雑談

天然のイルミネーション

 県内はもとより、全国的にクリスマスモード。各地でイルミネーションの輝きが見事な芸術となって人々の目を喜ばせ、心をなぐさめてくれています。昔はミニ電球だったイルミネーションも今はLEDとなって省エネであるばかりでなく、美しさが増したのではないでしょうか。

 関係者がアイデアを出し合い、工夫をこらし、さまざまな光の芸術が出来上がっていて、それはもちろん素晴らしいのですが、宮崎県は全国でも屈指の星が綺麗なところであることも忘れてはいけません。

IMG_3676-1(s).jpg

 写真は西都市の某所で撮影した1枚。人工の光に負けるものか!と言わんばかりに、空の星を集められるだけ集めて輝いているように思います。その名の通り「オールスター」、と言いたいところですが、星の数はまだまだこんなもんじゃないわけで、宇宙の途方も無いスケールの大きさに驚かされます。

 各老健施設でもクリスマスツリーをはじめ、屋内外の飾りでクリスマスの雰囲気をかもし出しているかと思いますが、寒さ対策をしっかりした上で、この天然のイルミネーションを楽しんでみてはいかがでしょうか。

冬至です(ひるまあるけどひるまないで!)

  1222日は冬至、一年で最も昼間が短い日です。

IMG_9048-1(s).jpg

 上の写真は去年の冬至・・・と言いたいところですが、1223日の一枚。非常に寒い朝で、畑には霜が降りて、東から西に真っ白なラインを引いていました。一方、空にはすじ状の雲が、北から南に黄金色のラインを引いていました。それぞれのラインがシャキーンと伸びていて、なかなか綺麗なものだと思いながら眺めていました。

 するとその間から、お寝坊(?)な太陽が顔を出してきました。しかし「遅くてゴメンナサイ」とお詫びのしるしか、これまた黄金色の見事な朝陽!!うっとりしながら寒さも忘れてシャッターを押した次第です。太陽の出演時間は短いけれど、空が広く、自然豊かな宮崎県の魅力をひしひしと実感した瞬間でした。

 そんなこんなで今年も冬至がやってきました。会員老健施設では、お風呂をゆず湯にしたり、食事の献立にカボチャを用いたりして、「ああ、今日は冬至じゃね?。ゆず湯はいいねえ」、「冬至はやっぱりカボチャを食べて、風邪を引かんようにせんとね」などという会話が弾むのではないでしょうか。

 冒頭にも述べましたが、日本における冬至は「昼間が最も『短い』のであって、「昼間が『ない』」わけではありません。安心して下さい、昼間ありますから。

ところで、冬至を過ぎたこれからの時期はますます寒くなります。寒さ対策、感染症対策などに「ひるみ」があってはいけません。利用者のケアに「ひるまない」ようケアの徹底に心掛けましょう。

赤城の山も

 「赤城の山もこよい限り・・・」の名ゼリフで知られる国定忠治が死刑に処されたのは1850年の1221日、今から165年前だそうです。広辞苑には「江戸後期の侠客。上州国定村生れ。本名、長岡忠次郎。博奕渡世で罪を重ね、磔刑。上州長脇差の典型的人物として浪曲・大衆演劇に脚色される。国定忠治とも書く(1810-1850)」とある国定忠治。股旅演歌を語る上でも外すことはできない一人と言えます。

 「男心に 男が惚れて 意気が融け合う 赤城山・・・」で始まるのはご存知名曲「名月赤城山」。

IMG_8235(1s).jpg

(↑「澄んだ夜空の まんまる月に 浮世横笛 誰が吹く」と続きます)

この曲は国定忠治を歌った、昭和14年の作品で、作詞矢島寵児、作曲菊地博、そして歌うはもちろん東海林太郎。「足のまわり1尺四方が私の命の道場です」という名言の通り、燕尾服をピシャッと身にまとい、直立不動で歌う姿には胸を打たれたものでした。

 そしてこの東海林太郎の代表曲と言えば間違いなく「泣くなよしよし ねんねしな 山の鴉(からす)が 啼いたとて・・・」で始まる「赤城の子守唄」です。作詞佐藤惣之助、作曲は竹岡信幸。歌手としても名を馳せた名優高田浩吉主演の松竹映画「浅太郎赤城の唄」の主題歌で、上山敬三の解説(19726月)によると、「親分国定忠治への義理立てから叔父を切り、その首を抱え遺児の勘太郎を背に赤城山を越える板割の浅太郎が歌う子守唄」と紹介されています。昭和9年発表の曲で、先述の「名月赤城山」はこの姉妹編になります。

 かつては忘年会などの宴会芸で座布団を浅太郎代わりに背負い、「なくぅーなぁーよぉーしぃーよぉーしぃー」とやっていましたが、はたしてこの曲で眠りにつく子供などいるだろうか?と疑問だったのですが、なるほど上記解説には「題名は子守唄だが股旅流行歌であることに間違いはない」と続いていました。

 国定忠治没後165年。各会員老健施設ではクリスマス会や新年会が企画されているかと思いますが、その中の余興として、忠治よろしく「赤城の山もこよいかぎり・・・」と寸劇をやって、「名月赤城山」や、「赤城の子守唄」をみんなで歌ってみてはいかがでしょうか。IMG_3738-1(ss).jpg

せしかう(2015残りあと2ウィーク)

 ついこの間スタートしたと思った2015年。気がつくとなんとあと2週間になってしまいましたヽ(゚ω、゚)ノ。月日が過ぎるのが何と早いことでしょう。

 タイトルの「せしかう」は宮崎弁で「慌てている。差し迫っている。差し迫って困っている。忙しい思いをする。うろたえる」という意味です(「新宮崎市方言辞典」、公民協働編集、江南書房)。この「せしかう」の進行形で「せしこちょる」というのもありますが、老健施設で働くスタッフなら、利用者が「せしこちょるが」などと言われるのを耳にしたことがあるのではないでしょうか。

 各施設では新年に向けたもちつき大会や門松・しめ縄飾りの準備、そして大掃除などなど、まさに「せしこちょる」のではないかと思いますが、だからと言って利用者のケアをおろそかにするわけにはいかないのは言わずもがな。むしろこういう「せしこちょる」時期だからこそ、いつも以上に細心の注意を払ってケアに当たって参りましょう。

 それはそうと、かつてなら年末の各家庭に見られたおせち料理の準備風景、最近はあまり見かけなくなって、お店から購入する方が多くなってきたように思います。ただでさえ慌ただしい、すなわち「せしかう」ようになった現代社会。おせちを作る余裕もなくなってしまい、「せちかう」ようになったのでしょうか・・・・・お後がよろしいようで。IMG_3213-1.jpg

カラではない空

 10月になり、さすがに秋めいてきました。あの夏のうだるような暑さはどこに行ってしまったのか、と思うくらい朝晩には肌寒さすら感じるようになりました。

 それにともなって、星がきれいに見えるようになってきました。夜の時間も長くなり、またブルブル震えるほどの寒さではないので、星を眺めるにはちょうど良い季節と言えるのではないでしょうか。

IMG_2500-1.jpg

 掲載した写真は先月撮影したものですが、「満天の星空」というのはこういうことをいうのかな、と思うくらい星がひしめき合っています。星同士がぶつかってしまわないだろうか?などと余計な心配までしかねないこの状態を見ていると、「空」という字にちょっとした矛盾を抱いてしまいました。

 「空」と書いて「から」と読みます。「お菓子の箱を開けたら空っぽだった(T-T)」などと言いますが、「広辞苑」には「内部にものがないこと」と載っています。

たしかに昼間の空は太陽が一個だけで、あとは何もないのでほぼからっぽと言っていいのかもしれません。しかし夜なると空にはこれだけの星が出現しますから、こうなるともうからっぽとは言えませんね。

それはともかく、夜空が綺麗なこの時期。星に願いをかけながら眺めてみるのも良いのでは内でしょうか。

介護小説「スクラップ・アンド・ビルド」

 第153回の芥川賞の発表は、いつもに増して世間の高い関心を集めたのではないでしょうか。今回の受賞作は又吉直樹さんの「火花」、そして羽田圭介さんの「スクラップ・アンド・ビルド」の2作品となりました。特に「火花」は芸人でもある又吉さんによる純文学とあって、大変な話題となりました。漫才も小説も言葉を大事にするものであるとともに、又吉さんが漫才界きっての読書家でもあるためか、非常に言葉の遣い方が巧みで、またお笑い芸人にスポットを当てながらも、抱腹絶倒とは程遠い、むしろ芸人の悲哀をリアルに描き上げた素晴らしい作品だと思いながら読みました。

 そしてもうひとつの受賞作、「スクラップ・アンド・ビルド」は、サラリーマンの職を失った28歳の青年健斗が87歳の祖父を介護する内容です。「健斗にもお母さんにも、迷惑かけて・・・・・本当に情けなか。もうじいちゃんは死んだらいい」と、ことあるごとに老いて弱りゆく自らの心身を嘆き続ける祖父に対し、健斗は「献身的」な介護に努めます。しかしそれは祖父のいきいきとした生活や人生を支えるためではありませんでした。「苦痛や恐怖心さえない穏やかな死」、すなわち「究極の自発的尊厳死」を望む祖父の手助けをしてやろうと、健斗は祖父が自力で出来うることまで介助することで、その能力を喪失させることが狙いだったのです。それにより祖父のADL能力は確実に低下するとともに、家庭内外における役割を喪失させ、活動や参加の機会を奪っていくことが、「死にたい」という祖父の願いを成就させる近道だと。そうやっているうちに話は進み、ある一つのアクシデントをきっかけに健斗は自分の「大きな思い違い」に気付いたのでした・・・。

 老健施設で働く者の一人として、2つのことについて考えさせられた作品でした。一つ目は「過介護」の問題。リハビリテーション介護をベースとし、利用者のADLを適正に評価した上で必要な介助を行いながらその向上をはかるとともに、様々な社会資源を多面的に活用することで在宅復帰、そして在宅生活支援を行うことを使命とする老健施設において、転倒や転落等をはじめとする様々なリスクを恐れるがあまり、健斗のような過介護になっているのではないか?ということです。著者である羽田圭介さん自身には介護の経験はなく、作品のほとんどが創作とのことですが、介護が必要な高齢者に対し、ひとりひとりの尊厳を保ちながら、必要かつ適正な介護を過不足なく提供することが大事であるということを、過介護に徹する健斗の思考と行動を通じて逆説的に説いていると思いました。

 二つ目は「死にたい」という高齢者の発する声について。健斗は「早う迎えにきてほしか」、「つらか・・・・もう死にたか」と言い続ける祖父の、言葉の裏にある本当の気持ちを知り、自らの大きな思い違いを悟ってがく然とします。老健施設で日々働く中で、利用者の同様な声を耳にすることは少なからずあります。もちろんそれを手助けしてやるようなことは絶対にあり得ないのですが、そのような将来を悲嘆する利用者の言葉の奥にある本当の気持ちに耳を傾け、それを踏まえた心身両面のケアをしていくことが重要だと再認識させられました。

 羽田圭介さんは四度目の候補で、今回の芥川賞受賞となりましたが、デビュー作の「黒冷水(こくれいすい)」はなんと十七歳の若さで執筆したばかりでなく、文藝賞も受賞しています。これは身長も学業も弟に勝る兄の部屋を偏執的にあさる弟と、様々なトラップを仕掛けて執拗に報復する兄との果てしない憎しみ合いが続けられる、タイトルが示す通りどろどろと冷たい作品です。これを読んだとき、とても十七歳の少年が書いたものとは信じがたく、その猛烈な筆力に圧倒されてしまいました。そしていつの日か芥川賞をとるだろうと思っていたのですが、「ついに」、というか「やはり」の受賞!心より祝福申し上げるとともに、自作に更なる期待を抱かずにはいられません。

 そんなわけで今回の芥川賞受賞作、「スクラップ・アンド・ビルド」。読まれてみてはいかがでしょうか。IMG_5333-1(t).jpg

秋桜(あきざくら)咲きました

 ご存知の通り「秋桜」と書いて「コスモス」と読みます。行楽の秋、宮崎でも各地でコスモスが咲き誇り、それにちなんだイベントも開かれています。秋風に吹かれて気持ちよさそうに揺れるコスモスは、見ていてウットリ、癒されます。

001IMG_2703.jpg

 そんなコスモスに嫉妬するのでしょうか、毎年同じ頃にちょっとだけ咲くのが「桜」。そう、正真正銘の「さくら」です。写真は918日に撮影したもの。もちろん春のように沢山ではありませんし、春のものと比べ、白っぽいような気がしますが、桜の花であることに間違いありません。

002IMG_2704.jpg

 秋に桜が咲く現象は、そんなに珍しいことではないようです。春の満開の桜もいいですが、この時期にいわば「サンプル品」みたいにちょっとだけ咲いて、見る人を楽しませてくれる桜の気遣いに感謝しながらシャッターを押しました。

003IMG_2707.jpg

 秋の後には冬が来て、そして春はまだその先のことです。だけど今から来年の春、そして満開の桜の下で利用者の皆様と花見をするのが楽しみになった、「秋桜(あきざくら)」の粋なはからいに感謝です。

お彼岸です(「彼岸の支え」とは)

IMG_2691-1.jpg

 923日は秋分の日。彼岸の中日です。だいたいこの時期にあわせて彼岸花が咲くのですが、桜前線のように南から北上したり、紅葉前線のように北から南下するのではなく、全国ほぼ一斉に咲くというのは不思議なものだと毎年感じてしまいます。

 ところで、「彼岸の支え」という不思議な言葉が出てくる物語があります。それは以前にも一度紹介しましたが、「イラハイ」という小説(新潮社)。著者は佐藤哲也さんです。

 イラハイという国に住む屋根穴職人ウーサンが、ヒロインのシュリと結婚すると知ったイラハイ国王フルシミ八世が、幸せを得るには困難を克服しなければならない、と難癖をつけてシュリを奪い去ります。そして城の塔に幽閉されたシュリを取り戻そうと様々な困難に遭遇するウーサンが、穴から落ちた先の地底でつながれてしまうのが、イラハイの国土を崩し去るという「彼岸の支え」。しかしその後この「彼岸の支え」、無残にも折れてしまい、イラハイは水中に没してしまいます。はたしてウーサンはシュリを救い出せるのでしょうか。

5回日本ファンタジー・ノベル大賞(1993年)を受賞したこの「イラハイ」、とても不思議な内容です。屋根穴職人とはいったいどんな仕事なのでしょうか?そして何よりも「彼岸の支え」っていったいぜんたいなんだろう?と作品全体を通じてアブノーマルな雰囲気が漂っています。お彼岸のこの時期に読んでみてはいかがでしょうか。

IMG_2692-1.jpg

敬老の日です

 921日は祝日です。敬老の日です。もともと915日だった敬老の日は、ハッピーマンデー制度により2003年から第3月曜日に移動しました。「多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う」ことを主旨とした敬老の日。県内はもとより全国の老健施設でも敬老をお祝いする行事が催されているのではないでしょうか。

 シルバーウィークと言われる今年の秋の休みは920日から23日の4連休、土曜日から休みだと5連休というゴールデンウィークなみの大型連休になっています。とはいえ暦通りに休む事ができないのが私達老健施設で働く者の定め。むしろ敬老の気持ちを新たにし、利用者にいつも以上の誠実さをもって接していく一日にしようではありませんか。

この機会に、「介護老人保健施設の理念と役割」をおさらいしたいと思います。公益社団法人全国老人保健施設協会が毎月発行している協会機関紙、「老健」からそれを抜粋し、以下に記します。さあ、今日もがんばりましょう!!

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

「介護老人保健施設の理念と役割」

 介護老人保健施設は、利用者の尊厳を守り、安全に配慮しながら、生活機能の維持・向上をめざし総合的に援助します。また、家族や地域の人びと・機関と協力し、安心して自立した在宅生活が続けられるよう支援します。

 

1.包括的ケアサービス施設

 利用者の意思を尊重し、望ましい在宅または施設生活が過ごせるようチームで支援します。そのため、利用者に応じた目標と支援計画を立て、必要な医療、看護や介護、リハビリテーションを提供します。

2.リハビリテーション施設

 体力や基本動作能力の獲得、活動や参加の促進、家庭環境の調整など生活機能向上を目的に、集中的な維持期リハビリテーションを行います。

3.在宅復帰施設

 脳卒中、廃用症候群、認知症等による個々の状態像に応じて、多職種からなるチームケアを行い、早期の在宅復帰に努めます。

4.在宅生活支援施設

 自立した在宅生活が継続できるよう、介護予防に努め、入所や通所・訪問リハビリテーションなどのサービスを提供するとともに、他サービス機関と連携して総合的に支援し、家族の介護負担の軽減に努めます。

5.地域に根ざした施設

 家族や地域住民と交流し情報提供を行い、さまざまなケアの相談に対応します。市町村自治体や各種事業者、保健・医療・福祉機関などと連携し、地域と一体になったケアを積極的に担います。また、評価・情報公開を積極的に行い、サービスの向上に努めます。

DSCN0665(s).jpg

「こころゆるゆるコンサート」のお知らせ

 認定特定非営利活動法人ホームホスピス宮崎主催による「認定NPO取得記念『こころゆるゆるコンサート』 ”0歳から100歳までのコンサート」のお知らせです。

kokoroyuruyurukonsa-to20150927.jpg

 

【日時】2015927日(日)

     1230分開場

     1330分開演

     1540分終了

【開場】メディキット県民文化センター

     イベントホール(2F

 宮崎市船塚3丁目210

【出演者】※出演者の詳しい情報はこちらをご覧下さい。

《第1部》野田 あすか さん

《第2部》覚 和歌子 さん

【入場料】大人2,000円、学生(高校生以上)1,000円、中学生無料、療育手帳A・身障1,2級手帳提示の場合無料(付添人11,000円)

【申込方法】

こちらをごらんの上、「チケット(入場券)申込書」に必要事項をご記入の上、認定特定非営利活動法人ホームホスピス宮崎まで郵送またはファックスでお申し込み下さい。

〔住所〕

〒番号880-0913 

宮崎市恒久2-19-6 ホームホスピス宮崎 コンサート係

FAX

0985-53-6054

【お問い合わせ】認定特定非営利活動法人ホームホスピス宮崎(TEL0985-53-6056FAX0985-53-6054e-mailoffice@npo-hhm.jp

最近の投稿

アーカイブ

カテゴリー

老健みやざきFacebook

TOPへ