雑談

レッツスマイル!(メラビアンの法則)

 宮崎市の平和台公園にあるはにわ園。遊歩道のある林に中に約400基のはにわの複製品が並んでいます。これは平和台公園ホームページによると、「宮崎市内に住む『本部マサさん』という「はにわ」作り一筋に生きてきた西都市出身の方が、日本の各地で発掘されたはにわをそのままの形で再現、生涯の思い出にと県に寄贈したもので、それを県が公園を造り保存したもの」だそうです。

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 写真は公園広場北側に立っている武人のはにわ。いつもやわらかな笑顔で観光客を出迎えてくれるその姿にほほえましい印象を受けます。

さて、この第一印象に関して、「メラビアン法則」という有名な法則があります。コトバンクには「アメリカUCLA大学の心理学者/アルバート・メラビアンが1971年に提唱した概念。人物の第一印象は初めて会った時の3ないし5秒で決まり、またその情報のほとんどを『視覚情報』から得ていると言う概念。メラビアンが提唱する概念において、初対面の人物を認識する割合は、『見た目/表情/しぐさ/視線等』の視覚情報が55% 、『声の質/話す速さ/声の大きさ/口調等』の聴覚情報が38%、『言葉そのものの意味/話の内容等。』の言語情報が7%と言われている。」と紹介されています。

 つまりこのはにわのような優しい笑顔で接することが、私たち老健施設で働く者にとっては重要だということではないでしょうか。特にうっとうしい天気が続く今日この頃です。爽やかな笑顔で梅雨空を吹き飛ばしましょう。レッツスマイル!

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(↑こちらはお馬さんのはにわ。これもまたかわいい癒やし系のスマイルです)

梅雨入り空のちょこっとサービス

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 64日に南九州は梅雨入りしました。昨年は62日でしたから、それより2日遅い梅雨入りということになります(ただし今年は閏年ですから、実際には3日遅い、ということでしょうか)。その日の天気は当然雨となりました。

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しかしその日の早朝、日の出直前(55分頃)にはごらんのような美しい景色を数分間だけ拝むことができました(撮影地:西都市)。これからどんよりした空が続くにあたり、お天気の神様が「ちょっとだけだよ」とサービスして、こんな青と赤の空模様を描いてくれたのかなあ?と思いながらシャッターを切りました。

それはともかく、梅雨時となれば食中毒や転倒、体調不良に気分不良、そして雨天送迎時の安全配慮など、利用者の皆様のお世話をするに当たり、他の時期以上に注意を払わなければならない事が増えてきます。みんなで気をつけながらこの時期を乗り切って、梅雨明け後の宮崎の青い空との再開を待つことにしましょう。

仮眠を有効に

 睡眠不足ですっきりしない・・・という時、数分間でも仮眠をとるとすっきりするものです。

 「時間を忘れるほど面白い雑学の本」(竹内均 編、三笠書房)にはNASA(アメリカ航空宇宙局)

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が行った仮眠の実験が次のように紹介されています。

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(1)実験対象は夜間飛行の航空パイロット

(2)パイロットを「仮眠を取るグループ」と「仮眠を取らないグループ」に分ける

(3)「仮眠を取るグループ」には仮眠(あるいは休憩)40分、そして20分の回復時間を、機長、副操縦士、航空機関士に交替で取らせる

(4)その結果、仮眠を取ったグループは眼球反応が16パーセント速く、着陸時の注意力が5倍高くなっていた

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 365日、24時間体制で高齢者のケアにあたる老健施設職員にとって、体調を整え、集中力を保って業務を行うことが求められます。特に梅雨時のすっきりしないこの時期は、寝不足に陥りがち。仮眠を効果的にとって仕事に臨みましょう。

申し送りは確実に

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 掲載した写真は宮崎市の大淀川にかかる天満橋で早朝撮影したものです。ちょうど朝日が顔を出してきましたが、橋の照明はまだ点灯中。このようにどちらも同時に輝いている時間は長くはないでしょうから、なんだか得した気分でシャッターを切りましたが、あたかも太陽と街灯が照明の役目を交替するにあたり、申し送りをしているようにも思いました。

 もっとも、このように完全二交替性をとっている老健施設はないでしょうが、どこの施設でも申し送りはしっかりと行っていることと思います。24時間必ず誰かが勤務し、交替で利用者のケアに当たっている中で、体調不良者や転倒・転落者の有無、そして利用者その他に関して伝達すべき情報などを確実に申し送ることは非常に重要です。

 気候が安定しないこの時期は様々なリスク要因が増えてくることが懸念されます。いつも以上の目配り、気配り、心配りを徹底するためにも、申し送りを徹底してまいりましょう。

盛り上がった県民スポーツ祭2016

 県民総参加のスポーツイベント、「みやざき県民総合スポーツ祭」が64日と5日を中心に、県内各地で開催されました。60の競技とレクレーションの部に12000人が出場しました。

 宮崎市のKIRISHIMAヤマザクラ県総合運動公園第一陸上競技場では陸上競技があり、短距離、中距離、長距離のトラック競技(10kmのみ公園内ロード)、そして跳躍や投てきのフィールド競技が、公認の審判員が公認の機器を使用し、本格的に行われました。時折細かい雨が降る中、老若男女のアスリートが日頃の練習の成果をいかんなく発揮していました。また県内各地から出場した選手同士が、互いの健闘をたたえ合い、交流も深まっていました。

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(↑若さとスピード感溢れる青年達の疾走)

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(↑ベテランだって負けていません。鍛え上げた身体がたくましいです)

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(↑最年長の部。大会記録保持者も出場し、会場を大いに沸かせました)

 陸上競技に限らず、さらに老若男女を問わず、県民が様々なスポーツに取り組み、健全な身体と精神を培っていくことは非常に素晴らしいことです。2026年には本県で国体と全国障害者スポーツ大会も開催されます。今後様々な形で本県におけるスポーツ、そして健康作りの機運が高まっていくといいと思います。

深刻!独居高齢者孤立

 「独居高齢者 深まる孤立」という見出しが大きく載っていたのは530日の宮崎日日新聞。宮崎県警が平成27年の1年間に実施した65歳以上の独居高齢者の検視件数が354件に上り、統計を取り始めた2006年以降で過去最多になったのだそうです。

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 この記事のリード文には「周囲との交流がなく、誰にもみとられずに亡くなる『孤立死』とみられるケースも少なくない」と記されていました。県警によればこの354件という検視数は、検視件数全体の4分の1を占めているとのことで、「家族が近くにおらず、死後数日たって近所の人が発見することも多い」との指摘も紹介されていました。

 県長寿介護課によれば、県内における一人暮らしの高齢世帯は2005年の47千世帯から2010年は53640世帯に、さらに2015年は推計値で63千世帯と、増加の一途をたどっているとのこと。これは高齢化や生活困窮も背景にあるとして、検視に当たっている医師の「地域や家族とのつながりを持てるような地道な取り組みが求められる」というコメントが紹介されていました。

 高齢者の在宅復帰、在宅生活を支援し、高齢者が生き甲斐をもって地域社会の一員として交流と役割を保ち、参加・活動を継続できるよう、介護老人保健施設が地域包括ケアシステムの拠点として果たすべき役割は益々重要かつ喫緊の課題になっていることを否応なしに痛感させられる記事でした。施設間における他職種での連携はもちろんのこと、地域の様々な機関、団体、そして住民等との広く、深いつながりを今以上に強化し、このような悲惨な現状解決に向けて取り組んでいかなければならないと思います。

捨ててはいけないもの(介護ロボ導入にあたり)

 「3000年の密室」という小説は柄刀一(つかとうはじめ)の作品で、2002320日に光文社文庫から文庫本が出ています。時は1997年、長野県下の中部山岳地帯の洞窟で発見された3000年前の縄文人の「他殺された」男性ミイラが世界の注目の的となる中、その発見に携わった関係者が不審な死を遂げます。主人公で長野歴史人類学研究所所員の弓岡真理子が3000年の時を隔てたそれぞれの死の謎に迫る・・・という内容で、3000年前の人類の生活の様子について詳細な描写を加えながら話が展開されています。

 この物語の中ではパソコンが登場します。1997年といえば、世界のコンピューター事情を大きく塗り替えた「Windows95」が1995年に登場した翌々年で、パソコンが飛躍的に普及していった頃です。詳細を記すことはできませんが、3000年前の殺人の謎の解明、そして1997年という「世紀末」の殺人のトリックの双方において、パソコンは重要な役割を果たしています。そして21世紀となった今日、パソコン等の情報端末は私たちの生活の中にすっかり浸透し、もはや欠かすことのできない存在となっています。パソコンおよびインターネットの登場は、人類の歴史の中で最大の「進化」の一つと言えます。

 この「進化」に関して、この作品には興味深い箇所がありました。主人公弓岡と、登場人物の一人、神崎との会話です。5万年前に生きていた「旧人」と呼ばれるネアンデルタール人が、その死に際して、仲間達から手厚く葬られていたことから、その当時において既に「死者を弔う」という感情を持っていた事を「そんな遙か昔から芽生え、人類を人類ならしめていたもの」と述べた上で、次のような会話が交わされるのです。

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弓岡:「わたし達が新しい世紀へ進化を遂げる時、捨てていってしまうものもあるのでしょうか・・・・・」

神崎:「どうだろう・・・・・。でも、それを捨ててしまっては進化しても意味がないってものもあるんじゃないかな」

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 新しい世紀となった現代。そして2025年問題を間近に控えた現代。国を挙げて介護ロボットの普及を促進し、介護力不足を補おうという取り組みが進められています。「この介護ロボットという『進化』の過程で、『捨てていってしまうもの』はないだろうか?」・・・そのような懸念する気持ちがふっとわいてきました。5万年前のネアンデルタール人ですら持っていた「他者の生命を大事にし、その人の尊厳を守る心」が、万が一介護ロボットの普及という進化を遂げる際に捨てられてしまっては、人類が地上に降り立って以来今日までずっと引き継がれてきた「人類を人類たらしめてきた最も大事なもの」を喪失し、そしてそれは二度と取り戻すことができなくなる恐れすらあるということを認識しなければならない・・・。この二人の会話を何度も読み返しながら、そのように感じました。

 ”人間”という「心ある者」が、ロボットという「心なき物」を用いて、人間という「心ある者」の介護をする・・・これが介護ロボットを導入する上での決して欠かすことの出来ない大前提だと思います。当協会でも介護ロボットの試験導入を今年度より開始しますが、ロボットを用いることにより人間の「心」の部分が飛躍的に向上するようなケアの実践につながることを強く願っています。

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水を打ち、棹を差す

 自然豊かな宮崎、特に朝夕は魅力的な風景を見せてくれます。

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 まずこの写真は519日の朝、日の出の頃の大淀川で撮った一枚です。穏やかで静かに流れる大淀川が、まるで鏡のように空と雲と太陽を映していました。風も弱く、「水を打ったよう」に静かな朝でした。

 ちなみにこの「水を打ったよう」という言葉、「広辞苑」には「大勢の人がだれも口をきかず、静まりかえっているさま」とあります。しかしこの静かな川の水面を、棒かなにかでバシャバシャ打ってしまったら、波紋で乱れてせっかく川面に映った空や雲や太陽が消えてしまいます・・・と言いたいところですが、この場合の「水を打つ」というのは、「打ち水」のことを言います。つまり打ち水をすることで空気中を舞っている砂埃などが無くなって静かになった様子が「水を打ったよう」ということですのであしからず。

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 次の一枚は、同じく519日、上の写真より少し早い時刻、ちょうど朝日が顔を出した頃に河川敷に下りて、川面ぎりぎりまで近寄って撮った写真です。左下を見ると、木の枝があたかも「流れに棹(さお)」をさしたようになっています。

 ちなみにこの「流れに棹」という言葉、「広辞苑」には「棹を使って流れを下るように、大勢のままに進む。誤って、時流にさからう意に用いることがあるとあります。したがってこの写真の場合、穏やかな川の流れに棹ならぬ枝がささって、流れに逆らい波紋を作り乱してしまっていますので、「流れに棹さす」という言い方は誤りということになりますね。

 とはいえ、このような宮崎の自然豊かな風景を目の当たりにすると心が洗われる思いです。老健の利用者の皆様が大切に守り、育ててこられた宮崎の自然を、私たちもまた守り、育て、そして次代に引き継いでいきたいと思います。

肥料よりも親父の足あと

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宮崎には「肥料よりも親父の足あと」ということわざがあります。「農山漁村に伝わる先人の知恵 宮崎県のことわざ・格言」(宮崎県農業改良普及協会編、鉱脈社)によると、「農業は技術も必要であるが、熱心さも大事であり、やはり主人公の熱心な取り組みが必要である」という意味だそうです。

老健を利用されている高齢者の中には農作業に牛馬を使われていた経験のある方が多くおられます。今のように農業機械を用いるのと比べ、その効率は非常に悪く、また大変な重労働だったことと思いますが、田畑にたくさんの足跡を残し、日々ご尽力されたからこそ、今の私たちの暮らしがあるのだと思うと、感謝の気持ちでいっぱいです。

今は農業機械や技術も進化し、牛馬の時代と比べると作業効率は飛躍的に向上し、作業負担も大幅に軽減しました。しかしだからと言って生産者の熱心さが低下したわけではありません。

「図説 宮崎県の農業2015 数字とグラフでみる宮崎県農業のあらまし」(宮崎県農政水産部)によると、本県における平成27年の農業産出額(概数値)は3,326億円で、これは堂々の全国5位を誇るのですが、単に金額や生産量の多さにとどまってはいません。農業者、農業団体、行政が力を結集し、「みやざきブランド推進本部」を組織。「宮崎県から供給する農産物の安全は産地の責任」と、自主検査システムを全国に先駆けて取り組むなど、より安全で安心な農産物の生産、供給に向け、産学官が一体となり、これまで以上の熱心さで頑張り、輝かしい足あとを残していっておられるわけです。

今年度当協会は県の委託事業として「介護ロボット普及促進事業」に取り組むこととなっていますが、この「肥料より親父の足あと」のことわざが示すように、ロボットの導入により肉体的負担が軽減されたからといって、熱心さを失うようでは本末転倒。ロボットという「肥料」を手段として、利用者本位の心のこもったケアの実践という目的を果たすため、今まで以上の熱心さをもって素晴らしい「足あと」を残していけることを願ってやみません。

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声なき声に耳を傾けよう

朝の大淀川の河川敷を歩いていると、あちこちで小さな花が、朝日を受けて輝きながら咲いている姿と出逢うことができます。

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足を止めてその場にかがんでよくよく観察して見ると、それぞれに特徴があり、またそれぞれが何かしら主張し、話しかけているようにも見えます。

 

【咲くということ】

咲いたことに価値があり

咲かされていることに意味がある

奇跡的な偶然の巡りあわせを経て

今、ここで咲いている

それが君であり

それが僕なんだ

 

 

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草花の声なき声に耳を傾けてみる・・・。それは私たち老健施設で働く者が、利用者と接する際の心構えにも相通じるものがあると思います。利用者の発する言葉を傾聴することはもとより、表出できない気持ちや訴えを様々な方法で汲み取り、それをケアに活かしていくこと。決して簡単ではありませんが、そのことがおひとりおひとりの生き甲斐のある人生を支えていくことにつながると思います。大淀川の草花から、その大切さを教わった朝でした。

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