雑談

盛り上がった県民スポーツ祭

 みやざき県民総合スポーツ祭が県内各地で開催されました。67日付け宮崎日日新聞によれば、競技とレクリエーションの部の61競技に約17千人が参加するとのことで、これは昨年よりも5千人多い参加者数(昨年同紙報道と比較)。これはスポーツを楽しむ県民が増えたことや、その背景としての健康志向の高まりの現れが要員の一つではないでしょうか。

 県民最大のスポーツの祭典ともいえる同祭。67日(日)、宮崎市の宮崎県総合運動公園第一陸上競技場では、陸上競技が行われました。

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短距離、中距離、長距離のトラック競技(10kmは場外コース)、そして跳躍(走り幅跳び、走り高跳び)や投てき(砲丸投げ、円盤投げ)のフィールド種目などが、公認の審判員が公認の機器を用いて、本格的に繰り広げられました。青壮年はもとより、80歳以上のベテランアスリートまで、それぞれが自分の限界に挑戦するとともに、選手同士で健闘をたたえ合い、交流の輪も広がりました。

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004DSCN0203.JPG 今年225日には、2026年の国体と全国障害者スポーツ大会の宮崎県への招致が正式表明され、本県のスポーツへの取り組みはより一層熱を帯びてくるものと思われます。本県での開催決定を祈念するとともに、県民がさまざまなスポーツへ取り組んでいくことで、そのレベルアップはもとより、心身の健康維持・増進がはかられ、県全体が元気になっていくといいと願ってやみません。

アイデンティティ:僕が僕であるために

 512日はアメリカの心理学者で精神分析家のエリク・ホーンブルガー・エリクソン(Erik Homburger Erikson)の誕生日です。今から113年前の1902年のこの日に生まれました。

 エリクソンは「アイデンティティ」の概念を唱えたことで知られています。アイデンティティとは「自己同一性」とも言われ、ウィキペディアには「『これこそが本当の自分だ』といった実感」と記されています。尾崎豊の言葉を借りれば「『僕が僕であるために』必要なもの」ということではないでしょうか。そして尾崎はそのために、「正しいものは何なのか」がわかるまで、勝ち続けようとしたのではないのでしょうか。

 またエリクソンは「ライフ・サイクル論」を説いた事でも知られており、その中で「アイデンティティを形成すること」が青年期の発達課題とされています。そして「自分とは何か?」という問いに対する答を発見し、自分の存在の証明を獲得し、安定した自己を形成することとで社会の一員となることができると言われています。尾崎豊は「存在」の中で「小さくかがめて守らなければ、自分の存在すら見失う」と歌っていましたが、尾崎のみならず、青年期に自分の存在の証しを得ることは簡単なことではなく、その過程で様々な葛藤と向き合い、あがき続けた経験のある人は少なくないのではないかと思います。

 そして青年期のみならず、アイデンティティは老年期においても重要なのは言うまでもありません。老年期の発達課題は「『自我の統合性の感覚』の獲得」。老年期においては自分のそれまでの人生を振り返り、それ(良いことも、そうでないことも)を受け入れることで尊厳ある生き方を守り通すことができると言われています。逆にそれができないと、自分の生き方を悔やみ、人生を悲観し、絶望して生きる意欲を失いかねないとも言われています。

 しかし、エリクソンが「ライフ・サイクル論」を説いた頃より日本の平均寿命は大幅に延びています。したがって今の時代において、老年期は後悔や絶望のみのためにのみ費やすにはあまりにも長く、「若いときにああしておけばよかった」などと悔やむ前に、今一度やり直してみたり、今までと違う生きがい作りに取り組んでみるための時間は十分あるのではないでしょうか。

 今年度の報酬改定では、高齢者の「参加」と「活動」の要素が全面に打ち出されました。その中で「リハビリテーション計画書」の策定にあたっては、「興味・関心チェックシート」が導入されることになりました。これは利用者の生活行為の諸項目について「している」、「してみたい」、「興味がある」を尋ねるものですが、その項目には「自分でトイレに行く」や「自分で食べる」などの基本的な日常生活活動だけでなく、「生涯学習・歴史」や「旅行・温泉」、さらには「居酒屋に行く」や「デート・異性との交流」、さらには「賃金を伴う仕事」など、まさに「高齢者の将来」をポジティブに捉え、やれなかったことをやり直したり、新たな価値観を求めて物事にチャレンジできるような、QOLの向上をも見据えた内容になっています。

 もちろんこれはリハビリテーションのみに限局したことではありません。利用者ひとりひとりの「『僕(私)が僕(私)であるために』何をやるべきか?何をしたいか?」を実現・達成させるために、他職種が共同してそのサポートをいく事が大事だと思います。

尾崎豊は「十七歳の地図」で「素敵な夢を忘れやしないよ」、「強く生きなきゃと思うんだ」、「どんな生き方になるにしても自分を捨てやしないよ」、「今心の地図の上で 起こる全ての出来事を照らすよ」と歌いましたが、利用者ひとりひとりが描いた「七十歳の地図」、「八十歳の地図」、「九十歳の地図」、「百歳の地図」をそれぞれの生きがいの道しるべとしながら、「自由への扉」を開き、希望に充ち満ちた人生がおくれるよう、老健職員の一人として注力したい・・・エリクソン誕生日を迎えるに当たり、そのように考えた次第です。IMG_9959-1.jpg

空の芸術

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 これは去る530日(土)の午前524分、西都市の某所で撮影した一枚です。南西から北東に向かう飛行機雲。それが時間の経過とともに広がって、白い竜のようにも見えます。それを待ち受けるのが真っ赤な朝焼け雲。あと数分で顔を出す朝陽がその向こうに待ち構えながら「これでもか!」というくらいの紅色に染め上げています。そして空はすでに宮崎ブルーとなり、一日の始まりへの準備を万端に整えています。その一方、地上では逆光の杉林が真っ黒となり、なかなかに良いコントラストとなっています。

 そうこうしているうち、どなたかが草でも燃やしたのか、ほぼ正面から煙が立ち上ってきました。これによってそれまでの景色にさらなる色と形が加わって、ご覧の通りの光景となりました。

 とても感動的なこの瞬間・・・。これをたった一人で見ることができたのはすごくラッキーだったのですが、できれば他の人、特に利用者の方々と、この感動を共有できれば良かったなぁ・・・とも思いました。さすがに524分というのは早すぎるかもしれませんが、宮崎の自然が織りなす風景の美しさは他にも誇れるものだと思います。四季折々の宮崎の花鳥風月、風光明媚を、出来うる範囲でみんなと楽しめたらいい・・・。そう思いながらシャッターを切った次第です。

ごきげんよう(美輪明宏さん傘寿)

 515日は美輪明宏さんの誕生日。1935年(昭和10年)生まれですから。今年80歳、傘寿を迎えられました。歌手として「ヨイトマケの歌」、「愛の賛歌」で紅白歌合戦に2年連続出場された美輪明宏さんは、声優やナレーターとしても実力をいかんなく発揮されるなど、現在も大活躍中です。

 大好評だった朝の連続テレビ小説「花子とアン」では、毎回「ごきげんよう、さようなら」で締めくくる美輪明宏さんの暖かで優しいナレーションがとても印象的で、三輪さんのこの声に大いに癒された視聴者も少なくなかったのではないかと思います。ドラマの中でも重要なキーワードとなったこの「ごきげんよう」。『広辞苑』には「御機嫌よう:人と出会った時または別れる時に、健康を祝しまたは祈っていう挨拶のことば」とあります。

 「花子とアン」、そして美輪明宏さんのナレーションをきっかけに意識するようになったこの「ごきげんよう」という言葉には、このような素敵な意味があるのだと感銘を受けたものです。地域包括ケアの拠点として、リハビリテーションを通じ高齢者の心身の健康を促進し、在宅復帰、在宅支援を推し進める老健施設においても、この「ごきげんよう」の精神は大切だと思います。利用者との日々の挨拶として「ごきげんよう」という言葉と気持ちを交わしてみてはいかがでしょうか。それでは、ごきげんよう、さようなら。IMG_6911.JPG

看護の日

 512日は「看護の日」。また12日を含む週の日曜日から土曜日までが「看護週間」ですから、平成27年は510日から516日が看護週間です。公益社団法人日本看護協会ホームページには、「21世紀の高齢社会を支えていくためには、看護の心、ケアの心、助け合いの心を、私たち一人一人が分かち合うことが必要です。こうした心を、老若男女を問わずだれもが育むきっかけとなるよう、旧厚生省により、『看護の日』が1990年に制定されました。市民・有識者による『看護の日の制定を願う会』の運動が、きっかけでした」とあります。また、「近代看護を築いたフローレンス・ナイチンゲールの誕生日にちなみ、512日に制定されました。1965年から、国際看護師協会(本部:ジュネーブ)は、この日を「国際看護師の日」に定めています」と紹介されています。

 宮崎県においても、「みやざきナースToday2015」と銘打って公益社団法人宮崎県看護協会によるイベントが県内各地で開催中です。

 老健施設においても、看護スタッフの役割が重要かつ不可欠なのは言うまでもありません。看護の魅力を知り、その役割を学ぶ一助として、イベント会場に足を運んでみてはいかがでしょうか。IMG_9830.JPG

生涯勉強

 57日は萩本欽一さんの誕生日。今年で74歳を迎えられます。コメディアン、タレント、司会者、演出家・・・。萩本さんには様々な分野で多彩な才能を発揮されてきましたが、この春さらに「学生」の肩書きが加わりました。 

 ご存知の通り今年4月、駒澤大学仏教学部の1年生としてキャンパスライフを始めた萩本さん。入学の動機は「認知症に立ち向かおうと思った。だったら記憶をすればいいと考えて」とのこと(スポニチホームページより)。さすがは欽ちゃん!素晴らしい心がけだと思います。そして老健施設に働く者の一人として、見ならうべきところが大きいと感じました。

 2025年には認知症高齢者が700万人と推計され、その対応が急務となっている中、介護老人保健施設の果たすべき役割も非常に重要となっていることは言うまでもありません。地域包括ケアの拠点としてこの問題に対応して行くために、他職種が連携するとともに、地域の各機関と一体となった取り組みの強化が必要だ、と萩本欽一さんの「学ぶ姿勢」に改めて思い知らされました。IMG_5780-1.jpg

気をつけてUターン

 ゴールデンウィークも6日で終わりです。老健施設で日々利用者の皆様のケアにあたっておられるスタッフにとっては、連休とは無縁の人少なくないとは思いますが、通勤や送迎の際に、いつもと交通量が違うので、「そうか!ゴールデンウィークだったんだ」と気づかされた方もいるのではないでしょうか。

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 上の写真は宮崎市小松地区で大淀川右岸から眺めた朝の風景です(去年の511日撮影)。「大淀川市民緑地運動施設」と言う通り、緑が目に優しく、いかにも5月らしい景色でした。

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↑手前には自生のアザミが朝つゆに濡れて輝いていました。

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↑そしてこれは国富町六野地区の畑で見られた夕景(今年の41日撮影)。雲間に隠れた太陽から光の筋が左右に分かれて地上に降りています。その姿から「天使のはしご」というらしいのですが、空も大地も広い宮崎ならではの光景でした。

いずれも観光スポットではない「普通の場所」ですが、宮崎の自然の美しさに触れ、思わずシャッターを切った次第です。連休中は県外から帰省した人も多く、その中には老健の利用者のご親族もおられて、久しぶりの再会に話が弾んだのではないでしょうか。

連休が終わりUターンされる際、この宮崎の美しい自然そのものをお土産に持って帰るわけにはいきませんが、かけがえのない郷土の宝物であるこの豊かな風景を、心に刻んでおいていただけるといいと思います。

高くおよぐや

「甍(いらか)の波と雲の波、重なる波の中空(なかぞら)を、橘(たちばな)かおる朝風に、高くおよぐや鯉のぼり」・・・。

ご存知文部省(現文部科学省)唱歌、「鯉のぼり」の1番ですが、歌い始めの「甍(いらか)の波」というのは、屋根の1番高い所で水平をなしている棟瓦(むねがわら)が、重なり合って波のようになっている様子だと思います。これと大空に浮かぶ真っ白な「雲の波」との間を、「橘」つまりみかんのような柑橘系の花(?)の香りが「薫風(くんぷう)」となってたおやかに吹いている朝。その風に乗ってすこぶる元気に大空を泳いでいる鯉のぼりの姿に、子供がすくすく育って欲しいという願いを込めて歌われているのがこの「鯉のぼり」であると、個人的には解釈して歌っています。作曲は弘田龍太郎ですが、作詞者は不明とのこと。

この歌が作られた時代と比べると、現代の家屋構造には「甍の波」がないものも少なくないようです。また、かつて県内各地で作付けが拡大されたみかんの木も、今ではかなり減って、「橘」が朝風にかおるというシチュエーションも減ってきたのではないでしょうか。さらにマンションやアパートなどでは、大きな鯉のぼりを泳がせるのが困難といった住宅事情もあり、必ずしもこの歌詞のようにはいかなくなっているのではないか?と少々寂しい思いがする今日この頃です。

しかしながら、子供の健全な成長を願う親の気持ちは、今も昔も変わらないと思います。それに加え、平均寿命が延びてきたのに従い、孫の健全な成長を願う祖父、祖母はもとより、ひ孫の健全な成長を願う曾祖父、曾祖母の想いはより一層強まってきているかもしれません。

老健の利用者の中にも、孫やひ孫がおられる方も少なくないと思います。「こどもの日」を迎えるに当たり、「お孫さんが元気にすくすく育っていく様子をいつまでも見届けられるよう、そして毎年こどもの日をお祝いできるように、ますます元気になりましょう!」などと話をしながらリハビリに励むのもまた良いのではないか、と思う次第です。

IMG_6882.JPG(↑残念ながら全くの無風状態だったので、この日は休養日だった鯉のぼり。別な日には元気に大空を泳いでいました)

みどりを愛でよう

 54日はみどりの日。太陽と緑に恵まれた自然豊かな宮崎県ですが、とりわけこの時期の青葉は目に優しく感じます。001IMG_6640.JPG

上の写真は宮崎市の大塚八幡神社の街路樹。初夏の青葉を吹く風を「緑風(りょくふう)」と呼ぶ通り、この季節の風はさわやかで、青葉が揺れる様子を眺めながら散歩をすると、すがすがしい気分になります。

 「緑」や「自然」と言っても、それは人の手の加わらない、全くの自然というのではなく、先人達が大事に守り、育みながら今日に至っているわけで、その事に感謝しつつ、私達もまた、この豊かな自然を後生に残していかなくてはならないと思います。

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003IMG_6886.JPG 利用者の皆様にその経験談を伺いながら、一緒に緑を愛でにでかけてみてはいかがでしょうか。

交流少ないと健康リスク

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 422日の朝日新聞。「高齢者
交流少ないと健康リスク」という記事に深く考えさせられました。

 これは日本福祉大や千葉大の研究チームが2003年に愛知県に住む65歳以上の健康な男女約12千人を対象に同居者以外の人と会ったり、手紙やメールを出したり、電話をしたりする頻度を調べ、さらに約10年間追跡調査し、交流頻度と健康リスクとの関連についてまとめた結果が掲載されていました。

それよると、

(1)同居者以外との交流が、月1回から週1回未満の人は、毎日頻繁に交流している人に比べて、

  (a)要介護2以上となるリスクが1.40倍、

  (b)認知症の発症リスクが1.39

(2)1回未満では、死亡リスクが1.34

・・・という衝撃的な結果が示されていました。

 これに対して、「積極的にいろんな人たちと付き合うことが健康にとっても大切だと知ってほしい」という日本福祉大の斉藤雅茂准教授(社会福祉学)のコメントが紹介されていました。今年度改定された介護報酬では、利用者の「参加」と「活動」を促進するケアの提供が重視されていますが、この研究結果はそのことを具体的に裏付けているのではないでしょうか。利用者の「参加」と「活動」、そして「交流」を促し、心身の健康維持・促進をはかることの重要性を再認識した記事でした。DSCN8158.JPG

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