雑談

食うべきか食わざるべきか

  125日の朝日新聞。「おなかすくと記憶力アップ」という記事がありました。東京都医学総合研究所のチームが、ショウジョウバエを使った研究で「空腹で血糖値が下がりインスリンの出る量が減ってくると、記憶に必要なたんぱく質(CRTC)が活発に働いた」ということを発見したそうです。

 この研究で使った”はらぺこショウジョウバエ”、なんと9時間から16時間も絶食にしたものを用いたそうです。これはなかなか辛いですよね。「腹が減っては軍(くさ)は出来ぬ」と言いますし・・・。しかし研究結果によれば、食事をしたハエよりも記憶力が良かったとのこと。

「人間でも同じ仕組みが働いている可能性があり、朝食前の空腹時に勉強すると効率よく記憶できるかもしれない」と記事にはありました。老健施設に勤める方等におかれましても、資格試験をはじめ、色々と勉強をされることがあるかと思います。この”空腹時勉強法”、はたして人間でも効果が認められるかどうか!?気になるところです。

そう思いながら読んでいたこの記事の横に載っていたのは・・・なんと「あずきバーの商標登録が認められた」という何とも美味しそうな話題。両方の記事を読み比べているうちに、たまらなくおなかがすいてきてしまいました。食うべきか?食わざるべきか?それが問題だ。うーん<(_ _)>

入浴中の急死

 23日の宮崎日日新聞の1面。入浴中に急死される人が年間17千人にも上るという記事が載っていました。何とも痛ましく、悲しく、そして重たい数字です。

 これは東京都健康長寿医療センター研究所が推計したもの。「入浴関連死」と呼ばれ、高齢者が入浴中に意識障害を起こしておぼれたり、脳卒中や心筋梗塞により急死したりすることを言うのだそうですが、それが全国で年間17千人。あまりにも多すぎる数であり、本来ならば楽しく快適であるはずの「バスタイム」が、実は死の危険と背中合わせであるということを、数字は示しているように思います。記事によれば、厚生労働省は具体的な発症要因を探り、防止策につなげるべく実態把握を進める方針だそうです。

 大沢在昌の小説『ダブル・トラップ』(集英社)の中で、主人公の加賀哲とその妻、美里が交通事故に遭い、妻が死亡するのですが、それを主人公は「事故にあったとき、私達が数字に含まれた。死者一・・・私の妻、美里が数字にかわった」と表現しています。尊い命が数字に置き換えられる事の虚しさを改めて思い知らされました。

 老健施設に勤める者の一人として、安全で楽しく快適な入浴を提供する責任の重さを痛感した記事でした。

建国記念「の」日


  211日は「建国記念の日」です。つい「建国記念日」と言い間違いがちです。そろどころか53日の「憲法記念日」とこんがらがってしまいそうになってしまったりはしないでしょうか(^_^;)。ほとんどの祝日は「春分の日」、「敬老の日」というように、「〇〇の日」となっています。そうでないのは「元旦」、「憲法記念日」、そして「天皇誕生日」の3つだけ、のはずです。

 また、1847年の211日は発明王トーマス・エジソンの誕生日でもあります。エジソンの言葉に「最初のひらめきが良くなければ、いくら努力してもダメだ。ただ努力だけという人はエネルギーを無駄にしているにすぎない」というのがあります(『生きる力がわいてくる明言・座右の銘1500』、(インパクト・編、ナガオカ文庫)いかにもエジソンらしい明言だなあ、と思います。

 「ひらめいた!」というとき、漫画ではよく頭上に電球(白熱電球)がぱっとついたイラストが用いられますが、この電球もエジソンの偉大なる発明品の一つです。電球の発明により、世界の夜が明るくなったわけですから。

 しかし、今はLEDの時代。それに伴い、日本においてこの電球の生産は終了しました。漫画の「ひらめいた!」のイラストも、かつては電球の特徴であるフィラメントが”くるくる”っと描かれていましたが、この絵も変わっていくのかなあ、と思ったりする今日この頃です。

 そうだとしても、エジソンの言うとおり「ひらめき」は大事です。そのためにも日々の業務を漫然とこなすのではなく、常に「今のやり方はこれでいいのか?問題はないのか?違うやり方はないのか?そのために必要なものは何か?」と考えながら、そこから何かを「ひらめく」ことができるようにしたいものだと思います。

 余談ですが、人間の身体においても「ひらめき」は大事です。これはふくらはぎの後部にある筋肉です。人が重力にあらがって立っているとき、この「ひらめき」は、首の後ろ(頸部伸筋群)、背中(脊柱起立筋)、太ももの後ろ(ハムストリングス)などとともに、頑張って働いており、これらを主要姿勢筋群(prime postural muscles)と呼びます。いやあ、本当に、「ひらめき」は大切ですねぇ・・・。え!?何か違う?それは「ひらめき」じゃなくて「ヒラメ筋」でしょうが!って?・・・☆=>=>=>(+_+。)あいやー、大変失礼いたしました。お後がよろしいようで。

ひなたぼっこ?日光浴?

 寒いです。昔のCM風に言ったら「ちゃっぷいちゃっぷい」です(なに!知らない?)。南国宮崎だって寒いんです。だって氷が張ったスケート場も、雪の積もったスキー場もあるんですから。

 こんな季節の晴天時、日当たりの良い縁側などで「ひなたぼっこ」をすると気持ち良いものです。冬の良いところは、お日様が部屋の中まで入り込んで来てくれること。その日ざしと温もりに包まれ、お茶でも飲みながら、本を読んだり、会話を楽しんだりするのは至福のひとときとも言えるでしょう。

 同じように太陽に当たる行為として、「日光浴」があります。はてな?と考えました。「ひなたぼっこと」と「日光浴」一体どう違うんだろう?そこで両者の違いを比較・検討してみました。ただし、あくまでも独断と偏見によるものです。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

(1)冬にするのが「ひなたぼっこ」、夏にするのが「日光浴」

(2)厚着でするのが「ひなたぼっこ」、水着でするのが「日光浴」

(3)屋内の窓際でするのが「ひなたぼっこ」、海の水際でするのが「日光浴」

(4)温まるのが「ひなたぼっこ」、焼くのが「日光浴」

(5)暖房費節約に寄与するのが「ひなたぼっこ」、健康増進に寄与するのが「日光浴」(昔はそう言ってたけど・・・)

(6)みかんの皮をむいて食べるのが楽しいのが「ひなたぼっこ」、自分の皮をむいて捨てるのがつらいのが「日光浴」

(7)家の飼い猫がするのが「ひなたぼっこ」、世界最大のトカゲ、コモドオオトカゲがするのが「日光浴」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

 このように列挙してみましたが、うーん、当たらずとも遠からず、と言ったところでしょうか。そこで、餅は餅屋!日なたのことなら日向の国、宮崎に聞け!というわけで、宮崎弁からみた双方の違いを紹介します。

 

「ひなたぼくり」と言うのが「ひなたぼっこ」

「てんころぼし」と言うのが「日光浴」

 

 おお!さすがひむかの言葉。色々と御託を並べるよりも、このように言い表す方がずばりと核心を突いているようですね。ここはひとつ、ひなたぼくりでもしながら、郷土の昔話などを読んでみるとしようかなっと。

 

※参考文献:『新宮崎市方言辞典』(玉木徹志・田代 学、江南書房)

増える人のミス

 介護関連機器の技術革新は日進月歩。異業種からの参入も相次ぎ、これまでになかった画期的な製品が世に出てきています。ニュースでそれらを知るたびに、是非是非使ってみたい気持ちになってしまいます。負担が軽減され、安全、安心なケアができて、仕事が楽になるだろうなあ、と。

 そんな中、「人間がミスをするのは当たり前で、特に機械がレベルアップすればするほど、ミスは増えていく」という言葉と出会いました。関西学院大学教授の野田正彰さんが述べたものです(『プレジデント名言録 part?』、「プレジデント」編集部)。

 言葉は次のように続きます。

 「逆だと思ったら大きな間違いで、機械の精度が上がるとミスがなくなると思うのは誤解である。それを乗り越える方法は、デモクラティックな職場環境をつくっていくことに集約される。働いている人間が楽しくなくてもいいと考えるのは大きな誤りで、働いている人間が気持ち良く仕事ができる職場をつくることが大事で、これが健全な組織と安全につながるのである

 せっかくの便利な機械を導入しても、それによって油断や甘えが生じ、さらに人間関係まで疎遠になってしまえばミスも起こるし、利用者様へのケアの質も低下しかねません。機械を導入することによって、いかに良い職場環境を作るか、それがあって初めて質の高いケアが提供できるのだと思いました。

老人の場所から見た世界

 111日の宮崎日日新聞を読んで「クスリ(^ ^)」と笑った方も多かったのではないでしょうか。「お年寄り川柳が人気」という記事です。

 

「誕生日 ローソク吹いて 立ちくらみ」

「気がかりを 晴らしてくれた 内視鏡」

「LED 使い切るまで 無い寿命」

 

 「えっ?(゜゜)」とびっくりするような川柳に、かつての「赤信号 みんなで渡れば こわくない」という漫才ネタを思い出したのですが、これらの作品が全部、高齢者自らによるものと知って二度びっくり。そして思わず「クスリ(^^)」と読んでしまいました。

 記事では千葉県の老人ホームの入居者が作っている川柳グループの活動が紹介されていました。入居者自らが先生役となって他のメンバーを指導、各自がひねった作品を採点し合っていました。

 また、全国有料老人ホーム協会の主催で実施している「シルバー川柳」の盛況ぶりも載っていました。当初1回限りのつもりで公募したところが、大反響。毎年の開催となり、応募総数は11万句を超えたというから驚きです。

 「誰でも年を取るし、年を重ねて分かることもある。句から悲哀を感じるところが面白いと思う」という関係者のコメントが印象的でした。自らの老いを受け入れ、それを悲しむばかりでなく、笑いに変えていく。そしてそれを皆で笑い合って、さらに年齢を重ねていく・・・超高齢化社会をこのように笑って過ごしていくのは素晴らしいと思いました。

 「夕映えが美しいように、老人の場所から見た世界は美しいのです」と言ったのは伊藤整(『いい言葉は、いい人生をつくる』斎藤茂太、成美文庫)。老健施設の利用者様は、一体どんな美しい世界が見えているのでしょうか?聞いてみたいな。できれば川柳にしてもらって。

あげあげライジング(´∀`∩)↑age↑d

 42歳。クルム伊達公子選手の快進撃に拍手喝采でした。全豪オープンテニスで最年長勝利記録を更新しました。クルム伊達選手の代名詞とも言えるライジングショット。ボールがバウンドして上がってくる所を打ち返すから、相手からすれば「えっ!?もう戻ってきたの( ゜Д゜)?」って感じでしょうか。しかも角度もついている上に、あの抜群のボールコントロールでライン上を狙われたら若い選手もお手上げなのではないでしょうか(,,゚Д゚)∩。誰にでもできる技ではありません。

 最年長勝利について116日の宮崎日日新聞には「コートでは相手が誰であろうと、私が何歳であろうと関係ない」というコメントが紹介されていましたが、全くその通りです。かつて世界ナンバーワンのシュテフィー・グラフ選手を相手に、あの強烈なフォアハンドを、ライジングショットで勢いそのままに、熨斗(のし)を付けて打ち返し続けて勝利した、あの感動の名場面をそのまま再現するような活躍ぶりを見てひとしおならぬ感動を覚えました。

 クルム伊達公子選手の活躍は、全仏、全英、全米とまだまだ続くものと期待されます。その快進撃はきっと彼女のプレイスタイル同様、ライジング。あげあげ(´∀`∩)age↑になるでしょう。宮崎でテレビ放送される試合が少ないのは残念ですが、応援していきたいと思います。

 さて、スポーツ界から一転して今度は文学界の最年長記録。第148回芥川賞に史上最年長となる75歳!の黒田夏子さんの「abさんご」が選ばれました。デビューは昨年といいますから2度ビックリです。

 117日の朝日新聞の「ひと」欄には、黒田さんが写真付きで紹介されていました。「前例の無いものが書きたい。新しさが目的ではなく、自分の表現したいことを表現できる書き方を見つけたいと思ってきた」というコメントが載っていました。大変失礼ながら、これが75歳の方の発言とは!!すごすぎる!!と少なからぬ驚きをもって読みました。そして我が身を顧みて、まだまだ頑張らなくては!と反省しました。

 「文章からカタカナや人名、固有名詞が消えていった。ひらがなを多様、しかも受賞作『abさんご』は横書きだ」と書いてありましたが、もちろんそれだけでは内容はわかりません。早く読んでみたい気持ちで一杯です。

 クルム伊達選手といい、黒田夏子さんといい、「最年長」として紹介されていますが、お二人とも「まだまだこれから!!」という強い意欲、熱意があるような印象を受けます。まさに「あげあげ」、まさに「ライジング」今後ますますのご活躍に期待するとともに、自らも「もう歳だから」などと年齢のせいにして努力を怠ることなく、頑張らなくてはならない!と思ったニュースでした。

鵬翔高校おめでとうヾ(^v^)k

 やりました!その瞬間、宮崎県じゅうが歓喜に湧きました。サッカーの第91回全国高校選手権。全国4,175校の頂点に宮崎県代表の鵬翔高校が立ちました。119日の京都橘との決勝戦はまたまたまたまたPK戦。ハラハラ、ドキドキ。だけど必ずやってくれると信じていました。県民皆がそう思っていたはず。そして現実にそれをやってのけてくれたのだからやっぱりすごいです。おめでとうございます。

 老健の利用者様の中にも、自分の孫や親戚が出場しているという方がおられたかと思います。さぞかし大喜びのことでしょう。

 20日の新聞トップに、でかでかと「鵬翔高」の活字が踊るそんな中、もう一つ「鵬」の字が目に留まった方も多かったと思います。そうです。元横綱大鵬の納谷幸喜(なや
こうき)さんが逝去された事が報じられていました。「巨人、大鵬、卵焼き」の大横綱、大鵬です。老健を利用されている高齢者世代にとっては押しも押されもせぬヒーローです。大喜びの一方で、驚き、あるいは悲しみの念を抱かれた利用者様もおられたのではないでしょうか。

 ずいぶん前のことですが、親方時代の大鵬を実際に間近でお見かけしたことがあります。テレビで見るよりも圧倒的に大きく、白い肌、そして透き通るような目。何よりも優しそうな表情が印象的でした。

 「鵬」を『広辞苑』で調べると次のように載っていました。

 

「〔荘子逍遥遊〕 想像上の大鳥。鯤(コン)という魚が化したもので、翼の長さ三千里、九万里の高さまで飛ぶとされる。おおとり」。

 

 「鵬翔高校」という、平成の「鵬」が天高く舞った同じ日に、「大鵬」という昭和の「鵬」が静かにはばたくことをやめた・・・。それは偶然とは言え、何とも言えない複雑な気持ちがしました。

 大鵬関、昭和の日本を熱く、元気にしていただきありがとうございました。ゆっくりと羽を休めて下さい。そして鵬翔高校のみなさん、感動をありがとうございました。今回の快挙を新たな揚力として、さらに高く高く舞い上がって欲しいと願います。

春化処理

 「春化処理(しゅんかしょり)」とはロシア語の「ヤロビザーチヤ(yarovizatsiya)の日本語です。『広辞苑』には次のように書いてあります。

 

「ソ連のルイセンコがその発育段階論に従って提唱した植物処理の方法。例えば、秋播作物の種子を催芽して低温処理し、春播いて結実させるようにすること。ヤロビ。春化処理。バーナリゼーション」

 

 全く関係ないのですが、120大寒。調べなきゃ良かったのですが、これまた『広辞苑』をひいてみました。

 

「非常に寒いこと。また、その時・・・」

 

あーあ、やっぱり調べるんじゃなかった(‘A`)。言われなくても寒いんです。早く暖かくならないかなあ。そんな時にふと思いついたのが冒頭の言葉。

 

「春化処理:大寒の非常に寒い時に、あたかも春が来たかのように南風をそよそよと吹かせて、人々の身も心もあったかーくすること(*゚∀゚*)」。

 

・・・ってなぐあいの「春化処理」、ないかなあ?ないよなあ。そんなことをしては自然の摂理に反しますし、地球温暖化がいっそう進む原因にもなるかも・・・。「小寒の氷大寒に解く(大寒がかえって小寒よりも暖かなこと。物事が必ずしも順序通りにゆかないことにいう、『広辞苑』より)」となってはいけませんものね。

 ともかく冬本番です。インフルエンザをはじめ、感染症への対策を心掛け、利用者様の体調管理に万全を期しましょう

 

 

Aβ42とAβ38

 14日の朝日新聞の記事。「Aβ(アミロイドベータ)42」と「Aβ38」いう言葉が目に留まりました。新たなアイドルグループの名前ではありません。私たち老健施設で働く者にとって関係深い物質です。 

 「アルツハイマー物質 できる仕組みを解明 大坂大のグループ」と見出しの立ったその記事。神経細胞にあるたんぱく質の一つが、ガンマセクレターゼという酵素で切断されてできる毒性の高いAβ42が脳内にたまることで起こるアルツハイマー病について、この酵素とAβ42をさらに反応させると、毒性の低いAβ38に分解されることを、同大学のグループが突き止めたのだそうです。

 今まではAβ42ができないよう、この酵素の働きをじゃまする薬剤の開発が進められてきたとのことです。しかし今回の研究結果により、むしろ酵素を活性化させて、Aβ42Aβ38に分解する薬の方が、治療効果が高まるのではないかと新たな治療薬づくりにつながる可能性があるのだそうです。

 一度読んだだけでは理解しにくかったのですが、掲載された模式図を参考にしながら読み直すうちに、「これはすごいことだ」とわかってきました。老健施設に限らず、高齢者を対象にした仕事に携わる者にとって、認知症への理解と対応は避けて通ることはできません。そのような中、認知症に関する研究も、国内外でこのように進められていることを改めて知らされた記事でした。実用化に向けてさらなる研究が進められることを切望しながら、私たち自身もまた、認知症ケアのスキルアップを目指さなければならない、と思いました。

最近の投稿

アーカイブ

カテゴリー

老健みやざきFacebook

TOPへ