナー」を開きました。

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 講師に社会福祉法人登別千寿会理事で、特別養護老人ホーム緑風園の菊地雅洋総合施設長をお招きし、「介護保険改正にどう対応する? 老健は? 特養は? グループホームは? 居宅支援事業所は?」と題し、講演をしていただきました。会員老健施設をはじめ、特養、グループホームなどの関係者485人が参加し、会場は満席となりました。

 このセミナーの模様は、後日レポートしますのでお楽しみに。

感染症対策学びました(看護介護部会:その13)

 最後に院内感染対策のポイントおさらいし、そして受講者から要望の多かった疥癬の対応等について説明が行われ、講義が終了しました。

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【院内感染対策のポイント】

〇針刺し事故・・・リキャップしない、分注時は試験管立てなどを利用

〇足踏み式のゴミ箱・感染廃棄物容器の設置

〇ゾーニング(点滴準備台・シンク)・・・交差感染のリスク

〇洗面台の水はね対策、スポンジの乾燥

〇内視鏡の管理・・・使用簿、洗浄・消毒の記録、エプロン着用

〇医療機器・・・滅菌期限切れはないか

〇消毒薬の開封月日の記載

〇汚物処理室・・・エプロン着用、消毒液への漬け方、水洗レバー(手で直接触らずに使えるか)

〇経管栄養ボトル、チューブの乾燥

〇リネン・・・清潔リネンを床に置いていないか、清潔・不潔リネン庫が整備されているか

〇院内感染対策マニュアルの改訂

〇一処置、一手洗い(手袋は万能ではない・・・手洗いは大事!!)

〇汚染物はなるべくその場で処理(個室隔離などの場合は部屋の外へ持ち出さない)

〇消毒は有機物を除去してから行う

〇必要に応じて感染防護具を使用(不必要に使用しない、ちゃんと処理しなければ逆に感染源になることもある)

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 なお、厚生労働省の高齢者介護施設における感染対策マニュアルhttp://www.mhlw.go.jp/topics/kaigo/osirase/tp0628-1/)もホームページにアップされているので活用してほしいとのことでした。

 

 高齢者施設に勤める者にとって、感染症対策は利用者の生命をも左右しかねない重要な課題とあって、会場からは質問が相次ぎました。

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 研修会終了にあたり、ご多忙の中を縫って起こし下さり、明日からの実践に役立つ具体的な講義をしていただいた西田敏秀先生に、会場からは感謝の拍手が贈られました。

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 終了後も個別に質問に走る受講者で、たちまち「行列のできる感染症対策相談所」状態となったにもかかわらず、笑顔で、しかし真剣に対応していた西田先生。本当にありがとうございました。

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(おわり)

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